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ふりがな文庫
“
仕着
(
しきせ
)” の例文
強飯
(
こわめし
)
を云附けて遣り、箱屋や何かにも目立たんように
仕着
(
しきせ
)
は出しませんけれども、相応の祝儀を遣りまして、美代吉を引取ってまいる。
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
よく
召使
(
めしつかい
)
の
仕着
(
しきせ
)
に、じぶんの
着料
(
きりょう
)
よりもじょうとうな布をもちいるものがありますが、わたくしもじぶんの影を人間にしたててあるのです。
影
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
あわてて、伝馬牢のお
仕着
(
しきせ
)
に着かえ直した彼は、赤合羽を貰って、頭からかぶると、裏口から夜明けの町へ駈け出した。
雲霧閻魔帳
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
気の強い蔦芳は、いきなり足で其の男を
蹴
(
け
)
っておいて二階へあがり、
俳優
(
やくしゃ
)
のお
仕着
(
しきせ
)
の浴衣を
執
(
と
)
って来たが、おりる時にはもう其の男は見えなかった。
幽霊の衣裳
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
だが患者たちはそれを好まない、床板に薄縁という部屋の造りと共に、どうしても牢屋の
仕着
(
しきせ
)
のような感じがする、という不平が絶えないそうであった。
赤ひげ診療譚:01 狂女の話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
銘酒屋は、十九年の裏
田圃
(
たんぼ
)
(六区)が、赤い
仕着
(
しきせ
)
の懲役人を使用して埋め立てられてから出来た、新商売だった。
田沢稲船
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
選
(
えら
)
び突出しの
仕着
(
しきせ
)
より茶屋々々の
暖簾
(
のれん
)
に至る迄も花々敷吉原中
大評判
(
おほひやうばん
)
故
(
ゆゑ
)
突出
(
つきだ
)
しの日より
晝夜
(
ちうや
)
の
客
(
きやく
)
絶
(
たえ
)
る間なく如何なる老人
醜
(
みにく
)
き男にても
麁末
(
そまつ
)
に扱はざれば人々皆
先
(
さき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
俺は門番にして貰ったり、
仕着
(
しきせ
)
をして貰ったり、そんなようなことをして
貰
(
もれ
)
えてえ、って言うつもりじゃねえんだぜ。そんなこたぁ俺の目当じゃねえんだよ、ジム。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
お婆さんはそのお
仕着
(
しきせ
)
のお神酒がまはると、好い機嫌になつて唄など口吟みながら、笑つたり泣いたりして嬉しがるのであつたが、何うかすると
姑風
(
しうとかぜ
)
を吹かしなどして
余震の一夜
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
目鼻立
(
めはなだち
)
の
愛
(
あい
)
くるしい、
罪
(
つみ
)
の
無
(
な
)
い
丸顏
(
まるがほ
)
、
五分刈
(
ごぶがり
)
に
向顱卷
(
むかうはちまき
)
、
三尺帶
(
さんじやくおび
)
を
前
(
まへ
)
で
結
(
むす
)
んで、
南
(
なん
)
の
字
(
じ
)
を
大
(
おほき
)
く
染拔
(
そめぬ
)
いた
半被
(
はつぴ
)
を
着
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
る、これは
此處
(
こゝ
)
の
大家
(
たいけ
)
の
仕着
(
しきせ
)
で、
挽
(
ひ
)
いてる
樟
(
くすのき
)
も
其
(
そ
)
の
持分
(
もちぶん
)
。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「コ、こんな浴衣は二十が三十でも俺んところにはお
仕着
(
しきせ
)
同様転がってらあ。なあ、なあお絲」
円朝花火
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
仕着
(
しきせ
)
をつけた馬上の從僕に附添はれて、彼女は、入口まで小馬を驅け込ませるのが常であつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
歩道の盡きるところに、眞面目くさつた顏の老僕が
仕着
(
しきせ
)
を着て、少年たちの迎ひに出てゐた。
駅伝馬車
(旧字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
小僧達も新しい
仕着
(
しきせ
)
に着更えて、晴々しい顔付をして、
提灯
(
ちょうちん
)
のかげを出たり入ったりした。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
下職への
仕着
(
しきせ
)
も紋無しの
浅黄
(
あさぎ
)
にするといまからでも間に合いますから、お金の事など心配せず、まあ、わしたちに
委
(
まか
)
せて、大船に乗った気で一つ思い切り派手に年越しをするんだね。
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「ふ、ふ、ふ、お前には
綿銘仙
(
めんめいせん
)
の羽織か、
双子
(
ふたご
)
の綿入あたりが相当しているよ、どこのおたんちんが、こんなゾロリとしたお
仕着
(
しきせ
)
を、ほかならぬ金公にかぶせてやる奴があるものか」
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
お
仕着
(
しきせ
)
の軍服をきて、手に小さい包みを持った少年が婦人のお供について行った。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
黒と銀の簡素な
仕着
(
しきせ
)
を着た召使が一人、うしろの座席を飾っている。
道化者
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
「大名の話の續きだが、——夏冬の
仕着
(
しきせ
)
にも不自由はなく」
銭形平次捕物控:077 八五郎の恋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「春着でも
仕着
(
しきせ
)
でもこしらえてやるがいいじゃあねえか」
半七捕物帳:11 朝顔屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
浅黄
(
あさぎ
)
ぼけのお
仕着
(
しきせ
)
、青白い額を
蔽
(
おお
)
う
五分月代
(
ごぶさかやき
)
、彼は、自分の肩や胸の薄ぺッたさを感じながら、砂利を見つめた。
雲霧閻魔帳
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「病人たちの不平は知っている」
新出去定
(
にいできょじょう
)
は歩きながら云った、「病室が板敷で、
茣蓙
(
ござ
)
の上に夜具をのべて寝ること、
仕着
(
しきせ
)
が同じで、帯をしめず、
付紐
(
つけひも
)
を結ぶことなど、 ...
赤ひげ診療譚:05 徒労に賭ける
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
目鼻立
(
めはなだち
)
の愛くるしい、罪の無い丸顔、
五分刈
(
ごぶがり
)
に
向顱巻
(
むこうはちまき
)
、
三尺帯
(
さんじゃくおび
)
を前で結んで、
南
(
なん
)
の字を
大
(
おお
)
く
染抜
(
そめぬ
)
いた
半被
(
はっぴ
)
を着て居る、これは
此処
(
ここ
)
の
大家
(
たいけ
)
の
仕着
(
しきせ
)
で、挽いてる樟もその
持分
(
もちぶん
)
。
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お客へは出ないという書附を伊之助と取合った仲でございます事がぱッと致しますと、
芸妓
(
げいしゃ
)
幇間
(
たいこ
)
に
仕着
(
しきせ
)
も出さなければならず、
総羽織
(
そうばおり
)
を出すと云うので、
廓
(
さと
)
の金には詰るが習い
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
年に二度や三度はお
仕着
(
しきせ
)
もやらなけりゃならず、それからまた時たまは、芝居
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
みんな水玉模様の
仕着
(
しきせ
)
でなく、縞かめくら縞のふだん着で、あぐらをかいたり
片膝
(
かたひざ
)
立てをしたりして、湯呑で冷や酒を飲みながら、茣蓙の上の花札に眼を凝らしていた。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
儲かったら釜の祝いと云って
仕着
(
しきせ
)
をお出しなさいな、羽織の紋や何かに釜はいけませんな可笑しい、
釜屋堀
(
かまやぼり
)
*の
六右衞門
(
ろくうえもん
)
さんの
家
(
うち
)
の
仕着
(
しきせ
)
見たようですが、
浴衣
(
ゆかた
)
を染めて釜の模様……これも困りますが
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
帯を解く、お
仕着
(
しきせ
)
を脱ぐ。
雲霧閻魔帳
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この大あらしで向う
河岸
(
がし
)
には警護の人数が出ているだろう、そこへみんなでぞろぞろいってみろ、この
仕着
(
しきせ
)
の水玉模様を見ただけで、寄場人足の島ぬけだとみられるだろう、そうは思わねえか
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
それで夏冬の
仕着
(
しきせ
)
を
雇主
(
やといぬし
)
より与える物でございます。
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
仕
常用漢字
小3
部首:⼈
5画
着
常用漢字
小3
部首:⽬
12画
“仕”で始まる語句
仕
仕業
仕事
仕舞
仕度
仕方
仕合
仕出来
仕掛
仕様