居合ゐあは)” の例文
それゆゑ二階にかいあるひ三階さんがい居合ゐあはせたひとが、階下かいかとほることの危險きけんおかしてまで屋外おくがいさうとする不見識ふけんしき行動こうどう排斥はいせきすべきである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
しかし万一の事があつたら切り棄てるほかないと云ふので、奉行所に居合ゐあはせた剣術の師一条一いちでうはじめ切棄きりすての役を引き受けた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
其後そのあと自轉車隊じてんしやたいて、居合ゐあはせた農夫のうふに、二人連ふたりづれの、人相にんさうわる男子をとこが、此邊このへんをうろ/\してなかつたかとうてると、農夫のうふすこぶふるつたこたへをした。
只今是へ呼出すべしと有しに與力よりきかしこまり候と其儘そのまゝ立て行ければ此場に居合ゐあはせし者共は互ひに顏を見合みあはせしゝける富右衞門が再度ふたたび爰へ出べき樣もなし扨々さて/\御奉行樣は奇妙きめうなことを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
もう一呼吸ひといきで、あがるところであつた。臺所だいどころから、座敷ざしきへ、みづ夜具やぐ布團ふとん一所いつしよちまけて、こたつはたちまながれとなつた。が屈強くつきやうきやく居合ゐあはせた。女中ぢよちうはたらいた。家内かないおちついた。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
九時に脈搏が触れなくなつたので、居合ゐあはせた人々がことごとく枕頭に集つた。
島木赤彦臨終記 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
三、 二階建にかいだて三階建さんがいだてとう木造家屋もくぞうかおくでは、階上かいじようほうかへつて危險きけんすくない、高層建物こうそうたてもの上層じようそう居合ゐあはせた場合ばあひには屋外おくがい避難ひなんすることを斷念だんねんしなければなるまい。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
變て申に久兵衞は冷笑あざわら否々いや/\人は見かけに寄ぬもの其時其所そこ居合ゐあはせたは文右衞門殿ばかりゆゑ盜まれたるに相違さうゐなし盜人ぬすびと猛々たけ/″\しとは此事なりと云ひければお政は彌々いよ/\やつ氣となり私しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
室内しつないにて前記ぜんきごと條件じようけん場所ばしよもなく、また廊下ろうか居合ゐあはせて、兩側りようがは張壁はりかべからの墜落物ついらくぶつはさちせられさうな場合ばあひおいては、しつ出入口でいりぐち枠構わくがまへが
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)