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しんとう
ふりがな文庫
“
心頭
(
しんとう
)” の例文
それが狂念となって潜んでいるが、時としては表面にあらわれてかれを
脅
(
おびやか
)
した。遺伝というものが
心頭
(
しんとう
)
に
絡
(
から
)
みついていて離れない。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
咄
(
とつ
)
!
心頭
(
しんとう
)
を
滅却
(
めつきやく
)
すれば
何
(
なん
)
とかで、
悟
(
さと
)
れば
悟
(
さと
)
れるのださうだけれど、
暑
(
あつ
)
いから
暑
(
あつ
)
い。
悟
(
さと
)
ることなんぞは
今
(
いま
)
もつて
大嫌
(
だいきら
)
ひだ。……
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
心頭
(
しんとう
)
を滅却すれば火もおのずから涼し。——そんなむずかしい
悟
(
さと
)
りを開くまでもなく、誰でもおのずから暑中の涼味を見いだすことを知っている。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
胸の
逼
(
せま
)
ること急に、身内の血は
尽
(
ことごと
)
くその
心頭
(
しんとう
)
に注ぎて余さず
熬
(
い
)
らるるかと覚ゆるばかりなるに、かかる折は
打寛
(
うちくつろ
)
ぎて
意任
(
こころまか
)
せの我が家に独り居たらんぞ
可
(
よ
)
き。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
心頭
(
しんとう
)
を
滅
(
めっ
)
すれば火も
涼
(
すず
)
し——と
快川和尚
(
かいせんおしょう
)
は
恵林寺
(
えりんじ
)
の
楼門
(
ろうもん
)
でさけんだ。まけおしみではない、
英僧
(
えいそう
)
にあらぬ
蛾次郎
(
がじろう
)
でも、いまは、火のあついのを
意識
(
いしき
)
しなくなった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
亜米利加
(
アメリカ
)
ではあるまいし、
怒
(
いかり
)
心頭
(
しんとう
)
に発したものだ。そうお
仰
(
っしゃ
)
ればそうですが、何でも困ります、あれは酒の讃美ですというんだ。わからないのも程があると思ったね。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
六ヶ月して
窃
(
ひそか
)
に長崎の方に行き、
松木
(
まつき
)
は
凡
(
およ
)
そ一年ばかりも
其処
(
そこ
)
に居る中に、本藩の方でも松木の事を
心頭
(
しんとう
)
に掛けてその所在を探索し、
大久保
(
おおくぼ
)
、
岩下
(
いわした
)
、
重野
(
しげの
)
を始めとして
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
この言葉を聞くと共に、一時静まっていた
心頭
(
しんとう
)
の
怒火
(
どか
)
が、また彼の眼の中に燃えあがった。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
與
(
よ
)
四
郎
(
らう
)
は
忽
(
たちま
)
ち
顏
(
かほ
)
の
色
(
いろ
)
青
(
あを
)
く
赤
(
あか
)
く、
唇
(
くちびる
)
を
震
(
ふる
)
はせて
惡婆
(
あくば
)
、と
呌
(
さけ
)
びしが、
怒氣
(
どき
)
心頭
(
しんとう
)
に
起
(
おこ
)
つて、
身
(
み
)
よりは
黒烟
(
くろけふ
)
りの
立
(
た
)
つ
如
(
ごと
)
く、
紙幣
(
しへい
)
も
文
(
ふみ
)
も
寸斷
(
ずた
)
/\に
裂
(
さ
)
いて
捨
(
す
)
てゝ、
直然
(
すつく
)
と
立
(
たち
)
しさま
人
(
ひと
)
見
(
み
)
なば
如何
(
いか
)
なりけん。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
見て彌々驚き眼を
閉
(
とぢ
)
頭
(
かしら
)
を下げて居けるに大岡殿如何に半四郎
渠
(
かれ
)
の證據を申立よと云れしかば後藤は久兵衞を見るや
否
(
いな
)
や忽ち怒り
心頭
(
しんとう
)
に
發
(
はつ
)
しヤイ久兵衞
汝
(
おのれ
)
は大膽不敵の
惡黨
(
あくたう
)
なり先年三島の一件を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
が、そのときはもう全然ほかの興味に彼女は身を
委
(
ゆだ
)
ねていた。雨の日のシャンゼリゼエに
留度
(
とめど
)
もなく滑る自動車の
車輪
(
タイヤ
)
のように、彼女は自分の
心頭
(
しんとう
)
がどこへ流れて行くかじぶんで知らないのである。
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
「
眼裏
(
がんり
)
塵
(
ちり
)
あれば三界は
窄
(
せま
)
く、
心頭
(
しんとう
)
無事
(
ぶじ
)
なれば一
床
(
しょう
)
寛
(
かん
)
なり」
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
でいまここに、蛾次郎の顔をみ、竹童のすがたを見ると同時に、
宮内
(
くない
)
は、
湖
(
みずうみ
)
をへだてたかなたの
戦
(
いくさ
)
のことも、きれいに
心頭
(
しんとう
)
から忘れさって、まことに
慈父
(
じふ
)
のような
温顔
(
おんがん
)
になっていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なんの、
心頭
(
しんとう
)
をしずめれば、火もおのずから
涼
(
すず
)
しい——」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大きな鶏どもは呆れかつ怒り
心頭
(
しんとう
)
に発して
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“心頭”の意味
《名詞》
心 頭(しんとう)
心の中。心。
(出典:Wiktionary)
心
常用漢字
小2
部首:⼼
4画
頭
常用漢字
小2
部首:⾴
16画
“心”で始まる語句
心
心配
心地
心持
心算
心細
心得
心底
心臓
心許