“黒糸縅”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くろいとおどし80.0%
くろいとおど20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
浪士らは行く先に種々さまざまな形見を残した。景蔵のところへは特に世話になった礼だと言って、副将田丸稲右衛門が所伝の黒糸縅くろいとおどし甲冑片袖かっちゅうかたそでを残した。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
やがて清盛は、赤地錦あかじにしき直垂ひたたれに、黒糸縅くろいとおどしの腹巻、白金物しろかなもの打った胸板むないたを着け、愛用の小長刀こなぎなたをかいばさんだ物々しい装立いでたちで、側近の貞能を呼びつけた。
黒糸縅くろいとおどしのうえに、萌黄緞子もえぎどんすの胴衣を着け、白絹の頭巾で、面を行人包ぎょうにんづつみにしていたに過ぎず、特に、大将らしい華美はどこにも見えなかった。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)