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心懸
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こゝろが
人の
上に
立つものは
夫れ
丈に
苦勞が
多く、
里方が
此樣な
身柄では
猶更のこと
人に
侮られぬやうの
心懸けもしなければ
成るまじ
勘次は
異常な
勞働によつて
報酬を
得ようとする一
方に一
錢と
雖も
容易に
其の
懷を
減じまいとのみ
心懸けて
居る。
要するに
地震學進歩の
現状に
於ては、
何時地震に
襲はれても
差支へないように
平常の
心懸けが
必要である。
其も
東京で
出來なかつたら、
故郷に
住居を
求めるやうに、
是非恰好なのを
心懸ける、と
今朝も
從※が
言ふから、いや、
何う
仕まして、とつい
眞面目に
云つて
叩頭をしたつけ。
然しながら
地震に
出會つた
其瞬間に
於ては、
大小國民殘らず
自分で
適當な
處置を
取らなければならないから、
此場合の
心懸けは
地震國の
國民に
取つて
一人殘らず
必要なことである。
さればとて
香爐峯の
雪に
簾をまくの
才女めきたる
行ひはいさゝかも
無く
深窓の
春深くこもりて
針仕事に
女性の
本分を
盡す
心懸け
誠に
殊勝なりき、
家に
居て
孝順なるは
出て
必らず
貞節なりとか