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げせわ
ふりがな文庫
“
下世話
(
げせわ
)” の例文
あるいは機先を制して、むこうから
逆寄
(
さかよ
)
せに押しかけて来るかもしれない。
下世話
(
げせわ
)
のことわざにもある通り、
急
(
せ
)
いては事を仕損ずる。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
けれど、
下世話
(
げせわ
)
に通じている紺足袋の若様とはいえ、先は尾張中将の御末子、正面から行ったところで番士が会わせるはずがない。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「戸部氏のご立腹、ごもっともでござる。
下世話
(
げせわ
)
にも、とかく
女子
(
おなご
)
にもてる男には嫌なやつが多いと申す、ぷッ!
高慢面
(
こうまんづら
)
、
鼻持
(
はなも
)
ちならぬわ」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
富は富者に集まると
下世話
(
げせわ
)
に言われている。力は強者に集まるものである。クリストフはオリヴィエの思想で自分を養った。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
又聞
(
またぎ
)
きにしたくらいの人の秘密をおもしろ半分に振り回し、
下世話
(
げせわ
)
にいう
肘鉄
(
ひじてつ
)
を食わせたはしたない女の話なぞに興がって
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
而
(
しか
)
して
凡
(
すべ
)
て此の世界の飽くまで
下世話
(
げせわ
)
なる感情と生活とは又この世界を構成する格子戸、
溝板
(
どぶいた
)
、物干台、木戸口、忍返なぞ云ふ
道具立
(
だうぐだて
)
と一致してゐる。
路地
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
下世話
(
げせわ
)
に、犬は貰われる時お子様方はお幾たりと尋ねるが猫は
孩児
(
がき
)
は何匹だと
訊
(
き
)
くという通りに、猫は犬と違って児供に
弄
(
いじ
)
られるのを
煩
(
うる
)
さがるものだが
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
下世話
(
げせわ
)
に謂う探偵、世に是ほど
忌
(
いま
)
わしき職務は無く又之れほど立派なる職務は無し、忌わしき所を言えば我身の
鬼々
(
おに/\
)
しき心を隠し友達顔を作りて人に交り
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
いつも
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
りの
玄竹
(
げんちく
)
が
來
(
く
)
ると、
但馬守
(
たじまのかみ
)
は
大抵
(
たいてい
)
差
(
さ
)
し
向
(
むか
)
ひで
話
(
はなし
)
をして
障子
(
しやうじ
)
には、
大
(
おほ
)
きな、『××の
金槌
(
かなづち
)
』と
下世話
(
げせわ
)
に
惡評
(
あくひやう
)
される
武士髷
(
ぶしまげ
)
と、
固
(
かた
)
い
頭
(
あたま
)
とが
映
(
うつ
)
るだけで
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
音信
(
おとづれ
)
して、
恩人
(
おんじん
)
に
禮
(
れい
)
をいたすのに
仔細
(
しさい
)
はない
筈
(
はず
)
。
雖然
(
けれども
)
、
下世話
(
げせわ
)
にさへ
言
(
い
)
ひます。
慈悲
(
じひ
)
すれば、
何
(
なん
)
とかする。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
そもそも愚老の
易断
(
えきだん
)
は、
下世話
(
げせわ
)
に申す当るも
八卦
(
はっけ
)
当らぬも八卦の看板通り、世間の八卦見のようにきっと当ると保証も致さぬ代り、きっと
外
(
はず
)
れると
請合
(
うけあ
)
いも致さぬ。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「でも、この
辺
(
あたり
)
の
下世話
(
げせわ
)
に、
上布
(
シイツ
)
は自分のためには七日目に、お友達にはその日その日にと言ひますから、王様には一時間ごとに取替へなくつちやと存じまして。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
しかしわたしは、すっかりもう幸福感に酔いしれていたので、誰が冷笑しようが誰が白い眼でにらもうが、
下世話
(
げせわ
)
に言うとおり、どこ
吹
(
ふ
)
く風で、一文の価値も認めなかった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
...
下世話
(
げせわ
)
にも鼻より団子と申しますれば美的価値から申しますとまず迷亭くらいのところが適当かと存じます」寒月と主人は「フフフフ」と笑い出す。迷亭自身も愉快そうに笑う。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その訳は——
下世話
(
げせわ
)
にいう、
氏
(
うじ
)
より育ち、二十を越すまで、
素性
(
すじょう
)
卑しく育った者を、この城中へ入れることは、いろいろと
弊
(
へい
)
がある。二つには、この周囲には、浪人者の
不逞
(
ふてい
)
な
徒輩
(
とはい
)
がいるらしい。
大岡越前の独立
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
「
下世話
(
げせわ
)
にいう
瓜
(
うり
)
二つ」
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
田楽屋へはいッて、あのようなものという注文は、かなり
下世話
(
げせわ
)
に通じているようでも、やはり大身の若殿らしい。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかして
凡
(
すべ
)
てこの世界のあくまで
下世話
(
げせわ
)
なる感情と生活とはまたこの世界を構成する
格子戸
(
こうしど
)
、
溝板
(
どぶいた
)
、
物干台
(
ものほしだい
)
、
木戸口
(
きどぐち
)
、
忍返
(
しのびがえし
)
なぞいう
道具立
(
どうぐだて
)
と一致している。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
下世話
(
げせわ
)
にもよく言ふことであるが、一切をさゝげて惜まないほどの人間の情熱にすら、それを根から覆さずには置かないやうな破壞と、矛盾と、悲哀と、不安との伴つて來ることを
桃の雫
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「ははははは、この刻限にこの道、これはいかさま野暮なことをおきき申した。雨の夜の
北廓
(
ほっかく
)
もまれには妙でござろう。
下世話
(
げせわ
)
にも気散じとか申してな、武骨ながら拙者もお供つかまつろう」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
下世話
(
げせわ
)
にいう「無い子に知恵をつけた」その責任は自分にもある。
小坂部姫
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「いや、くわしいことはいっこうに存じませぬが、その、あの、
下世話
(
げせわ
)
に申す若気のあやまち——とでもいうようなところならば、はっはっは、私が栄三郎殿になりかわってこの通りお詫びつかまつるゆえ、一つこのたびだけはごかんべんのうえ——」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
世
常用漢字
小3
部首:⼀
5画
話
常用漢字
小2
部首:⾔
13画
“下”で始まる語句
下
下手
下駄
下手人
下谷
下婢
下総
下司
下野
下僕