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葉越
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はごし
ふりがな文庫
“
葉越
(
はごし
)” の例文
豐岡
(
とよをか
)
から
來
(
く
)
る
間
(
あひだ
)
、
夕雲
(
ゆふぐも
)
の
低迷
(
ていめい
)
して
小浪
(
さゝなみ
)
に
浮織
(
うきおり
)
の
紋
(
もん
)
を
敷
(
し
)
いた、
漫々
(
まん/\
)
たる
練絹
(
ねりぎぬ
)
に、
汽車
(
きしや
)
の
窓
(
まど
)
から
手
(
て
)
をのばせば、
蘆
(
あし
)
の
葉越
(
はごし
)
に、
觸
(
さは
)
ると
搖
(
ゆ
)
れさうな
思
(
おもひ
)
で
通
(
とほ
)
つた。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
驚破
(
すはや
)
、障子を
推開
(
おしひら
)
きて、貫一は露けき庭に
躍
(
をど
)
り下りぬ。つとその
迹
(
あと
)
に
顕
(
あらは
)
れたる満枝の
面
(
おもて
)
は、
斜
(
ななめ
)
に
葉越
(
はごし
)
の月の
冷
(
つめた
)
き影を帯びながらなほ火の如く燃えに燃えたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
二人は身のふり方に
就
(
つ
)
いて相談しはじめた。
竹
(
たけ
)
の
葉越
(
はごし
)
には二つ三つの星が淋しそうにまたたいていた。
赤い土の壺
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
零れ落ちる月明を頼りに、やうやく山毛欅のこんもりとした金比羅山の麓まで辿りつくと、それらしい燈火は何一つとして洩れて来なかつたが、ごやごやした人群の喚声が、
葉越
(
はごし
)
に近くききとれた。
黒谷村
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
葉越
(
はごし
)
にもゆる金星のものすさまじき
エロディヤッド
(旧字旧仮名)
/
ステファヌ・マラルメ
(著)
▼ もっと見る
ここの湯の
廓
(
くるわ
)
は柳がいい。分けて今宵は月夜である。五株、六株、七株、すらすらと立ち長く
靡
(
なび
)
いて、しっとりと、
見附
(
みつけ
)
を
繞
(
めぐ
)
って向合う湯宿が、皆この
葉越
(
はごし
)
に
窺
(
うかが
)
われる。
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼の
階子
(
はしご
)
を下り行くと
斉
(
ひとし
)
く貴婦人は再び
鏡
(
グラス
)
を取りて、
葉越
(
はごし
)
の面影を望みしが、一目見るより
漸含
(
さしぐ
)
む涙に曇らされて、
忽
(
たちま
)
ち
文色
(
あいろ
)
も分かずなりぬ。彼は
静無
(
しどな
)
く椅子に
崩折
(
くづを
)
れて、
縦
(
ほしいま
)
まに泣乱したり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
然
(
さ
)
れば、
虚空
(
こくう
)
を通り
掛
(
がか
)
りぢや。——
御坊
(
ごぼう
)
によう似たものが、不思議な
振舞
(
ふるまい
)
をするに
依
(
よ
)
つて、
大杉
(
おおすぎ
)
に足を
踏留
(
ふみと
)
めて、
葉越
(
はごし
)
に試みに声を掛けたが、疑ひもない御坊と
視
(
み
)
て、
拙道
(
せつどう
)
、
胆
(
きも
)
を
冷
(
ひや
)
したぞ。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
宮はここを去らんとして又
葉越
(
はごし
)
の面影を
窺
(
うかが
)
へり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
蒸暑
(
むしあつ
)
い
夜
(
よ
)
で、
糊澤山
(
のりだくさん
)
な
浴衣
(
ゆかた
)
を
抱
(
だ
)
きながら、
涼
(
すゞ
)
んで
居
(
ゐ
)
ると、
例
(
れい
)
の
柳
(
やなぎ
)
の
葉越
(
はごし
)
に
影
(
かげ
)
が
射
(
さ
)
す、
五日
(
いつか
)
ばかりの
月
(
つき
)
に
電燈
(
でんとう
)
は
點
(
つ
)
けないが、
二階
(
にかい
)
を
見透
(
みとほし
)
の
表
(
おもて
)
の
縁
(
えん
)
に、
鐵燈籠
(
かなどうろう
)
の
燈
(
ひ
)
ばかり
一
(
ひと
)
つ、
峰
(
みね
)
の
堂
(
だう
)
でも
見
(
み
)
るやうに
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
豊前
(
ぶぜん
)
の
小倉
(
こくら
)
で、……
葉越
(
はごし
)
と言います。」
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
葉
常用漢字
小3
部首:⾋
12画
越
常用漢字
中学
部首:⾛
12画
“葉”で始まる語句
葉
葉巻
葉鶏頭
葉末
葉蘭
葉蔭
葉書
葉叢
葉摺
葉山