様々さまざま)” の例文
旧字:樣々
『それは様々さまざまでございます。なかには随分ずいぶんひねくれた、むつかしい性質たちのものがあり、どうかすると人間にんげんかたきいたします……。』
または元値もとねを損して安物を売る等、様々さまざまの手段を用いてこれに近づくときは、役人は知らずらずして賄賂わいろの甘きわなおちいらざるを得ず。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
この子家鴨こあひるくるしいふゆあいだ出遭であった様々さまざま難儀なんぎをすっかりおはなししたには、それはずいぶんかなしい物語ものがたりになるでしょう。
それはまるで赤やみどりや青や様々さまざまの火がはげしく戦争せんそうをして、地雷火じらいかをかけたり、のろしを上げたり、またいなずまがひらめいたり、光のながれたり
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
したがって、人気役者にんきやくしゃきまとう様々さまざまうわさは、それからそれえと、日毎ひごとにおせんのみみつたえられた。——どこそこのお大名だいみょうのおめかけが、小袖こそでおくったとか。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
女は、くどく様々さまざまな問を出して、やがて帰って行った。下足番の男は、すぐに戸を閉めて
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
幼児をさなごしろ蜜蜂みつばち分封すだちのやうに路一杯みちいつぱいになつてゐる。何処どこからたのかわからない。ごくちひさな巡礼じゆんれいたちだ。胡桃くるみ白樺しらかんばつゑをついて十字架クルス背負しよつてゐるが、その十字架クルスいろ様々さまざまだ。
「そうだね。一寸むずかしいが、まず Maggi のようなもので煮ても食べるね。それは様々さまざまだ。何しろ日本は魚を沢山食べるところだから、料理の為方がなかなか発達しているからね」
ドナウ源流行 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
うさぎのおとうさまももう帰っていて、そのばん様々さまざまのご馳走ちそうがありました。ホモイはそのばんうつくしいゆめを見ました。
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
懐中ふところからした春重はるしげ写生帳しゃせいちょうには、十数枚すうまいのおせんの裸像らぞう様々さまざまかれていた。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
夫婦に三人の子供あれば一日に少なくも白米一升五合より二升は入用なるゆえ、現に一月二、三斗の不足なれども、内職の所得しょとくを以てむぎを買いあわを買い、あるいかゆ或は団子だんご様々さまざま趣向しゅこうにてしょくす。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
おせんの様々さまざま姿態したいつくされているのもすさまじかった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)