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遮
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しゃ
ふりがな文庫
“
遮
(
しゃ
)” の例文
所名
(
ところな
)
の
辻占
(
つじうら
)
も悪い。一条戻り橋まで来たときだった。
供奉
(
ぐぶ
)
の面々は急に
轅
(
ながえ
)
を抑えて立ちどまった。いや
遮
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二、み車を
回
(
まわ
)
し初めた。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ところで江戸へ運ばれて以来、
欲気
(
よくけ
)
の多い連中が、
遮
(
しゃ
)
二無二そいつを奪い合ったのでござる。いやこれとてももっともで。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
少しも声をあげない、息を詰めて、殆ど捨て身の動作で、
遮
(
しゃ
)
二無二斬り込み、斬り込み、そして斬り込んだ。
つばくろ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
遮
(
しゃ
)
二無二打ちくじきながら、外部から進入してきて、通りぬけて、かれの存在を、かれの生活の文化を、ふみにじりうちくだいたままに残して行ったのである。
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
あたま数で押して、
遮
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二討ちとってしまおうと、自分はすばやく
岩淵達之助
(
いわぶちたつのすけ
)
のうしろへまわって
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
手ぬるし手ぬるし
酷
(
むご
)
さが足らぬ、我に続けと
憤怒
(
ふんぬ
)
の牙噛み鳴らしつつ夜叉王の
躍
(
おど
)
り上って
焦躁
(
いらだ
)
てば、
虚空
(
こくう
)
に
充
(
み
)
ち満ちたる眷属、おたけび鋭くおめき叫んで
遮
(
しゃ
)
に無に暴威を揮うほどに
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
曹操は彼の言を容れて、初めの大軍を改編し、
雷挺隊
(
らいていたい
)
と称する騎馬と車ばかりの大部隊をひいて、
遮
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二、遼西の境へ侵入した。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
訳の解らねえ奴が大将になり、さて一旦大将になると、
遮
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二そいつに獅噛み付く。子供から孫、孫から
曽孫
(
ひまご
)
、ずっと大将を譲り受けるんだからなあ。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「むしろこんにちお立ちになるほうが、ご得策だと思います。交通
遮
(
しゃ
)
断がしかれるのは、あと数日を出ないうちでしょうから。」——「どうもありがとう。」とアッシェンバッハは言って
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
その場を
繕
(
つくろ
)
う二言三言を交した後、伝二郎はすぐに若い者に下知を下して、そこと思う壁のあたりを
遮
(
しゃ
)
二無二切り崩しにかからせた。玄内は黙りこくって縁端から
怪訝
(
けげん
)
そうにそれを見守っていた。
釘抜藤吉捕物覚書:07 怪談抜地獄
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
辛
(
から
)
くも、瀬田の大橋口は、
遮
(
しゃ
)
二無二突破して、光春以下、その大軍のうちへ、面もふらず駈け入るまでの
果敢
(
かかん
)
は示したが——到底
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あっちこっちへ眼を移さず、自分の商売を一生懸命にやる、決して決して商売換えをしない。
遮
(
しゃ
)
二無二ひとつ物へ食い付いて行く。……と云うことでございますよ。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
蛇丸
(
じゃまる
)
——という名のとおりに、生き物のごとく自ら発して、
遮
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二に襲いかかってくる壁辰の
脇腹
(
わきばら
)
を、下から、
柄
(
つか
)
まで肉に喰い込んで突き——上げたと見えた秒間、その紙一枚のような
瞬刻
(
しゅんこく
)
だった。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
で、大野木山の関門や、そこらの
城砦
(
じょうさい
)
には、藤吉郎の手勢を残して、信長の本軍は、
遮
(
しゃ
)
二無二、敵方の本城地へ肉薄して来たものだった。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
純な乙女の恋心、宗三郎が道人の後を追い、名古屋へ行ったと知った時、浜路は
遮
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二一人ででも、後を追おうと云い出した。仁右衛門一時は止めたものの、止めて止まりそうな様子ではない。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
松明
(
たいまつ
)
を振って追って来た人々の中に、
安達清経
(
あだちきよつね
)
もいた。わが子の後を追って死のうとする
静
(
しずか
)
を抑えて、
遮
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二連れ帰った。
日本名婦伝:静御前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もしです! どうしても戦わんとなれば、この際、
遮
(
しゃ
)
二無二、一夜か半日の間に、長篠城を
陥
(
おとしい
)
れ、しかる後に、織田、徳川を迎えるべきでしょう
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
老爺は
遮
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二、彼を人なき所まで引っ張っていった。そしてさて、大きな吐息を一つあらためてほっとついた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「——
先駆
(
さきが
)
けて
遮
(
しゃ
)
二無二、天王山にお味方の旗を立てた者こそ平野の一番首よりも、戦功第一の
誉
(
ほま
)
れたらん」
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、わッさもッさを退けて、
遮
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二、窓から屋根の外へ持ち出し、共にスルリと屋根上へ脱け出していた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
するとまたぞろ、三
輛
(
りょう
)
の江州車を押してきた旅商人の一団が、
遮
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二、
人渦
(
ひとうず
)
の中へ割りこんでいた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
禿久が、
遮
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二、腕を引っぱると、虎之助は身をねじって、空いている左の手で、
脇差
(
わきざし
)
を抜いた。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
遮
(
しゃ
)
二無二、本陣の将士を督して勝頼の身を、重囲から救い出した。——これを敵方から見れば、明らかに、甲州の中軍は、算をみだして、
潰走
(
かいそう
)
し出したものといえよう。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
天皇御自身は、お困りなのであるが、まわりの者が、天皇のお名をかざして、
遮
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二、軍備をすすめている。じつに嘆かわしいことだと、
愁訴
(
しゅうそ
)
しているように読まれる。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御輿舁
(
みこしかつ
)
ぎの
懸声
(
かけごえ
)
をそろえて社を出るように、わっしわっしと、重厚な戦列を押し出していた。そしてはやくも、円明寺川の東岸の藪に迫り、
遮
(
しゃ
)
二無二、敵の中へ駈け入った。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
帝と皇后の
御輦
(
みくるま
)
は、
李暹
(
りせん
)
のために、李司馬の軍営へと、
遮
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二、曳きこまれて来たが、そこへお置きするのはさすがに不安なので
李傕
(
りかく
)
、李暹の叔父甥は、相談のうえ、以前
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
天龍
(
てんりゅう
)
の
瀬
(
せ
)
を乗っきって、
遮
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二
笠井
(
かさい
)
の
里
(
さと
)
へあがったのも
夢心地
(
ゆめごこち
)
、ふと気がつくと、その時はもう
西遠江
(
にしとおとうみ
)
の
連峰
(
れんぽう
)
の背に、ゆうよのない
陽
(
ひ
)
がふかく
沈
(
しず
)
んで、
刻
(
こく
)
一刻、一
跳
(
ちょう
)
一
足
(
そく
)
ごとに
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
宮路の
砦
(
とりで
)
は、
足守
(
あしもり
)
とよぶ小さい町の裏にあたる。足守の人家を横に見て、その
山麓
(
さんろく
)
に近づいたのはもう夜だった。夜をかけて
遮
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二道もない山を登りつめる。ここはかなり高地である。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かほどな
堅塁
(
けんるい
)
が、さいごの
粘
(
ねば
)
りになって、こう急に敗れた原因は何かというと、寄手の
遮
(
しゃ
)
二無二な
土龍
(
もぐら
)
戦法が犠牲を無視して城中へ入ったのが、彼の致命を制したこと勿論だが、何よりは
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
若侍たちは、日吉を
拉
(
らっ
)
して、
遮
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二、
籾蔵
(
もみぐら
)
の前の空地へ引っぱって来た。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
遮
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二、猛進をつづけ、ついに新野の街まで押し入ってしまった。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
五郎左は、前を駈ける信長の卯月をめがけて、
遮
(
しゃ
)
二無二、
迫
(
せま
)
って行った。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして
遮
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二、今日中にはと、水陸から瀬田の敵をおめきつつんだ。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
義元の
帷幕
(
いばく
)
で、
旺
(
さか
)
んにそう
嘲
(
あざけ
)
り笑われていた時刻、その信長は、街道の小坂、相原村の中間から、
太子
(
たいし
)
ヶ
嶽
(
たけ
)
の道なき道を
遮
(
しゃ
)
二無二越えて、もう義元の本陣へいくらもない地点まで来ていたのであった。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
遮
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二、実行力に燃える
猪突邁進家
(
ちょとつまいしんか
)
なのである。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ただ
遮
(
しゃ
)
二無二であった。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
遮
常用漢字
中学
部首:⾡
14画
“遮”を含む語句
遮莫
遮断
盧遮那仏
遮二無二
遮切
盧遮那
廬遮那
遮蔽
遮那王
遮斷
廬遮那仏
大毘盧遮那加持経
無遮
遮光
遮而
阿毘遮魯迦
電路遮断器
遮欄
遮水管
遮絶
...