“泣喚”の読み方と例文
読み方割合
なきわめ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小さなめいの首の火傷やけどに蠅は吸着いたまま動かない。姪ははしを投出して火のついたように泣喚なきわめく。蠅を防ぐために昼間でも蚊帳かやられた。
廃墟から (新字新仮名) / 原民喜(著)
算を乱して仰向あおむけにどたりと倒れ、畳を蹴立けたて、障子をゆすぶり、さア殺せ、くるしいわい、切ないわい、死ぬぞ、のたるぞ、と泣喚なきわめくに、手の附けようもあらざれば、持余したる折こそあれ、奥にて呼ぶ声
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
だが、この行列に加われる負傷者ならまだ結構な方かもしれないのだった。今も、「兵隊さん、兵隊さん、助けてよう、兵隊さん」と火のついたように泣喚なきわめく声がする。
夏の花 (新字新仮名) / 原民喜(著)