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揺
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ゆすぶ
ふりがな文庫
“
揺
(
ゆすぶ
)” の例文
旧字:
搖
とせい/\、
肩
(
かた
)
を
揺
(
ゆすぶ
)
ると、
其
(
そ
)
の
響
(
ひゞ
)
きか、
震
(
ふる
)
へながら、
婦
(
をんな
)
は
真黒
(
まつくろ
)
な
髪
(
かみ
)
の
中
(
なか
)
に、
大理石
(
だいりせき
)
のやうな
白
(
しろ
)
い
顔
(
かほ
)
を
押据
(
おしす
)
えて、
前途
(
ゆくさき
)
を
唯
(
たゞ
)
熟
(
じつ
)
と
瞻
(
みまも
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『これ。』と背中の児を
揺
(
ゆすぶ
)
つて、
相不変
(
あひかはらず
)
ニタ/\と笑つてる。子守をするので学校に出られぬといふのだらう。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
保太郎氏は愚者の
群
(
むれ
)
からおいてきぼりにされた図体を小刻みに
揺
(
ゆすぶ
)
りながら「僕の画を買つておくのは、田地を持つてゐると同じで、屹度
孫子
(
まごこ
)
の
利益
(
ため
)
になるよ。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
あれは遠い丸の内、それでも天気のいい時には
吃驚
(
びっく
)
りするほど座敷の障子を
揺
(
ゆすぶ
)
る事さえある、されば、すぐ崖下に狐を
打殺
(
うちころ
)
す銃声は、如何に強く耳を貫くであろう。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
私はグッタリしている静子の肩に手をかけて、軽く
揺
(
ゆすぶ
)
った。だが、彼女は恥と後悔の為に顔を上げることが出来なかったのか、身動きもせず、一
言
(
ごん
)
も物を云わなかった。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
と、
揺
(
ゆすぶ
)
るとたんにがらりと転げた音がする。飛び込んで見ると藤川庄三郎は
何時
(
いつ
)
の間にか合口を取って、立派に腹一文字に掻切って死んで居りました。
恟
(
びっく
)
りしたのはお美代。
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
つねに必ずかのアリエルの如く、
玲瓏
(
れいろう
)
として澄明なる一物が軽くわたしの背を
揺
(
ゆすぶ
)
るのです。即ち知る、あなたと凡ての造物との間には、不思議な連鎖が
繋
(
つなが
)
っているのです。そうです。
チチアンの死
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
彼のたましいは
揺
(
ゆすぶ
)
られ通しに揺られた。ずっと以前に岸本もまだ若く友人も皆な若かった頃に、彼には青木という友人があったが、青木は中野の友人なぞを知らないで早く亡くなった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
思わずこう勢いつけて前後左右に
揺
(
ゆすぶ
)
ったら、フイと提灯の灯が消えてしまった。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
それでも正体がなかったから、肩に手をかけて
揺
(
ゆすぶ
)
った。
女婿
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
お
前
(
まへ
)
も
又
(
また
)
何
(
なん
)
だ、
打
(
ぶ
)
つてゞも
揺
(
ゆすぶ
)
つてゞも
起
(
おこ
)
せば
可
(
い
)
いのに——しかし
疲
(
つか
)
れた、
私
(
わたし
)
は
非常
(
ひじやう
)
に
疲
(
つか
)
れて
居
(
ゐ
)
る。お
前
(
まへ
)
に
分
(
わか
)
れてから
以来
(
このかた
)
、まるで
一目
(
ひとめ
)
も
寐
(
ね
)
ないんだから。……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そして便所の中で体を
揺
(
ゆすぶ
)
つて一人で笑つた。苦り切つた××の
眇目
(
かため
)
な顔と其の話した事柄との不思議な取合せは、何うにも斯うにも可笑しくつて耐らなかつたのだ。
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そうで無いにしても表で暴れて家を
揺
(
ゆすぶ
)
ると家が潰れるでしょう、奴の力は大した者だから、やアというと
家
(
うち
)
に地震が
揺
(
い
)
って
打潰
(
ぶっつぶ
)
されて
了
(
しま
)
います、
何
(
なん
)
にしても
家
(
うち
)
にいると面倒だから
迯
(
に
)
げて下さい、え
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
今松は、伯水老人の傘持つ手をば、上からギュッと
揺
(
ゆすぶ
)
って握った。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
目敏
(
めざと
)
そうな人物が、と驚いて手を
翳
(
かざ
)
すと、
薄
(
すすき
)
の穂を
揺
(
ゆすぶ
)
るように、すやすやと
呼吸
(
いき
)
がある。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これで分ったろう、放したまえ、早く擦抜けようと、もじつくのが、
婦
(
おんな
)
の
背
(
せな
)
を突いて
揺
(
ゆすぶ
)
るようだから、慌ててまた
窘
(
すく
)
まりましたよ。どこを糸で結んで手足になったか、女の
身体
(
からだ
)
がまるで綿で……
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
算を乱して
仰向
(
あおむけ
)
にどたりと倒れ、畳を
蹴立
(
けた
)
て、障子を
揺
(
ゆすぶ
)
り、さア殺せ、
苦
(
くるし
)
いわい、切ないわい、死ぬぞ、のたるぞ、と
泣喚
(
なきわめ
)
くに、手の附けようもあらざれば、持余したる折こそあれ、奥にて呼ぶ声
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あれ、見や、島田を
揺
(
ゆすぶ
)
ってら。」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と火鉢をぐいぐいと
揺
(
ゆすぶ
)
って。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
揺
常用漢字
中学
部首:⼿
12画
“揺”を含む語句
動揺
揺曳
揺籃
揺椅子
揺蕩
一揺
揺動
揺々
蕩揺
揺起
揺上
揺落
揺籠
小揺
偏揺
揺下
揺出
揺据
大揺
揺笑
...