“縅:おどし” の例文
“縅:おどし”を含む作品の著者(上位)作品数
吉川英治7
国枝史郎3
泉鏡花2
菊池寛2
太宰治1
“縅:おどし”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 歌舞伎4.0%
芸術・美術 > 彫刻 > 彫刻史 各国の彫刻1.2%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
彼のよろい具足は、お抱えの明珍みょうちんに図案させ、おどしから彫金のかな具一ツまで、粋をらしめたものである。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この炎天に、暁の雨も乾いて、人馬は汗とほこりにまみれ、華やかなおどしの色や陣羽織もみな白っぽくなっていた。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
前立まえだて打ったるかぶとを冠り、白糸おどしの大鎧を着、薙刀なぎなたい込んだ馬上の武士——それこそ地丸左陣である。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
自分の家は村内一二の舊家を以て自任し、太刀もあり槍もあり、ひつの中にはおどしの腐れた鎧もある。
古い村 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
犬千代のよろいは華やかだった。小貫こざねからおどしまで新しいので、燦爛さんらんと眼を射る。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
媼もいった。弟子たちは、顔を振った。おどしの染め糸を、白い掌に、揃えては、綴じ板にならべていた娘だけは、無関心のように、うわさの、外にいた。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
菊五郎の光俊は惣髪そうはつにて、金の新月の前立物ある二谷にのたにといふかぶとを負ひ、紺糸おどしよろい、お約束の雲竜の陣羽織にて立派なり。
冠者の左側に坐っているのは数馬にとっては一面識ある冠者の義弟石川五右衛門で、黒糸おどし大鎧おおよろい、総髪の上に鉢巻をし、陣刀を握って杖突いている。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その日に限って、黒皮おどしよろいを着て、南蛮鉄の兜をかぶっていた中村新兵衛は、会心の微笑を含みながら、猩々緋の武者のはなばなしい武者ぶりをながめていた。
(新字新仮名) / 菊池寛(著)
騎馬に召され、白地金襴きんらんの陣羽織に、具足は萌黄もえぎおどし革胴かわどうは真っ黒な漆塗うるしぬりはくを置き、長やかな太刀たちいて——
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
糸屋でこそあれ辻屋は土地の旧家で身代もなかなかしっかりしたもの、普通の糸屋とちがって、よろいおどしの糸、下緒さげおなど専門にして老舗しにせであった。
おどしの糸のやや古びた、源平時代の鎧甲よろいかぶと、宝石をちりばめた印度風インドふうの太刀、磨ぎ澄ました偃月刀えんげつとう、南洋産らしい鸚鵡おうむの剥製、どこかの国の国王が
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
金雀枝えにしだの茂みのかげから美々しく着飾ったコサック騎兵が今にも飛び出して来そうな気さえして、かれも心の中では、年甲斐もなく、小桜おどしよろいに身をかためている様なつもりになって
花燭 (新字新仮名) / 太宰治(著)
——金の千瓢せんなり、あかい陣羽織じんばおり、もえおどし小桜こざくらおどし、ピカピカひかる鉄砲てっぽう、あたらしい弓組、こんな行列が大路おおじ小路こうじに絶えまがない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と彼の前に立ったのは白衣の直垂したたれ、白糸おどしの鎧、白い烏帽子を後様に戴き、白柄の薙刀を抱い込んで白馬に跨がった白髪の武人——蘇門山村良由と、同じ扮装よそおいに出で立った孫兵衛、右門の三人であった。
稚子法師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
丸山、大宮を守る佐久間右衛門尉が五千騎に向って、浅木辺より進軍する武田勢三千、その真先に、白覆輪の鞍置いた月毛の馬を躍らし、卯の花おどしの鎧に錆色の星冑鍬形くわがた打ったのを着け、白旗の指物なびかせたおい武者がある。
長篠合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
金之助は愛吉が返した、根岸の鴨川の討入の武器なる黒糸おどしの五ツ紋を、畳んであるまま懐へ捻込ねじこんで、ボオイを呼んで勘定をすると、くだんの金袋を提げたのがその金袋はけだし代金を受納めるために持っているのではなく
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
右手に大溝おおどぶがあって、雪をかついで小家こいえが並んで、そして三階づくりの大建物の裏と見えて、ぼんやりあかりのついてるのが見えてね、刎橋はねばしが幾つも幾つも、まるでの花おどしよろいの袖を、こう、
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは君たちが悪いのじゃあない、日本の歴史の教え方が悪いのだ。天下を取ったとか、取られたとか、相場師の出来そこないのような奴、コケおどしよろいを着ていくさをする奴でなければ、日本には英雄が無いように、子供の時分から教育がそう教えこんでいるようなものだ。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「ええい、うるせいわい。何も、てめえたちがいうほどなことなら、この鳶七が、こんな慌てざまをするものかよ。——見ていろ、おどしだの、籠手脛当こてすねあてなど、鎧具足よろいぐそくを山と積んで、多寡をくくッていようものなら、ここの仕事場へも、六波羅検断所の御人数が、御用ッとばかり、やって来るから」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)