殺人さつじん)” の例文
とその家庭かてい苦痛くつう白状はくじやうし、ついにこのしよ主人公しゆじんこうのち殺人さつじん罪人ざいにんなるカ……イ……をともなひてその僑居けうきよかへるにいた一節いつせつきはめて面白おもしろし。
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
殺人さつじん散財さんざいは一時の禍にして、士風の維持は万世ばんせいの要なり。これをてんしてかれを買う、その功罪相償あいつぐなうやいなや、容易に断定すべき問題にあらざるなり。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
しか無論むろんかれ自身じしんなんつみもなきこと、また將來しやうらいおいても殺人さつじん窃盜せつたう放火はうくわなどの犯罪はんざいだんじてぬとはつてゐるが、またひとりつく/″\とうもおもふたのであつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
透明人間のゆくえがわからないまま、遠くへにげられたのではないかと、みんないらいらしているところへ、町から一六キロはなれたところで起こった、殺人さつじんのニュースがとどいた。
屋内おくないはべつに取乱とりみだされず、犯人はんにんなにかを物色ぶっしょくしたという形跡けいせきもないから、盗賊とうぞく所為しょいではないらしく、したがつて殺人さつじん動機どうきは、怨恨えんこん痴情ちじょうなどだろうという推定すいていがついたが、さて現場げんばでは
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
さみだれはしぶきて降れり殺人さつじんの心きざさむ人をぞおもふ
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
しかしてべつある誤謬ごびゆうそんするあるにもあらずしてこの殺人さつじんつみおかす、世に普通なるにあらずして、しかも普通なる理由によつてなり、これをうつきはめてかた
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
しかし無論むろんかれ自身じしんなんつみもなきこと、また将来しょうらいにおいても殺人さつじん窃盗せっとう放火ほうかなどの犯罪はんざいだんじてせぬとはっているが、またひとりつくづくとこうもおもうたのであった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
はじめに下宿げしゅく放火ほうか、つぎに、古着屋ふるぎやでおそろしい殺人さつじんをやりかけている。
第六囘だいろくくわいいたりてはじめて、殺人さつじん大罪だいざいなるかいなかの疑問ぎもん飮食店いんしよくてん談柄だんぺいより引起ひきおこし、つい一刹那いつせつなうかいださしめて、この大學生だいがくせいなんあだもなき高利貸こうりかし虐殺ぎやくさつするにいたる。だいくわいその綿密めんみつなる記事きじなり。
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
石切場いしきりば殺人さつじん
來島クルシマ某、津田ツダ某、とうのいかにあはれむべき最後さいごしたるやをるものは、罪と罰の殺人さつじん原因げんいん淺薄せんはくなりとわらひてしりぞくるやうのことなかるべし、利慾よりならず、名譽よりならず、迷信よりならず
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)