強情がうじやう)” の例文
大學者だいがくしやさまがつむりうへから大聲おほごゑ異見いけんをしてくださるとはちがふて、しんからそこからすほどのなみだがこぼれて、いかに強情がうじやうまんのわたしでも
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
特にうそとごまかしで固まつたマルサ・ジイと云ふ強情がうじやうな子供が、どうして急に死ぬかつてことが書いてあるところをお讀みなさい。
たゞして申けるは是名主甚兵衞其外の百姓共よくうけたまはれ將軍の上意なればかるからざる事なりしかるに當村中一同に申合せしらぬ/\と強情がうじやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
出水でみづあぶない、と人々ひと/″\此方こなたきしからばゝつたが、強情がうじやうにものともしないで、下駄げたぐとつゑとほし、おびいて素裸すはだかで、ざぶ/\とわたりかける。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
焔の色の薔薇ばらの花、強情がうじやうな肉をかす特製の坩堝るつぼほのほの色の薔薇ばらの花、老耄らうまうした黨員の用心、僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
さうは思ひながらも、をぢさんはまだ強情がうじやうに古い帳面を片端から繰つてみた。堺屋は今から三十年前の火事に古い帳面を燒いてしまつて、その以前の分は一冊も殘つてゐない。
半七捕物帳:01 お文の魂 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
隨分追つかけ廻つたものですが、餘り先が強情がうじやうなんで、もうとても望は無いと思ひましたから、諦めて了つて、それからもう伯母の所へ行つても餘り惡ふざけはしなくなりました。
反古 (旧字旧仮名) / 小山内薫(著)
「あの娘は強情がうじやうで、お酒の相手しかしてくれません」
云つて強情がうじやうを張ると損だぞ。
公判 (新字旧仮名) / 平出修(著)
大岡殿きかれまだ其樣に強情がうじやうを云居るがすでに其日は柏崎かしはざきへ昌次郎夫婦して參り夕刻彼所を立歸りしと云にあらずや然らば我が妻を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
は、強情がうじやう不敵ふてきやつ。さて、入替いれかはつて按摩あんまがシツペイのばんると、つてぼんはらひにありつきました、と白銀はくぎんまい頂戴ちやうだいことめてかゝつて
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
強情がうじやうな子だこと!」スキャチャード先生は叫んだ。「どんなことをしたつて、あんたのだらしのない癖は直りやしない。鞭を片づけなさい。」
はじめは小言こごとおつしやつたり、異見いけんあそばしたり、さとしたり、なぐさめたりあそばしたのなれど、いかにもわたし強情がうじやうふかく、かくしだてをあそばすといふをたてつて
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
強情がうじやうな腹立ちの餘り、その宣告にくつするどころか私は殆んど天の配劑を呪ひさへした、公然とそれに反抗したのだ。
却説かくて八右衞門は彦三郎へ申含置ふくめおきたる通り名主の玄關にて強情がうじやうはる故是非無召連訴へと相成則ち口上書こうじやうがきを差出せり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
といふこと産聲うぶごゑをあげたときから何故なにゆゑとなくにしみて、いろ/\しみもひましやうけれど、そつくりれかゞつてくとでもつたらわたし強情がうじやうてゝとりついて
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)