食堂しよくだう)” の例文
わたくし夕食後ゆふしよくごいつものやうに食堂しよくだう上部じやうぶ美麗びれいなる談話室だんわしつでゝ、春枝夫人はるえふじん面會めんくわいし、日出雄少年ひでをせうねんには甲比丹カピテンクツクの冐瞼旅行譚ぼうけんりよかうだんや、加藤清正かとうきよまさ武勇傳ぶゆうでん
ひろはれてまゐつてから三ねんほどちましたとき食堂しよくだう上座じやうざざうかうげたり、燈明とうみやうげたり、そのほかそなへものをさせたりいたしましたさうでございます。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
もやゝけて、食堂しよくだうの、しろ伽藍がらんとしたあたり、ぐら/\とれるのが、天井てんじやうねずみさわぐやうである。……矢張やつぱたびはものさびしい、さけめいさへ、孝子正宗かうしまさむね
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
全くわるくないね。間数まかずはと? ぼく書斎しよさいけん用の客に君の居間ゐま食堂しよくだうに四でふ半ぐらゐの子ども部屋べやが一つ、それでたく山だが、もう一つ分な部屋へやが二かいにでもあれば申分なしだね。
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
いづれも渋々しぶ/\食堂しよくだうりて、れいつてうまくもなんともない晩餐ばんさん卓子テーブルく。食事しよくじがすんでまた甲板かんぱんると、すでにとツぷりとれて、やツとのことでふね桟橋さんばしよこづけになつたらしい。
検疫と荷物検査 (新字旧仮名) / 杉村楚人冠(著)
喜多きた食堂しよくだう飮酒のみく。……あのてつぼうにつかまつて、ぶるツとしながら繋目つなぎめいた踏越ふみこすのは、長屋ながや露地ろぢ溝板どぶいた地震ぢしんおもむきあり。あめ小留をやみにる。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)