六疊ろくでふ)” の例文
給金きふきんをのこらず夜具やぐにかける、くのが二枚にまいうへへかけるのが三枚さんまいといふ贅澤ぜいたくで、下階した六疊ろくでふ一杯いつぱいつて、はゞかりへきかへりあし踏所ふみどがない。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
爪尖上つまさきあがりの廊下らうかから、階子段はしごだん一度いちどトン/\とりて、バタンととびらけてはひつた。縁側えんがはづきのおつな六疊ろくでふ
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
よくものをかんがよ、なんぢつねまへるところらず、六疊ろくでふか、八疊はちでふか、ひろさも十疊じふでふぎざるべし。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……その玄關げんくわん六疊ろくでふの、みぎ𢌞まはえんにはに、物數寄ものずきせて六疊ろくでふ十疊じふでふつぎ八疊はちでふつゞいて八疊はちでふかは張出はりだしの欄干下らんかんしたを、茶船ちやぶね浩々かう/\ぎ、傳馬船てんま洋々やう/\としてうかぶ。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……うか、とうもかへつておそろしくさむかつたので、いきなりちや六疊ろくでふはひつて、祖母そぼ行火あんくわすそはひつて、しりまでもぐると、祖母おばあさんが、むく/\ときて
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
にバケツをげながら、「あとは、たらひでも、どんぶりでも、……水瓶みづがめにまだある。」と、この二階にかいとゞいた、とおもふと、した座敷ざしき六疊ろくでふへ、ざあーとまばらに、すだれをみだして
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
中二階ちうにかい六疊ろくでふなかにはさんで、梯子段はしごだんわかれて二階にかい二間ふたま八疊はちでふ十疊じふでふ——ざつとこの間取まどりで、なかんづくその中二階ちうにかいあをすだれに、むらさきふさのしつとりした岐阜提灯ぎふぢやうちん淺葱あさぎにすくのに
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
が、四疊半よでふはんでも六疊ろくでふでも、琵琶棚びはだなつきの廣間ひろまでも、そこは仁體にんてい相應さうおうとして、これに調子てうしがついて、別嬪べつぴんこゑかうとすると、三味線さみせん損料そんれうだけでもおやすくない。しろ指環ゆびわぜいがかゝる。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)