トップ
>
重苦
>
おもくる
ふりがな文庫
“
重苦
(
おもくる
)” の例文
「さう云ふ
訳
(
わけ
)
でもないが……」と三四郎は弁解する。与次郎のへら/\調と、三四郎の
重苦
(
おもくる
)
しい
口
(
くち
)
の利き様が、不釣合で甚だ
可笑
(
おか
)
しい。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「どうなったろう?」という、
好奇心
(
こうきしん
)
も
起
(
お
)
こって、なんだか、そのやぶの
近
(
ちか
)
くになると、
重苦
(
おもくる
)
しいような
気
(
き
)
さえしました。
犬と古洋傘
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
去年
(
きょねん
)
の秋のようにあんなつめたい風のなかなら
仕事
(
しごと
)
もずいぶんひどかったのですけれども、いまならあんまり楽でただ少し
肩
(
かた
)
の
重苦
(
おもくる
)
しいのをこらえるだけです。
イーハトーボ農学校の春
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
千八百八十三
年
(
ねん
)
、ペテルブルグの
師範学校
(
しはんがっこう
)
を
卒業
(
そつぎょう
)
したソログーブは、
各地
(
かくち
)
に
移
(
うつ
)
り
住
(
す
)
みながら、
教師
(
きょうし
)
を
勤
(
つと
)
め、
傍
(
かたわ
)
ら
詩
(
し
)
を
作
(
つく
)
っていたが、
間
(
ま
)
もなく
長篇小説
(
ちょうへんしょうせつ
)
『
重苦
(
おもくる
)
しい
夢
(
ゆめ
)
』
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
給油管は全開となり、
喞筒
(
ポンプ
)
はウウーンと
重苦
(
おもくる
)
しい
呻
(
うな
)
りをあげ激しい勢いで重油がエンジンに
噴
(
ふ
)
きこまれて行った。ビューンとタービンは、甲高い響をあげて速力を増した。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
重苦
(
おもくる
)
しい圧迫が壮助の頭に上ってきた。もし果して羽島さんの推察の如く腹部に重い疾患があるとすれば、既に肺を結核に冒されている身体は到底助かる見込みはあるまい。
生あらば
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
二三
日
(
にち
)
は
何
(
なん
)
の
事
(
こと
)
もなかつた。
唯
(
たゞ
)
私
(
わたし
)
の
頭
(
あたま
)
が
重苦
(
おもくる
)
しいばかりであつた。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
何處
(
どこ
)
となく
濕
(
しめ
)
つぽく
頭
(
あたま
)
を
抑
(
おさ
)
へるやうに
重苦
(
おもくる
)
しい
感
(
かん
)
じがする。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
たゞ
肩
(
かた
)
から
脊筋
(
せすぢ
)
へ
掛
(
か
)
けて
全體
(
ぜんたい
)
に
重苦
(
おもくる
)
しい
樣
(
やう
)
な
感
(
かん
)
じが
新
(
あた
)
らしく
加
(
くは
)
はつた。
御米
(
およね
)
は
何
(
なん
)
でも
精
(
せい
)
を
付
(
つ
)
けなくては
毒
(
どく
)
だといふ
考
(
かんがへ
)
から、
一人
(
ひとり
)
で
起
(
お
)
きて
遲
(
おそ
)
い
午飯
(
ひるはん
)
を
輕
(
かる
)
く
食
(
た
)
べた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
代助には、平岡の凡てが、恰も肺の強くない人の、
重苦
(
おもくる
)
しい
葛湯
(
くづゆ
)
の
中
(
なか
)
を
片息
(
かたいき
)
で
泳
(
およ
)
いでゐる様に取れた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
柘榴
(
ざくろ
)
の
花
(
はな
)
は、
薔薇
(
ばら
)
よりも
派出
(
はで
)
に且つ
重苦
(
おもくる
)
しく見えた。
緑
(
みどり
)
の
間
(
あひだ
)
にちらり/\と
光
(
ひか
)
つて見える位、強い色を
出
(
だ
)
してゐた。従つて
是
(
これ
)
も代助の今の気分には
相応
(
うつ
)
らなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
先刻
(
さつき
)
三千代が
提
(
さ
)
げて
這入
(
はいつ
)
て
来
(
き
)
た
百合
(
ゆり
)
の花が、依然として
洋卓
(
テーブル
)
の
上
(
うへ
)
に
載
(
の
)
つてゐる。
甘
(
あま
)
たるい
強
(
つよ
)
い
香
(
か
)
が
二人
(
ふたり
)
の
間
(
あひだ
)
に立ちつゝあつた。代助は此
重苦
(
おもくる
)
しい刺激を鼻の
先
(
さき
)
に置くに堪へなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其代り、
如何
(
いか
)
な
珍
(
めづ
)
らしいものに出逢つても、やはり待ち受けてゐた様な
眼付
(
めつき
)
で迎へるかと想像される。だから此女に
逢
(
あ
)
ふと
重苦
(
おもくる
)
しい所が少しもなくつて、しかも落ち付いた感じが起る。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“重苦”の意味
《名詞》
重苦(じゅうく)
堪え難い苦しみ。
(出典:Wiktionary)
重
常用漢字
小3
部首:⾥
9画
苦
常用漢字
小3
部首:⾋
8画
“重”で始まる語句
重
重畳
重宝
重々
重量
重石
重荷
重箱
重立
重大