てう)” の例文
いさゝか平常ふだん化粧けしやうたがふことなかりしとぞ。いま庇髮ひさしがみ、あのおびたゞしくかほみだれたるびんのほつれは如何いかにはたしてこれなんてうをなすものぞ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
私し方へ引取し事なりと申せば文左衞門ムヽ扨はめひの事故むすめに致して九助方へ縁付えんづけつかはしたかと申に藤八は仰の通りなれども夫には因縁いんえんの御はなしあり右節事母てう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ゆかみてふたのあはぬ半櫃はんびつ てう
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
けたゝましく郵便脚夫いうびんきやくふ走込はしりこむのも、からすくのも、みななんとなく土地とち末路まつろしめす、滅亡めつばうてうであるらしい。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ぞ呉れしかばやゝ二百兩近くの金を胴卷どうまきへ入古郷をさして旅立ちしが先阿部川あべかはへ立寄先年のおてう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一人女ひとりをんな」「一人坊主ひとりばうず」は、暴風あれか、火災くわさいか、難破なんぱか、いづれにもせよ危險きけんありて、ふねおそふのてうなりと言傳いひつたへて、船頭せんどういたこれめり。其日そのひ加能丸かのうまる偶然ぐうぜんにん旅僧たびそうせたり。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
すくひ呉同道致し同人宅まで立歸りし處只今節より申上し通り阿部川村のてうと申者のむすめ節が居合をりあはせ藤八は同人叔父をぢなる由うけたまはり候處其翌日藤八申には水呑村まで送り度はぞんずれどもよんどころなき用事あるにより用心のため所持しよぢの金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
すなはひといへとは、さかえるので、かゝ景色けしきおもかげがなくならうとする、末路まつろしめして、滅亡めつばうてうあらはすので、せんずるに、へびすゝんでころもぎ、せみさかえてからてる、ひといへとが、みな光榮くわうえいあり
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)