大海おほうみ)” の例文
大海おほうみのかなたに歸らば、わがジョヴァンナに告げて、罪なき者の祈り聽かるゝところにわがために聲をあげしめよ 七〇—七二
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
さも大海おほうみのどよみに引込まれてでも行きさうに、ぢつと長い間立ち尽してゐるのをかれ等は目にした。
波の音 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
足下きみ同情どうじゃう多過おほすぎるわし悲痛かなしみに、たゞ悲痛かなしみへるばかり。こひ溜息ためいき蒸氣ゆげけむりげきしてはうち火花ひばならし、きうしてはなみだあめもっ大海おほうみ水量みかさをもす。
最早もはや亞弗利加大陸アフリカたいりく横斷わうだんして、ずつと西にしほうばされて、いま下邊かへんゆる大海おほうみは、大西洋たいせいやう相違さうゐはあるまい。とつたが、わたくしはどうも左樣さうとはしんじられなかつた。
大海おほうみしまもあらなくに海原うなばらのたゆたふなみてる白雲しらくも 〔巻七・一〇八九〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
つねに覚めゐむ事をねがふ。窓をすかひとみ大海おほうみ彼方かなたを待望まねど
詩集夏花 (新字旧仮名) / 伊東静雄(著)
友の名も我名もひろし空をさへ行くべきどちが大海おほうみを行く
大海おほうみの晒すしら玉さやけみと手には揺りつつ遊ぶ子ろはも
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
こゝろ自由まゝなる人間は、とはにづらむ大海おほうみを。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
そは目眩めくるめく光明遍照の大海おほうみにして
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
大海おほうみかたち定めぬ劫初はじめ
大海おほうみのすなどりは
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
いざ思へ、大海おほうみに浮ぶピエートロの船の行方ゆくへを誤らしめざるにあたりて彼のりよたるにふさはしき人のいかなる者にてありしやを 一一八—一二〇
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
日輪が泳ぎ去りたるのちなれば影よりさびし大海おほうみの嶋
大海おほうみ華のごとひるがへりけり。
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
大海おほうみに舟満ちつづけて。
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
人こそ知らね、大海おほうみ
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
是故にみな己が受けたる本能に導かれつゝ、存在の大海おほうみをわたりて多くの異なるみなとにむかふ 一一二—一一四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そは目眩めくるめく光明遍照くわうみやうへんぜう大海おほうみにして
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
大海おほうみに舟滿ちつづけて。
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
大海おほうみとほくかぎりなき
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
大海おほうみは酔ひて
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
あらたなる大海おほうみ香炉かうろ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
大海おほうみにこそ浮びけれ
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
みなぎりわたる大海おほうみ
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)