怠惰なまけ)” の例文
ところこのアルゼリヤこくうちでブリダアといふ市府まちひとわけても怠惰なまけることがき、道樂だうらくをしておくることが好きといふ次第である。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
それも自分で怠惰なまけていればとにかく、毎日精を出して一生懸命やって見て、やっと此所ここまで来たのでありますから、どうも仕方がありません。
又かう、怠惰なまけものでは、さう判然はつきりしたこたへが出来ないのである。代助の方でも、門野かどのを教育しにうまれてた訳でもないから、好加減いゝかげんにしてほうつて置く。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
頭痛がするで遅くなりましたとみんな怠惰なまけられるは必定、其時自分が休んで居れば何と一言云ひ様なく、仕事が雨垂拍子になつて出来べきものも仕損ふ道理
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
五十軒によき得意場は持たりとも、内證の車は商賣ものゝ外なれば詮なく、十三になれば片腕と一昨年より並木の活判處くわつぱんじよへも通ひしが、怠惰なまけものなれば十日の辛棒つゞかず
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
土方人足も働き盛り、日脚の八ツさがりをそのていは、いずれ界隈かいわい怠惰なまけものと見たばかり。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
戸前口だけは長兵衞さんに頼むというほど腕は良いが、誠に怠惰なまけものでございます。
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
彼は伊豆と違つて怠惰なまけ者である。内山は仕事に出るのは嫌ひだが内の仕事はよくする。然し三公は内に居つても決して炊事の手伝を助けようともしない。青く水腫れした顔をしてヂツとして居る。
頭痛がするで遅くなりましたとみんな怠惰なまけられるは必定ひつじょう、その時自分が休んで居れば何と一言云いようなく、仕事が雨垂あまだれ拍子になってできべきものも仕損しそこなう道理
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
五十軒によき得意場はもちたりとも、内証の車は商買ものの外なればせんなく、十三になれば片腕と一昨年おととしより並木の活判処かつばんじよへも通ひしが、怠惰なまけものなれば十日の辛棒つづかず
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
砥石といしを前に控えたはいが、怠惰なまけが通りものの、真鍮しんちゅう煙管きせる脂下やにさがりにくわえて、けろりと往来をながめている、つい目と鼻なる敷居際につかつかと入ったのは、くだんの若い者、すてどんなり。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
決してましょうという事は口にしない。又こう、怠惰なまけものでは、そう判然はっきりした答が出来ないのである。代助の方でも、門野を教育しに生れて来た訳でもないから、好加減いいかげんにして放って置く。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
『謹であがたてまつる、怠惰なまけ神様かみさま!』
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
さあ少し遅くはなつたれど母親おふくろの持病が起つたとか何とか方便は幾干でもつくべし、早う根岸へ行くがよい、五三ごさ様もわかつた人なれば一日をふてゝ怠惰なまけぬに免じて
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
五十けんによき得意塲とくいばもちたりとも、内證ないしようくるま商賣しようばいものゝほかなればせんなく、十三になれば片腕かたうで一昨年おとゝしより並木なみき活版所かつぱんじよへもかよひしが、怠惰なまけものなれば十日とうか辛棒しんぼうつゞかず
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なにか、自分じぶん天守てんしゆ主人あるじから、手間賃てまちん前借まへがりをしてつて、かりかへ羽目はめを、投遣なげやりに怠惰なまけり、格合かくかうをりから、わかいものをあふつて、身代みがはりにはたらかせやうかもはかられぬ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「根が怠惰なまけもんですからな。大方断わるだろうと思ってるんです」
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さあ少し遅くはなったれど母親の持病が起ったとか何とか方便は幾らでもつくべし、早う根岸へ行くがよい、五三ごさ様もわかった人なれば一日をふてて怠惰なまけぬに免じて
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「根が怠惰なまけもんですからな。大方断わるだらうと思つてるんです」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
眼の前ではわが指揮さしずに従い働くようなれど、蔭では勝手に怠惰なまけるやらそしるやらさんざんに茶にしていて、表面うわべこそつくろえ誰一人真実仕事をよくしょうという意気組持ってしてくるるものはないわ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
眼の前では我が指揮さしづに従ひ働くやうなれど、蔭では勝手に怠惰なまけるやらそしるやら散〻に茶にして居て、表面うはべこそつくろへ誰一人真実仕事を好くせうといふ意気組持つて仕てくるゝものは無いは、ゑゝ情無い
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)