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にくたい
尤もこれは
地上の
母に
就いて
申上げることで、
肉体を
棄てて
了ってからの
母の
霊魂とは、むろん
自由自在に
通じたのでございます。
その
光った
瞳の
中に、たとえ
肉体は
亡びても、けっして
永久に
死なない
生命のあることが
刹那に
感じられたのであります。
我等は、何とも苦しくて、
実に
心は
熱すれども
肉体よわく、とてもママの傍にいる気力は無い
極楽の
写真を見た事もないから、
是は
有るか
無いか
頓と
分らん事で、人が死んで
行く時は
何んなものか、
此の
肉体と
霊魂と
離れる時は
其の
霊魂は
何処へ
去きますか、どうも
是は
分らん。
しかし、いくら
大胆な忍剣でも、この
深岳の
霧にふかれて、二十一日間も飲まず
食わずで、そのままそうしておられるであろうか。心は
禅に
入って、
耐えるとしても、人間の
肉体がもつだろうか。
肉体を
棄ててこちらの
世界へ
引越したものになりますと、
殆んどすべての
仕事はこの
仕掛のみによりて
行われるのでございます。
子供の
小さな
肉体と
可憐な
魂は、
病菌が、
内部から
侵蝕するのと、これを
薬品で
抗争する、
外部からの
刺激とで、ほとんど
堪えきれなかったのであります。
あれは
本当といえば
本当、ゴマカシといえばゴマカシでござる。われわれは
肉体ぐるみ
人間を
遠方へ
連れて
行くことはめったにござらぬ。
冷たい
風は、おびやかすように、
電燈の
面をなでていきました。
心臓が
規則正しく、
生物の
胸で
打っている
間に、いろいろな
怖ろしい
脅迫が
肉体を
襲うようなものです。
しかし、いかにやさしい、
信仰深いお
母さんでも、
疲れれば、しぜんと
眠気を
催し、
眠ることによって、
気力を
回復する、
若い、
健康な
肉体の
持ち
主たることに
変わりはありません。