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瑾
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きず
ふりがな文庫
“
瑾
(
きず
)” の例文
そのご奉公に
瑾
(
きず
)
のないようにするためには、
些
(
いささ
)
かでも家政に緩みがあってはなりません、あるじのご奉公が身命を
賭
(
と
)
しているように
日本婦道記:梅咲きぬ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「その方なかなかに心利いた奴じゃな。小姓共のおらぬがちと玉に
瑾
(
きず
)
じゃ。ふっくらいたして、なかなか坐り心地がよいわい」
旗本退屈男:07 第七話 仙台に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
買つてくれと
云
(
い
)
はれないやうに
瑾
(
きず
)
を
見出
(
みいだ
)
して、
惜
(
をし
)
い
事
(
こと
)
には
何
(
ど
)
うも
些
(
ち
)
と
軸
(
ぢく
)
ににゆうが
有
(
あ
)
りますと
云
(
い
)
つてにゆうなぞを
見出
(
みいだ
)
さなくツちやアいかねえ。
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
奧方お高樣が、人手にかゝつて相果てたと、大公儀の耳に入つたら最後、三千石の家に、
瑾
(
きず
)
がつかずには濟みません。
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
余りに
瑾
(
きず
)
のない
茶盌
(
ちゃわん
)
は、かえって風情がないとかいうが、どうも、わが主君にも、困った
瑾
(
きず
)
がある。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
持
(
もち
)
さへ致すと
女郎買
(
ぢよらうかひ
)
にばかり行きます是が誠に
玉
(
たま
)
に
瑾
(
きず
)
と申ので
困
(
こま
)
りきりますと
頻
(
しき
)
りに
譯
(
わけ
)
もなきことを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
しかしながら
画
(
ゑ
)
には
虚
(
そらごと
)
もまじへざればそのさまあしきもあるべけれど、あまりにたがひたれば玉山の玉に
瑾
(
きず
)
あらんも
惜
(
をし
)
ければ、かねて
書通
(
しよつう
)
の
交
(
まじは
)
りにまかせて牧之が
拙
(
つたな
)
き筆にて雪の
真景
(
しんけい
)
種々
(
かず/\
)
写
(
うつ
)
し
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
私は今思い出しても誠に
宜
(
い
)
い心持がします。
能
(
よ
)
くあの時に金を
貰
(
もら
)
わなかった、貰えば生涯気掛りだが、
宜
(
い
)
い事をしたと、今日までも折々思い出して、大事な玉に
瑾
(
きず
)
を付けなかったような心持がします。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
あらわな肩から胸は誇らかにかたく、しかも弾力をもって盛り上る双の乳房まで、一点の
瑾
(
きず
)
もない眩しいほどの美しさだった。
明暗嫁問答
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「そこ、そこ、そこじゃ、流れの狭いがちと玉に
瑾
(
きず
)
じゃな。いや、
曲乗
(
きょくの
)
り致したか。見事じゃ、見事じゃ、ほめとらするぞ」
旗本退屈男:05 第五話 三河に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
清「是は
何
(
ど
)
うも恐れ入ります、残らず拝借致しても他の物と違いまして、瀬戸物や塗物は
瑾
(
きず
)
を付けた位で済みますが、
着類
(
きるい
)
は着れば切れるもので」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
色白の細面で、女の子に
騷
(
さわ
)
がれさうなのは
瑾
(
きず
)
ですが、こんな男が思ひの外の激情家にある型です。
銭形平次捕物控:298 匕首の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
聞
(
きゝ
)
烈火
(
れつくわ
)
の如く
憤
(
いきど
)
ほり
惡
(
につく
)
き重四郎が
擧動
(
ふるまひ
)
かな娘と不義せしなどと沙汰ある時は家に
瑾
(
きず
)
を附るの
道理
(
だうり
)
なり此上は重四郎を
寄附
(
よせつけ
)
ぬ事こそ
肝要
(
かんえう
)
なれと早速番頭を始め皆々へ重四郎は斯樣々々の
譯
(
わけ
)
ある
故
(
ゆゑ
)
足を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
俗子
(
ぞくし
)
は是を 菅神の
怨灵
(
おんりやう
)
とするは是又 菅神の
賢行
(
けんかう
)
に
瑾
(
きず
)
つけるなり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
杢「あゝ、そんなに煙管で青磁の
火入
(
ひいれ
)
を敲いては
瑾
(
きず
)
がついていけないよ、そして其の煙管は私のじゃないか」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
嫁女の名に
瑾
(
きず
)
のつかぬようおひきとり下さいましたら、双方のしあわせと存じます
日本婦道記:春三たび
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
俗子
(
ぞくし
)
は是を 菅神の
怨灵
(
おんりやう
)
とするは是又 菅神の
賢行
(
けんかう
)
に
瑾
(
きず
)
つけるなり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
も見ずして
逃
(
にげ
)
歸りけり扨又長兵衞はお常に
對
(
むか
)
ひ此事訴へなば
怪我人
(
けがにん
)
も多く出來る故
何分
(
なにぶん
)
穩便
(
をんびん
)
に
取扱
(
とりあつか
)
ひ白子屋の家名に
瑾
(
きず
)
の付かぬ
樣
(
やう
)
我々が
異見
(
いけん
)
に
隨
(
したが
)
ひ給へと云へどもお常は少しも承知せざれば長兵衞も今は
是非
(
ぜひ
)
なく又七を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
髯
(
ひげ
)
を
剃
(
する
)
んではない、
吾身
(
わがみ
)
を
卑
(
いや
)
しめるんだ、
然
(
さ
)
うすると
先方
(
むかう
)
では
惚込
(
ほれこ
)
んだと思ふから、お
引取
(
ひきとり
)
値段
(
ねだん
)
をと
来
(
く
)
る、
其時
(
そのとき
)
買冠
(
かひかぶ
)
りをしないやうに、
其
(
そ
)
の
掛物
(
かけもの
)
へ
瑾
(
きず
)
を
附
(
つ
)
けるんだ。
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
家中
(
かちゅう
)
の評にのぼっても、家名に
瑾
(
きず
)
がつくからと云った。それからの二人はそれまでの二人とは違ってきた。みんなが
睨
(
にら
)
んでいる、みんなが仲をさこうとしている、もうおおっぴらには逢えない。
葦は見ていた
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
誠に
結構
(
けつこう
)
なお
品
(
しな
)
でございますと、
誉
(
ほ
)
めながら
瑾
(
きず
)
を
附
(
つ
)
けるんだ、
惜
(
を
)
しい事には
揚物
(
あげもの
)
でございますつて。
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
新左衛門は酒肴の
膳
(
ぜん
)
を見て、憂鬱に眼をそらし、「うん」といってそこへ坐った。彼は七十郎が酒を飲むことを好まない。七十郎はまた義兄が酒を飲まないことを、玉に
瑾
(
きず
)
だというのであった。
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
貴方がいつまでもお眼が悪いと
唯
(
たっ
)
た一人のお嬢様が
夜中
(
やちゅう
)
に出て
神詣
(
かみまい
)
りをなさるのは宜しいが、深夜に間違いでもあれば、これ程お堅い結構な方に
瑾
(
きず
)
を付けたら
何
(
ど
)
うなさる
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「それならよそでも聞いてごらんなさい、世間にはもっとひどいことさえ伝わっているのよ、あんたは男だから、そんな噂もみえの一つかも知れないけれど、おんなのあたしには一生の
瑾
(
きず
)
にもなりかねないことよ」
柳橋物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
千「御覧遊ばせ、
私
(
わたくし
)
が
先刻
(
さっき
)
検めました通り
瑾
(
きず
)
は有りゃアしません」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
瑾
漢検1級
部首:⽟
15画
“瑾”を含む語句
瑕瑾
公瑾
無瑕瑾
諸葛瑾
無瑾
細瑾
公瑾周府君
瑾薫沐書