“でんき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
電燈26.0%
電気22.0%
電氣16.0%
伝奇6.0%
伝記6.0%
傳記4.0%
田忌4.0%
電灯4.0%
電気燈4.0%
電気灯2.0%
電流2.0%
電氣燈2.0%
電燭2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
表二階の次の六畳、階子段はしごだんあがり口、余り高くない天井で、電燈でんきひねってフッと消すと……居合わす十二三人が、皆影法師。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのとき中内工学士なかうちこうがくし顔色かおいろがかすかに動搖どうようしたのを、警部けいぶはすばやくがついていた。それらの電気でんきメッキでは、青酸加里せいさんかり溶液ようえき使用しようされる。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
行火あんかかはりにまでももちひられるようになり、今日こんにちでは人間にんげん生活上せいかつじよう電氣でんき寸時すんじくことの出來できない必要ひつようなものとなりました。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
もと 虞初ぐしょりす〕といふに始り院本の名はきんに始まる事陶九成とうきゅうせいが『輟耕録てっこうろく』に「唐有伝奇。宋有戯曲渾詞説。金有院本雑劇其実一也。」〔とう伝奇でんきり。
小説作法 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
ところが、ぼくがたずねていって、伝記でんきった佐倉宗吾さくらそうごあるいたみちを、もし自分じぶんおな境遇きょうぐうかれたら、やはりそのみちあるいたかもしれぬ。そうすれば、おなじような悲惨ひさんなめにあったであろう。
世の中のために (新字新仮名) / 小川未明(著)
かういふ傳記でんき一部いちぶつて諸平もろひらうたむと、まことおもふかいところがかんじられます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
十歳の時『史記』の講義を聴くに田忌でんき千金を賭け逐射した時孫子忌に教えてその下駟かしと敵の上駟とあわさしめ無論一度負ける、次にその上駟とかの中駟と
されば午後の縁先なぞに向ひ合つて話をする若い女の白い顔が電灯でんきの光に舞ふ舞姫バレヱのやうに染め出される事がある。
花より雨に (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
夜見た処は女の横顔プロフイルの様に月光と電気灯でんきとで美くしく、昼間一瞥し去つた所は汚ない芥蘚病ひぜんやみの乞食の背部せなかを見るやうで醜かつたにせよ
新橋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
夜だつたから猶更東京近しとの暗示が何となく神秘に聞えて、街から街へ殖えてゆく電気灯でんきの色までが、一刻一刻に少年のみづみづしい心を腐蝕してゆく中毒症の斑点の様に美くしく見えた。
新橋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
外の雑音の方が高いのですから……電流でんきが来ているなんて云ったのは嘘の皮です。寝台の下には誰も居りません。御心配なら僕の椅子を取り換えて上げましょう。御覧なさい。
焦点を合せる (新字新仮名) / 夢野久作(著)
先刻さっきからくどく説明しているじゃないか。あの垂直の鉄梯子を降りたら運の尽きだと……ハハハ。解ったかい。わかったらモウ一度腰をおろし給え。大丈夫だよ。まだ電流でんきは来ていない。
焦点を合せる (新字新仮名) / 夢野久作(著)
折々おり/\、西洋奇術の貼札はりふだが紅いへらへら踊の怪しい景氣をつけるほかには、よし今のやうに、アセチリン瓦斯をけ、新たに電氣燈でんきをひいて見たところで、格別
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
退すさって耳をおさえた。わきあけも、襟も、乱るる姿は、電燭でんきの霜に、冬牡丹ふゆぼたんの葉ながらくずるるようであった。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)