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昨今
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さくこん
昨今は英帝が
印度皇帝としての戴冠式を挙げる為に
孟買に行幸して
居られるが、革命党が何か仕出かしはしまいかと半
年前から非常な警戒だ
相である。
宗助は
弟に
夕方になつたら、ちと
洋燈を
點けるとか、
戸を
閉てるとかして、
忙しい
姉の
手傳でもしたら
好からうと
注意したかつたが、
昨今引き
移つた
許のものに
お
袋などが
口廣い
事は
言へど
亥之が
昨今の
月給に
有ついたも
必竟は
原田さんの
口入れではなからうか
鷸にありては
百羽掻也、僕にありては
百端書也月や
残んの
寝覚めの
空老れば人の
洒落もさびしきものと
存候、
僕昨今の
境遇にては、
御加勢と申す程の事もなりかね
候へども
開て忠兵衞が若旦那樣
相變らず今日も
御本で御座りますかと進み
這入に此方は見返へりオヽ
誰かと思へば
管伴忠兵衞
昨今水揚の
荷物ありて店は
大層いそがしいと聞しに今頃何用にて
小六は
實際こんな
用をするのを、
内心では
大いに
輕蔑してゐた。ことに
昨今自分が
已むなく
置かれた
境遇からして、
此際多少自己を
侮辱してゐるかの
觀を
抱いて
雜巾を
手にしてゐた。
餘り
昨今忌はしい
事を
言はれると
死期が
近よつたかと
取越し
苦勞をやつてな、
大塚の
家には
何か
迎ひに
來るものが
有るなどゝ
騷ぎをやるにつけて
母が
詰らぬ
易者などにでも
見て
貰つたか