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貯
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ふりがな文庫
“
貯
(
た
)” の例文
そうして亜米利加の若い男や女は、そんな遊びがしたいばっかりに、一生懸命になって働らいて、お金を
貯
(
た
)
めているんですってさあ。
支那米の袋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
が、卵を女中頭に賣つて、その金を
貯
(
た
)
めるのもこれに劣らず好きだつた。彼女は、商賣氣があり貯蓄することが目立つて好きだつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
パッシー通りで夫婦
揃
(
そろ
)
って食料品店で働き抜いた五十五、六の男の自然に
枯
(
か
)
れた声も秋風のなかにふさわしい。男は
小金
(
こがね
)
を
貯
(
た
)
めた。
巴里の秋
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
それからといふもの、夫婦は一生懸命になつて金を
貯
(
た
)
めた。そして一年の後になつて勘定してみると、三百八十五両溜つてゐたさうだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「君たちは若いから勉強して、理想を求めたまえ。わしらは金でも
貯
(
た
)
めてらくをしたいと思うばかりだ。もっともなかなか貯まらぬがね」
光り合ういのち
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
▼ もっと見る
貯金が五ルーブリに達した時、彼は嚢を縫って、また新らしく
貯
(
た
)
めにかかった。上長に対しては、彼は更に上手に立ちまわった。
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
すると
相応
(
さうおう
)
に
商
(
あきな
)
ひもあるから、
商
(
あきな
)
ひ
高
(
だか
)
の
内
(
うち
)
より
貯
(
た
)
めて置いて、これを
多助
(
なすけ
)
に
預
(
あづ
)
けたのが
段々
(
だん/\
)
積
(
つも
)
つて、二百
両
(
りやう
)
ばかりになつた。
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
新婚旅行も唐崎さん——ではない新妻みどりの稼ぎ
貯
(
た
)
めた財布のお陰で
南伊豆
(
みなみいず
)
まで遠出をし、温泉気分と夫婦生活とを満喫することができた。
幸運の黒子
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ショールを買う金を
貯
(
た
)
めることを考えたら、仲々大変なことなので割引の映画を見に行ってしまった。フイルムは鉄路の白バラ、少しも面白くなし。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
ぼくの家はきみに
学資
(
がくし
)
をだすくらいの
余裕
(
よゆう
)
があるんだ、決して遠慮することはないよ、ぼくの父は商人だけれども金を
貯
(
た
)
めることばかり考えてやしない
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
私から見れば、子供のように慾が無く、私が日々のパンを得るために、お金をせっせと
貯
(
た
)
めたっても、すぐにそれを一厘残さず、むだな事に使わせてしまって。
駈込み訴え
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
それ許りぢやない、源助さんは此五六年に、百八十兩もおツ
貯
(
た
)
めたげなと、知つたか振をする爺もあつた。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
しかしわしは体が弱いのと、口が下手なのとで、二、三年かかつて
貯
(
た
)
めたお銭も、ごく僅かなものでした。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
内職のミシン仕事も思わしくないので、下宿屋を始めたのだが、「この私を御覧なさい。十万円
貯
(
た
)
めていましたよ。そのうち六万円で今度、大工を雇ったのです」
永遠のみどり
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
貯
(
た
)
めているところなんだってさ。だからカレ、電車にも乗らずにここにくるし、昼食だって抜いてるんだ
煙突
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
「
貯
(
た
)
めるほど
穢
(
きた
)
ないものは
塵
(
ちり
)
と
金
(
かね
)
なり」という
諺
(
ことわざ
)
があるが、これも貯めようによるべし、おそらく
塵芥
(
ちりあくた
)
とても
貯蔵
(
ちょぞう
)
法よろしきを得たなら、清くする
工夫
(
くふう
)
もあろう。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
金を
貯
(
た
)
めているという
噂
(
うわさ
)
だった。洗濯物を取りに行ったり持って行ったりするときに、その家で誰にも逢ったことがない。たしかに召使は一人も使っていなかった。
モルグ街の殺人事件
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
そして来年の一月から同人雑誌を出すこと、その費用と原稿を月々
貯
(
た
)
めてゆくことに相談が定ったのです。私がAの家へ行ったのはその積立金を持ってゆくためでした。
橡の花
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
わたしの孤児であるということが、そうした運命にわたしを導いたのですが、ほかの人たちと違って身持ちがよかったために少しばかりのお金を
貯
(
た
)
めることができました。
メデューサの首
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
「おっとあぶねえ。
棄
(
す
)
てられて
堪
(
たま
)
るものか。これだけ
貯
(
た
)
めるにゃ、まる一
年
(
ねん
)
かかってるんだ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
そして今じゃあ、言わば
自前
(
じまえ
)
になったって訳さ。己はイングランドの時には九百ポンド
貯
(
た
)
め、フリントのところでは二千ポンド貯めた。これぁ平水夫にしちゃあ悪かあねえだろ。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
……お前は資本を
貯
(
た
)
めとくのが好きなんだ。ね、そうだろう? だからお前はつまり、頓痴気のザグヴォズキンと同じことなのさ。ただ積んで置くだけで、どうしようってこともないんだ。
マリ・デル
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
何百両という金を
貯
(
た
)
めるのは一生かかっても難しいことと、一平が
悪智慧
(
わるぢえ
)
を出して、醤油賭をやるようになってから、お咲も、自分の体を
犠牲
(
にえ
)
にしてもという気で夜鷹に身を落したが、実は
醤油仏
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
機会を捕えることもできないで「小資本を
貯
(
た
)
めるための、きわめて短い時間だけ、この危険な仕事によって金もうけをしよう」とした最初の考えは、そのまま彼らを
怒濤
(
どとう
)
の上で老年にしてしまい
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
この方は手形さえあれば、曲りなりにも関所が通られると思うと、五
度
(
たび
)
に一度、それさえ半年の間なんだ、……小遣を
貯
(
た
)
めるんだからね。……また芸者の身になって見りゃ、迷惑な事は
夥多
(
おびただ
)
しい。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あるいは偶然な災難に出遇うてせっかく
貯
(
た
)
めた金を時々に失くしてしまい、いつも借金に苦しむという
質
(
たち
)
だと、こう言いましたところが、案外にも
其言
(
それ
)
が非常に適中したものと見えてびっくりして
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
朝になると又、何もかも忘れたようになって
績
(
う
)
み
貯
(
た
)
める。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
冬から春の
間
(
あひだ
)
に
貯
(
た
)
めた
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「そんなことありませんわ。これだけ五人でお給金を
貯
(
た
)
めて上海の馬券を買って、スッカラカンになったことがあるだけですよ」
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
こゝを
罷
(
や
)
めたいと思へば、結構ひとりでやつて行けるくらゐ
貯
(
た
)
めてるのは確かだと思ふわ。でもこゝには、もうすつかり落着いてしまつたんだらうよ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
差配人
(
さはいにん
)
さんに
可愛
(
かわい
)
がられ、金を
貯
(
た
)
めて
家
(
うち
)
を持ち、損料と
小金
(
こがね
)
を貸して居るが、
尻
(
けつ
)
の穴が狭くて仕様のない奴だよ
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
新太郎ちやんは、きつと、それだけのお銭を自分の手で
貯
(
た
)
めるだらう。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
いまでは小金も少しは
貯
(
た
)
め
込
(
こ
)
んでいた。
河沙魚
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
「お金を
貯
(
た
)
めてどうするんだろう」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いゝえ違ひますよ。私が一等望んでゐるのは自分の俸給の中から十分なお金を
貯
(
た
)
めて、何時か自分の借りた小さな家に學校を設立したいといふこと。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
……彼が自分で
貯
(
た
)
めたバットの銀紙で球を作りながら、時々その重量と直径とを比較して行くうちに、直径の三乗と重量とが正比例して増加して行く事を
木魂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
君「恐れ入ります、
貯
(
た
)
めたのではございません、親類
内
(
うち
)
から到来をいたしたので」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
一
時
(
とき
)
か一
時半
(
ときはん
)
ほか
寝
(
ね
)
ないで
稼
(
かせ
)
いで、
金
(
かね
)
を
貯
(
た
)
めなければ、
本当
(
ほんたう
)
に
金
(
かね
)
は
貯
(
たま
)
らない。
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
貯
常用漢字
小5
部首:⾙
12画
“貯”を含む語句
貯蓄
貯金
貯藏
貯蔵
貯金帳
貯水池
貯蔵庫
御貯
貯蓄心
貯髯
貯金筒
貯蔵高
貯蔵部屋
貯蔵槽
貯蓄債券
貯水溝
貯水桶
貯水
貯林檎
貯叢
...