電気灯でんき)” の例文
旧字:電氣燈
夜見た処は女の横顔プロフイルの様に月光と電気灯でんきとで美くしく、昼間一瞥し去つた所は汚ない芥蘚病ひぜんやみの乞食の背部せなかを見るやうで醜かつたにせよ
新橋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
夜だつたから猶更東京近しとの暗示が何となく神秘に聞えて、街から街へ殖えてゆく電気灯でんきの色までが、一刻一刻に少年のみづみづしい心を腐蝕してゆく中毒症の斑点の様に美くしく見えた。
新橋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)