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明暮
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あけくれ
ふりがな文庫
“
明暮
(
あけくれ
)” の例文
持し其翌年女子一人出生しければ
夫婦
(
ふうふ
)
の喜び云ばかりなく其名をお
幸
(
かう
)
と
號
(
つけ
)
兩人の中の
鎹
(
かすがひ
)
と此娘お幸が成人するを
明暮
(
あけくれ
)
樂
(
たの
)
しみ
暮
(
くら
)
しけるとぞ
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
年上で嫉妬深いお杉は、
明暮
(
あけくれ
)
に夫の不実を責めて、
或
(
ある
)
時はお前を殺して自分も死ぬとまで狂い
哮
(
たけ
)
った。重蔵は
愈
(
いよい
)
よお杉に飽いた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
吸
(
く
)
みてはしり
書
(
がき
)
うるはしく
四書五經
(
ししよごけい
)
の
角々
(
かど/″\
)
しきはわざとさけて
伊勢源氏
(
いせげんじ
)
のなつかしきやまと
文
(
ぶみ
)
明暮
(
あけくれ
)
文机
(
ふづくゑ
)
のほとりを
離
(
はな
)
さず
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
天下動乱の色
顕
(
あら
)
はる。いかゞ
成行
(
なりゆく
)
べき
哉
(
や
)
らん。心ぼそきものなり。神慮にまかせて、
明暮
(
あけくれ
)
するまで也。
無端事
(
はしなきこと
)
。無端事。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
因縁
(
いんねん
)
ずくと思われるほどに骨身に食い入っていて、
明暮
(
あけくれ
)
、弁信を憎み憤っていたが、さてその後、弁信は再び
彼
(
か
)
の土蔵へは帰って来ませんでした。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
彼が
明暮
(
あけくれ
)
望んでいた通り、恩人に大なる危害が迫っている。しかもその危害の糸を引く者は、実に彼自身であった。
恩を返す話
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「これを見れば
延喜
(
えんぎ
)
の
御代
(
みよ
)
に住む心地する」といって、
明暮
(
あけくれ
)
に源氏を見ていたというが、きまりきった源氏を六十年もそのように見ていて
倦
(
う
)
まなかったところは
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そして
明暮
(
あけくれ
)
蔬菜の生長を見て楽んでいるうちに、雲東は自分でも伯雨のまねをしてみずから土に親んで得た園味を思うさま描き現わしてみたいと思うようになった。
艸木虫魚
(新字新仮名)
/
薄田泣菫
(著)
文「まア何は
扨置
(
さてお
)
き、
明暮
(
あけくれ
)
其方
(
そち
)
のことを案じぬ日とてはなかった、
宜
(
よ
)
く達者でいてくれた、人も通わぬ無人島、再び其方に逢うというのは
斯
(
こ
)
んな嬉しいことはない」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
虫より細い声だけれども、五十年の
明暮
(
あけくれ
)
を、一生懸命、そうした信仰で鐘楼を守り通した、骨と皮ばかりの
爺
(
じい
)
が云うのだ。……鐘の
自
(
おのず
)
から鳴るごとく、僕の耳に響いた。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
昨日と
経
(
た
)
ち今日と過ぎ、
忽
(
たちま
)
ち三四年経つてしまひました。けれども
明暮
(
あけくれ
)
子良
(
しりやう
)
がどんなに待つても天人の母は帰つて来ません。どうなつたものやら風の便りすらないのでした。
子良の昇天
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
それ以来、私は
明暮
(
あけくれ
)
この本をひっくり返して見ては色々の植物の名を憶えた。当時は実際の知識はあるが、名を知らなかったので、この本について多くの植物の名を知ることができた。
牧野富太郎自叙伝:01 第一部 牧野富太郎自叙伝
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
君のベターハーフたるべく、
明暮
(
あけくれ
)
、身を
悶
(
もだ
)
えて、恋い
焦
(
こが
)
れている可憐の少女に相違ない事が、科学的立場から見ても寸分間違いのない事を、若林と吾輩の専門の名誉にかけて誓言しておく。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
次第にさぶき
明暮
(
あけくれ
)
の風
知足
(
ちそく
)
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
繼
(
つが
)
せ其身は
只
(
たゞ
)
明暮
(
あけくれ
)
念佛
(
ねんぶつ
)
の門に入て
名號
(
みやうがう
)
を
唱
(
とな
)
ふる
外
(
ほか
)
他事
(
たじ
)
無
(
なか
)
りしとぞ依て
追々
(
おひ/\
)
佛果
(
ぶつくわ
)
を得富右衞門は
長命
(
ちやうめい
)
にて
終
(
つひ
)
に年齡八十一歳に至り
眠
(
ねむ
)
るが如く
大往生
(
だいわうじやう
)
を遂げしとぞ
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
嬌然
(
にっこり
)
笑っているいやらしい笑い方が、だんだんとお絹の面になってくると、肉体そのものまでが異人ではない、
明暮
(
あけくれ
)
自分のそばにいるあの模範的の淫婦娼婦だ。
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
先生様が言わっしゃるには、伝もない、
教
(
おしえ
)
もない。
私
(
わし
)
はどうした
結縁
(
けちえん
)
か、その
顔色
(
かおつき
)
から
容子
(
ようす
)
から、野中にぼんやり立たしましたお姿なり、心から地蔵様が気に入って、
明暮
(
あけくれ
)
、地蔵、地蔵と念ずる。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
娘は
女郎
(
じょうろ
)
にならなけりゃアならない、悪い病を受けて死ぬかも知れないから、
明暮
(
あけくれ
)
凶事のないように、
平常
(
ふだん
)
信心する不動様へでも
何
(
な
)
んでも、お線香を上げてくれと、男泣きに泣きながら頼みましたが
文七元結
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
神慮にまかせて、
明暮
(
あけくれ
)
するまで也。
無端事
(
はしなきこと
)
。無端事。
折々の記
(旧字旧仮名)
/
吉川英治
(著)
知て何時にても
用達
(
ようだて
)
て呉るのみならず諸處ヘ
引付
(
ひきつけ
)
出入場も多く出來るに付
明暮
(
あけくれ
)
立入
(
たちいり
)
隱居
(
いんきよ
)
の用事とあれば
渡世
(
とせい
)
を
休
(
やす
)
みても致し居たり或時
雨天
(
うてん
)
にて彦兵衞は
商
(
あきな
)
ひを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それはほんとうに私たちの切なる望み、
明暮
(
あけくれ
)
祈っている事で御座います。
アイヌ神謡集
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
明
常用漢字
小2
部首:⽇
8画
暮
常用漢字
小6
部首:⽇
14画
“明”で始まる語句
明
明日
明瞭
明後日
明石
明晰
明朝
明白
明星
明方