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げんとう
ふりがな文庫
“
幻燈
(
げんとう
)” の例文
玩具屋
(
おもちゃや
)
の主人は金属製のランプへ黄色いマッチの火をともした。それから
幻燈
(
げんとう
)
の
後
(
うし
)
ろの戸をあけ、そっとそのランプを器械の中へ移した。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ごとごとごとごと汽車はきらびやかな
燐光
(
りんこう
)
の川の
岸
(
きし
)
を
進
(
すす
)
みました。
向
(
む
)
こうの方の
窓
(
まど
)
を見ると、野原はまるで
幻燈
(
げんとう
)
のようでした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
昼過ぎになると和やかな秋の日が、
幻燈
(
げんとう
)
の如くあかあかと縁側の
障子
(
しょうじ
)
に燃えて、室内は大きな
雪洞
(
ぼんぼり
)
のように明るかった。
秘密
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ランプの青やかな光のもとでは、人々のこうした生活も、物語か
幻燈
(
げんとう
)
の世界でのように美しくなつかしく見えた。
おじいさんのランプ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
断片的に、
幻燈
(
げんとう
)
のように、記憶が飛び飛びになっているが、それも夢といった方が早い。手をたたいて、子分たちと歌ったり、踊ったりしたようである。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
▼ もっと見る
立派な人達がまるで
幻燈
(
げんとう
)
の中の人物のやうにあんたの前を飛び過ぎて行くあそこの部屋に坐つてゐる間中、あんたの心にはどんな思ひが
忙
(
いそ
)
がしく往來してゐたのぢやらう。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
田中
(
たなか
)
の
正太
(
しようた
)
は
可愛
(
かわい
)
らしい
眼
(
め
)
をぐるぐると
動
(
うご
)
かして、
幻燈
(
げんとう
)
にしないか、
幻燈
(
げんとう
)
に、
己
(
お
)
れの
處
(
ところ
)
にも
少
(
すこ
)
しは
有
(
あ
)
るし、
足
(
たり
)
りないのを
美登利
(
みどり
)
さんに
買
(
か
)
つて
貰
(
もら
)
つて、
筆
(
ふで
)
やの
店
(
みせ
)
で
行
(
や
)
らうでは
無
(
な
)
いか
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
後の世の
幻燈
(
げんとう
)
で、
享和
(
きやうほ
)
年間には、江戸の
寄席
(
よせ
)
藝人
都樂
(
とらく
)
なる者が興行用に使用したことが武江年表に記されてをり、それが近代に及んで、
淨瑠璃
(
じやうるり
)
などを
用
(
もち
)
ひ、劇的な筋を持つた影芝居
銭形平次捕物控:290 影法師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いづこにかうち
囃
(
はや
)
す
幻燈
(
げんとう
)
の
伴奏
(
あはせ
)
の
進行曲
(
マアチ
)
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
みんなみんな
幻燈
(
げんとう
)
の様に通りすぎた昔よ
幻燈:《幼な日の思ひ出のために》
(新字旧仮名)
/
森川義信
(著)
ごとごとごとごと汽車はきらびやかな
燐光
(
りんこう
)
の川の岸を進みました。向うの方の窓を見ると、野原はまるで
幻燈
(
げんとう
)
のようでした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
剣舞の次は
幻燈
(
げんとう
)
だった。
高座
(
こうざ
)
に
下
(
おろ
)
した幕の上には、
日清戦争
(
にっしんせんそう
)
の光景が、いろいろ映ったり消えたりした。大きな
水柱
(
みずばしら
)
を揚げながら、「
定遠
(
ていえん
)
」の沈没する所もあった。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あゝ
面白
(
おもしろ
)
くない、おもしろくない、
彼
(
あ
)
の
人
(
ひと
)
が
來
(
こ
)
なければ
幻燈
(
げんとう
)
をはじめるのも
嫌
(
いや
)
、
伯母
(
おば
)
さん
此處
(
こゝ
)
の
家
(
うち
)
に
智惠
(
ちゑ
)
の
板
(
いた
)
は
賣
(
う
)
りませぬか、十六
武藏
(
むさし
)
でも
何
(
なん
)
でもよい、
手
(
て
)
が
暇
(
ひま
)
で
困
(
こま
)
ると
美登利
(
みどり
)
の
淋
(
さび
)
しがれば
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
幻燈
(
げんとう
)
のぼかしのごとも
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
これは一体何のために誰のつけた
印
(
しるし
)
であろう? 保吉は
幻燈
(
げんとう
)
の中に
映
(
うつ
)
る
蒙古
(
もうこ
)
の
大沙漠
(
だいさばく
)
を思い出した。二すじの線はその大沙漠にもやはり細ぼそとつづいている。………
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
先頭の百姓が、そこらの
幻燈
(
げんとう
)
のようなけしきを、みんなにあちこち指さして
狼森と笊森、盗森
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
手品
(
てじな
)
、
剣舞
(
けんぶ
)
、
幻燈
(
げんとう
)
、
大神楽
(
だいかぐら
)
——そう云う物ばかりかかっていた寄席は、身動きも出来ないほど
大入
(
おおい
)
りだった。二人はしばらく待たされた
後
(
のち
)
、やっと
高座
(
こうざ
)
には遠い所へ、
窮屈
(
きゅうくつ
)
な腰を
下
(
おろ
)
す事が出来た。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
間もなく次の電光は、明るくサッサッと
閃
(
ひら
)
めいて、
庭
(
にわ
)
は
幻燈
(
げんとう
)
のように青く
浮
(
うか
)
び、雨の
粒
(
つぶ
)
は
美
(
うつく
)
しい
楕円形
(
だえんけい
)
の粒になって
宙
(
ちゅう
)
に
停
(
とど
)
まり、そしてガドルフのいとしい花は、まっ白にかっと
瞋
(
いか
)
って立ちました。
ガドルフの百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
小さな谷川の底を写した二枚の青い
幻燈
(
げんとう
)
です。
やまなし
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
黄金
(
キン
)
の
幻燈
(
げんとう
)
草
(
くさ
)
の青
『春と修羅』
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
幻
常用漢字
中学
部首:⼳
4画
燈
部首:⽕
16画
“幻燈”で始まる語句
幻燈会
幻燈写真