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看破
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かんぱ
ふりがな文庫
“
看破
(
かんぱ
)” の例文
しかし
近頃
(
ちかごろ
)
ではもうそんな
拙
(
へた
)
な
真似
(
まね
)
はいたしません。
天狗
(
てんぐ
)
がどんな
立派
(
りっぱ
)
な
姿
(
すがた
)
に
化
(
ば
)
けていても、すぐその
正体
(
しょうたい
)
を
看破
(
かんぱ
)
して
了
(
しま
)
います。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
眼のさとい李は忽ちにそれを
看破
(
かんぱ
)
して、揃いも揃った恩知らずめ、義理知らずめと、彼はまず周に対して残虐な
仕置
(
しおき
)
を加えた。
女侠伝
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
いきなり横あいからでも組み付いて——と、玄蕃、
隙
(
すき
)
を
窺
(
うかが
)
ってじいッ——見つめているうちに、かれもまた一
廉
(
かど
)
の
武芸者
(
ぶげいしゃ
)
、ただちに
看破
(
かんぱ
)
出来た。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
すぐ一目で
特異性
(
とくいせい
)
を
看破
(
かんぱ
)
し得らるるような、どこにもここにもあるという
物品
(
ぶっぴん
)
ではないというわけではなく、そこら
中
(
じゅう
)
時限爆弾奇譚:――金博士シリーズ・8――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかし保吉は
今日
(
こんにち
)
もなおこの勇ましい守衛の秘密を
看破
(
かんぱ
)
したことと信じている。あの一点のマッチの火は保吉のためにばかり
擦
(
す
)
られたのではない。
保吉の手帳から
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
その時はこれはてっきり
看破
(
かんぱ
)
されたと胸をドキつかせたが、清三のいつもの散歩癖を知っている関さんは、べつに疑うような
口吻
(
こうふん
)
をももらさなかった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
無論これも白蝙蝠団の魔手が伸びたので、彼等は令嬢すり替えを
看破
(
かんぱ
)
し得るものは、許婚の俊一氏の外にはない。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
先年私が初めてこれを
看破
(
かんぱ
)
し、「日まわり日に
回
(
まわ
)
らず」と題して当時の新聞や雑誌などに書いたことがあった。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
今や時代は全く変革せられたりと称すれども、要するにそは外観のみ。
一度
(
ひとたび
)
合理の
眼
(
まなこ
)
を以てその
外皮
(
がいひ
)
を
看破
(
かんぱ
)
せば武断政治の精神は
毫
(
ごう
)
も百年以前と
異
(
ことな
)
ることなし。
浮世絵の鑑賞
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
太郎左衛門の部下の将、
辻義助
(
つじよしすけ
)
が指揮に立って来たものである。義助は、よく
肚
(
はら
)
もすわっていた侍とみえ、すぐ奇襲の敵が六、七人に過ぎないことを
看破
(
かんぱ
)
して
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「しかし
蛇
(
じゃ
)
の道は
蛇
(
へび
)
です。忽ち
看破
(
かんぱ
)
されてしまって、
延
(
の
)
っ引きならないところを取っ捉まりました」
冠婚葬祭博士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
そうしてその理由はすでに小林の
看破
(
かんぱ
)
した通りであった。だから彼はこの誤解から生じやすい岡本の好意を、できるだけ自分の
便宜
(
べんぎ
)
になるように保留しようと試みた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
養生法の引札すら既に変てこなるに、その上に引札の末半分は三十一文字に並べられたる養生法の訓示を以て埋められたるを見ていよいよ山師流のやり方なる事を
看破
(
かんぱ
)
せり。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
教祖がちかごろ
骨董
(
こっとう
)
を愛すというのは無理がないので、すでに私がその碁に於いて
看破
(
かんぱ
)
した如く彼は天性の公式主義者であり、定石主義者であり、保守家であり、常識家であって
教祖の文学:――小林秀雄論――
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
爆発物は妾の所持品にせんといいたるに、
否
(
いな
)
拙者
(
せっしゃ
)
の所持品となさん、もし発覚せばそれまでなり、
潔
(
いさぎよ
)
く
縛
(
ばく
)
に
就
(
つ
)
かんのみ、
構
(
かま
)
えて同伴者たることを
看破
(
かんぱ
)
せらるる
勿
(
なか
)
れと古井氏はいう。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
吉之丞は安南人やマレー人の
水主
(
かこ
)
のすることを見ていたが、むかしの御朱印船で水主どもを追いまわした
経験
(
けいけん
)
から推して、グッタリと長くなっている連中も、案外、弱っていないことを
看破
(
かんぱ
)
した。
呂宋の壺
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
尤
(
もっと
)
もそれは皆が皆、本当の赤外線男とは思えず、
一寸
(
ちょっと
)
話を聞いただけで
偽
(
にせ
)
赤外線男だと
看破
(
かんぱ
)
出来るようなものもあった。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「黒トカゲ」の変装をわが娘と信じきって、その隣のベッドに寝ながら、賊のからくりを
看破
(
かんぱ
)
し得なかったのは、なんといっても岩瀬氏の手落ちであった。
黒蜥蜴
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
今や時代は全く変革せられたりと称すれども、要するにそは外観のみ。
一度
(
ひとたび
)
合理の
眼
(
まなこ
)
を
以
(
もっ
)
てその
外皮
(
がいひ
)
を
看破
(
かんぱ
)
せば武断政治の精神は
毫
(
ごう
)
も百年以前と
異
(
ことな
)
ることなし。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
といって、そこまで複雑な人心のけわしさを尊氏がよく
看破
(
かんぱ
)
していたというわけのものではなかろう。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
云わば Delphi の
巫女
(
みこ
)
である。道の上の
秘密
(
ひみつ
)
もとうの昔に
看破
(
かんぱ
)
しているのに違いない。保吉はだんだん不平の代りにこの
二
(
ふた
)
すじの線に対する驚異の情を感じ出した。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一旦ここまで来た以上、鬼仏洞の秘密を
看破
(
かんぱ
)
するまでは、どんなことがあっても引揚げまいと思った。
鬼仏洞事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
もし尾張守高家が上洛途上で、
矢作
(
やはぎ
)
の事件からすべてを
看破
(
かんぱ
)
しているとしたら? ——兄高氏は六波羅の内で手もなく逮捕されてしまうにちがいない。そう案じられたのだった。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
画家や俳人の
偽者
(
にせもの
)
は、実際絵なり句なりを作らせてみれば
看破
(
かんぱ
)
するのも容易だが、小説家の
偽者
(
にせもの
)
は、眼の前で小説を作るなどと云ふ御座敷芸のない為に看破しにくいのに違ひない。
偽者二題
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
又
仮令
(
たとえ
)
人違いを
看破
(
かんぱ
)
するものがあった所で、まさかそれが、惨殺された筈の山北鶴子だなどと誰が思うものか。広いN市に鶴子を知っている人は、ほんの数える程しかない筈だもの。
鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
とにかく、私が気がつかなかったのにずばりと
看破
(
かんぱ
)
したピース提督の科学の眼力のほどを、畏敬しないではいられない。——といって、ここで私が引下がる手はあるまい。
地球要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
けれどもさきに怒り出すのはいつも辰子にきまっていた。広子はそこに彼女自身の
優越
(
ゆうえつ
)
を感ぜずにはいられなかった。それは辰子よりも人間の心を
看破
(
かんぱ
)
していると言う優越だった。
春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
はや
看破
(
かんぱ
)
していたのである。けれど右馬介を宮方と見たのは、日満の眼違いでもある。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
或は他人の
心中
(
しんちゅう
)
持物
(
もちもの
)
を
看破
(
かんぱ
)
するなど、あらゆる奇怪事を行うことが出来る。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
第二には、偽の足跡をつける場合、往復の逆であることを
看破
(
かんぱ
)
されないために、足跡の重なることを避けた程綿密な彼が、自分の足癖をそのまま、内輪につけて置いたというのも信じ難いことです
何者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
“看破”の意味
《名詞》
真相や裏の側面を見抜くこと。
(出典:Wiktionary)
看
常用漢字
小6
部首:⽬
9画
破
常用漢字
小5
部首:⽯
10画
“看”で始まる語句
看
看護
看板
看做
看過
看病
看護婦
看経
看客
看守