伝奇でんき)” の例文
旧字:傳奇
夜泣きの刀のいわれは、脇差坤竜丸と所をべつにすれば……かならず丑満うしみつのころあいに迷雲、地中の竜を慕ってすすりくとの伝奇でんきである。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
もと 虞初ぐしょりす〕といふに始り院本の名はきんに始まる事陶九成とうきゅうせいが『輟耕録てっこうろく』に「唐有伝奇。宋有戯曲渾詞説。金有院本雑劇其実一也。」〔とう伝奇でんきり。
小説作法 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
この書は、過去の伝奇でんきと歴史とを、わたくしの夢のまま書いたものだが、過去にも、今と比較して、考えていいところは多分たぶんにある。悪いところは反省し、よいところは知るべきだと思う。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)