幻燈げんとう《幼な日の思ひ出のために》《おさなひのおもひでのために》
せるろいどのやうにふるへる むかしむかしのお姫さまよ 童話の向ふから童話のやうに掌をあげて 黒びらうどの青い喪服がよく似合ふ あれあれ木馬もお通りなさる がたがた首をゆさぶり はげ落ちた灰色の眼で何を見つめるのやら みんなみんな蒼白いせるろ …