)” の例文
「油断はならぬ。先々、島からも便りをしましょう。その都度つど、そもじの手から密々に、鎌倉表か六波羅へ早打ちを飛ばしても」
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
くわしく案内あないを致そうずるにて候、あわれ、一杯の般若湯と、五十文の鳥目とをたびてべ候え、なあむ十方到来の旦那様方……
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
然れども天の時いまだいたらざりしかば、南の山に蝉のごとくもぬけ、人とことと共にりて、東の國に虎のごとく歩みたまひき。
下女下男までも胸が悪くて御飯ごはんべられないと訴える。れの中でヤット妙な物が出来たは出来たが、のような物ばかりで結晶しない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
子胎内にやどれば、母は言語立居たちいよりべものなどに至るまで万事心を用い、正しからぬ事なきようにすれば、生れる子形体正しく器量人にまさるとなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
「我がつまいのう、光国どの、助けてべ。」とばかりで、この武者修業の、足の遅さ。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
願ふはわが身をこのままに、天麩羅とやらんにしたまひて、彼の聴水を打つてべ。日頃大黒天だいこくてんに願ひたる、その甲斐ありて今ぞかく、わが身は恩ある黄金ぬしの、御用に立たん嬉れしさよ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
三三あまさへ去年こぞの秋、三四京家の下知として、三五美濃の国郡上ぐじやうぬし三六とう下野守しもつけのかみ常縁つねより三七御旗みはたびて、三八下野の領所しるところにくだり、氏族しぞく三九千葉ちば実胤さねたねとはかりて四〇むるにより
鵞目てうもく一結ひとゆひ白米しらよね、白小袖一、送りをはんぬ。
「ただ母様を。——母様のお身を護っても。寧子の身などかもうてくれるな。いくら惜しい物とて、財宝には心をひかれまいぞ」
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
八絃やつをの琴を調しらべたるごと、天の下らしびし、伊耶本和氣いざほわけの天皇の御子、市の邊の押齒のみこの、やつこ御末みすゑ
精進しょうじん潔斎けっさいなどは随分心の堅まり候ものにてよろしき事とぞんじ候に付き、拙者も二月二十五日より三月晦日みそかまで少々志の候えば酒肴しゅこうども一向べ申さず
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
満腹飲食のみくいした跡で飯もドッサリべて残す所なしと云う、誠に意地のきたない所謂いわゆる牛飲馬食とも云うべき男である。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
寝覚ねざめの思いの取留め無さも、酒精浸アルコオルづけまむしが、瓶の口をば開けてべ、と夢枕に立った、とまでになる、と結句可笑おかしく、幻に見たおんなの顔が、寝た間も忘れぬその人を、いつもの通りうつつに見た
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「そなたを生んだ難産の折もお救いであったし、そなたの疱瘡ほうその軽うすんだのもお蔭であったぞや。どうぞ、そなたも生涯の守護仏としてべ」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
張良鉄椎てっついの時の面目を想見るべし。僕去月二十五日より一れんの肉一滴の酒をべず。これでさい気魄を増す事大なり。僕すでに諸友と絶ち、諸友また僕と絶つ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
酒をべさせるから此処ここを剃らせろとうその酒が飲みたさばかりに、痛いのを我慢して泣かずに剃らして居た事はかすかに覚えて居ます。天性の悪癖、誠にずべき事です。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
中国からの殿のお便りには、いつも身を案じてもるゆえ、寒いうちは、外へ出て百姓もせぬようにしておる。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「皆の者、まアおちついて、坐ってもい。ようわが良人つまのお胸の底を、確かめてみたがよい。……いずれも、日ごろは一トかどの男どもが、なんとしたことです」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただ道心をたまえ——。と、祈る彼も本心なら、ここの床几で、軍事を聞くときの彼も本心だった。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この世は夢のごとくにそうろう 尊氏に 道心どうしん ばせたまい候て 後生ごしょうたすけさせたばせたまそうろうべく候
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いうても。きのうからの、そなたの妙な無口。なにかそれにも、わけがあるのであろ?」
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「寺の者に、湯など乞うて、ひと口、飲んで来るほどにな。和子は、ここで待ってもよ」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とくと 遁世とんせいいたしたく候 道心 ばせ給わるべく候
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
旅僧、水をび候へ。水を……
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
娘、換へ
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
水をび候へ
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)