病室びやうしつ)” の例文
と、きふひと院長ゐんちやうだとわかつたので、かれ全身ぜんしんいかりふるはして、寐床ねどこから飛上とびあがり、眞赤まつかになつて、激怒げきどして、病室びやうしつ眞中まんなかはし突立つゝたつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
あのへやは、今夜こんやだ、今夜こんやだ、と方々はう/″\病室びやうしつで、つたのを五日いつかつゞけて、附添つきそひの、親身しんみのものはいたんですつて。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
隣室りんしつには、Aの夫人ふじん、Cの母堂ぼだうわかいTの夫人ふじんあつまつてゐた。病室びやうしつはうでのせはしさうな醫員いゐん看護婦かんごふ動作どうさしろふくすれおと、それらは一々病人びやうにん容態ようたいのたゞならぬことを、隣室りんしつつたへた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
終日ひもすがら、わづらはしき病室びやうしつ白葡萄酒はくぶどうしゆごと空気くうき呼吸こきふ
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
さあ 病室びやうしつに入るのです
玄關げんくわんから病室びやうしつかよひらかれてゐた。イワン、デミトリチは寐臺ねだいうへよこになつて、ひぢいて、さも心配しんぱいさうに、人聲ひとごゑがするので此方こなたみゝそばだてゝゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それ貴方あなた……へんことには、病室びやうしつで、わたし寢臺ねだいうへに、うやつて仰向あをむけにますんでせう。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
恐ろしき病室びやうしつけいでたるわがこころの
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
院長ゐんちやうのアンドレイ、エヒミチは玄關げんくわんから病室びやうしつなか覗込のぞきこんで、物柔ものやはらかにふのでつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)