偉大いだい)” の例文
ながあいだ自然しぜん栄枯盛衰えいこせいすいてきた、偉大いだいははである太陽たいようは、まちけて焦土しょうどとなったそのから、した見下みおろして、こういいました。
春はよみがえる (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、毎晩あんなに美しい話を聞かせてくれたり、すばらしい絵を見せてくれたりした、偉大いだいな友だちのことに思いおよびました。
「そうだ、ぼくらは偉大いだいな首領をいただいて幸福だ、ぼくはいまドノバン君を大統領に推薦すいせんしたいと思う」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
またいくども、ひろい試合場しあいじょう砂地すなじや、自分たちの顔に、その偉大いだい怪影かいえい太陽たいようをかすめるごとに、とおりのようなかげを投げていたのも、まったく知らずにいた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この言葉にもかかわらず孔子の偉大いだいな完成はその先天的な素質の非凡ひぼんさにるものだといい、宰予は、いや、後天的な自己完成への努力の方があずかって大きいのだと言う。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
こゝろみに世界せかいおいある活火山かつかざんげてみるならば、南米なんべいエクワドルこくおけるコトパクシ(たか五千九百四十三米ごせんくひやくしじゆうさんめーとる)は、圓錐形えんすいけい偉大いだいやまであるが、噴火ふんか勢力せいりよくまた偉大いだい
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
いつかはまた、きっとあの偉大いだいな体を乗出して、何事かをやらかさずにはおくまいが、ここではしばらくおあずかりしておいて、春木、牛丸の二少年のほうから話をすすめていこう。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
もう歌うたいの中でいちばんえらい者でいることができなくなると、かれは自分の偉大いだいな名声に相応そうおうしない下等な劇場に出て、歌を歌って、だんだん評判ひょうばんをうすくすることをしませんでした。
偉大いだいなめぐみ深い神様、私どもにあわれみをれさせたまえ」
げに偉大いだいなるものは人の力ではありませんか。
ジェンナー伝 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
偉大いだい不滅ふめつをまさに
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ひとり自然しぜんうつくしいばかりでなかった。こうして、かんがえ、よろこび、希望きぼうをもつ、人間にんげんがまた偉大いだいであり、とうと存在そんざいであるのをりました。
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ドノバンは幼年者からボートを取ろうという、きみは幼年者のためにいちばんむずかしい役をひきうけようという、ぼくははじめて日本少年の偉大いだいさを知ったよ」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
クロさえ蛾次郎の手からとり返せば、のろしをあげるまでもなく、あの偉大いだいなつばさで一はたきで、寒松院かんしょういん並木なみきにいる味方みかたへ、このようすをお知らせにも飛んでいける。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ヴェスヴィオは西暦せいれき七十九年しちじゆうくねん大噴火前だいふんかぜんまでは、このソムマの外側そとがはのばしたほどの一箇いつこ偉大いだい圓錐状えんすいじよう火山かざんであつたのが、あのをりの大噴火だいふんかのために東南側とうなんがは大半たいはんばし
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
もしもすらりとした美しい姿をしていたなら、この男はどのような舞台ぶたいに立っても一流の悲劇役者になっていたことでしょう。英雄的えいゆうてきなもの、偉大いだいなものが、この男のたましいにはみちみちていたのでした。
とまわりを飛びはなれたが、偉大いだいなる猛禽もうきんのつばさが、たッたひと打ち、風をあおるとともに、笑止しょうし笑止しょうし、まるで豆人形まめにんぎょうでもフリまいたように、そこらの草へころがった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ああ、はるがきた。」といって、二人ふたり自然しぜん偉大いだいなるちからしんぜずに、いられませんでした。
春はよみがえる (新字新仮名) / 小川未明(著)
なるほど、たくさんなほしかずだ。おおきいのもちいさいのもある。おおきなのは、それほどのとくっている偉大いだい人間にんげんにちがいなかろう。帝王ていおうであるちんは、あのうちのもっともおおきなほしがそれであろう。
北海の白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)