御馳走ごちさう)” の例文
そのばん伯父をぢさんも友伯父ともをぢさんもばれてきましたが、『押飯おうはん』とつてとりにくのおつゆあぢをつけた御飯ごはん御馳走ごちさうがありましたつけ。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
一層いつそうあぢかろとり丸燒まるやきなどはなか/\の御馳走ごちさうで、いまわたくしには、世界せかい第一だいいちのホテルで、世界せかい第一だいいち珍味ちんみきようせられたよりも百倍ひやくばいうれしくかんじた。
そこで市長はよしちやんを大きな広間につれて行つて、沢山な御馳走ごちさうをしました。電燈がぴかぴかと宝石にうつつて輝き、オーケストラの音楽が鳴りひゞく。
夢の国 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
嬢様ぢやうさまそんなら此儘このまゝわしまゐりやする、はい、御坊様おばうさま沢山たくさん御馳走ごちさうしてげなされ。)
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「でも、はち子供こどもには御馳走ごちさうなんだよ」
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
とうさんはそのあたらしい草履ざうりをはいたあしで、おうち臺所だいどころそとあそんでにはとりきました。おほきな玉子たまごをよくとうさんに御馳走ごちさうしてれたにはとり
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
息子むすこ嗜好すき色々いろ/\もの御馳走ごちさうして「さて、せがれや、おまへ此頃このごろはどうしておいでだえ。矢張やはりわるしわざあらためませんのかえ。」となみだながらにいさめかけると
喝采かつさいして、おもしろがつて、をかしがつて、散々さんざなぐさむで、そら菓子くわしをやるワ、蜜柑みかんげろ、もちをたべさすワツて、みんなでどつさりさる御馳走ごちさうをして、くらくなるとどや/\いつちまつたんだ。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
わたしは、このまちの長をつとめてゐる者のところから参りました。あなたがみんなの難儀をお救ひ下さいましたから、お礼に御馳走ごちさうをしたいと申してをります。どうぞおいで下さいませんか。」
夢の国 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
とうさんのおうち石臼いしうす青豆あをまめくのが自慢じまんでした。それを黄粉きなこにして、家中うちぢうのものに御馳走ごちさうするのが自慢じまんでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
水兵すいへいども澤山たくさん御馳走ごちさうこしらへてつてはづだから、その以前いぜんにヒヨツコリとかへつてはけうい、し/\。
そこで大変立派な御馳走ごちさうが出まして、正助爺さん、すつかりいい気持に酔つて夜の更けるのも知りませんでしたが、そのうちに東が白んで来ましたので、やうやく気がついて、お暇乞いとまごひを申しますと
竜宮の犬 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)