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願
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ぐわん
ふりがな文庫
“
願
(
ぐわん
)” の例文
これが、それ……お湯殿で御殺害なされた時に、木太刀でも一本あればと
切歯
(
はぎしり
)
して仰しやつた……。そのため、木太刀をさし上げて、
願
(
ぐわん
)
を
知多の野間で
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
殊に最後の一篇は嫉妬の
鬼
(
おに
)
にならんと欲せる女、「こは
有
(
あり
)
がたきおつげかな。わが
願
(
ぐわん
)
成就
(
じやうじゆ
)
とよろこび、其まま川へとび入りける」
案頭の書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
これで見ると、女には正直者が多いが、男には仏様の前でもペテンを
行
(
や
)
り兼ねない
手合
(
てあひ
)
が少くないといふ事になる。
願
(
ぐわん
)
を掛けて願が叶ふ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
孫の生れるのを待ち設けて、お
願
(
ぐわん
)
掛けをしてゐる母親の心根をいぢらしく思ふほど、彼れは自分の肉體の欲望の人並でないのを知つて居た。
仮面
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
太郎樣
(
たらうさま
)
への
朝參
(
あさまゐ
)
りは
母
(
かゝ
)
さんが
代理
(
だいり
)
してやれば
御免
(
ごめん
)
こふむれとありしに、いゑ/\
姉
(
ねえ
)
さんの
繁昌
(
はんじよう
)
するやうにと
私
(
わたし
)
が
願
(
ぐわん
)
をかけたのなれば、
參
(
まゐ
)
らねば
氣
(
き
)
が
濟
(
す
)
まぬ
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
父は痰を病んでから、いつのまにか何かの神に
願
(
ぐわん
)
を掛けて好きなものを断つことを
盟
(
ちか
)
つた。ただ、酒も飲まず
煙草
(
たばこ
)
も吸はぬ父は、つひに
納豆
(
なつとう
)
を食ふことを
罷
(
や
)
めた。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
或年
(
あるとし
)
の住僧此塔の出たる時天を拝していのる、我
法華
(
ほつけ
)
千部
読経
(
どくきやう
)
の
願
(
ぐわん
)
あり、今一年にして
満
(
みて
)
り、何とぞ命を今一年
延
(
のば
)
し玉へと念じて、かの塔を川中の
淵
(
ふち
)
に
投
(
なげ
)
こみたり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
この
願
(
ぐわん
)
かならず叶ふやうと、百日のあひだ人にも知らさず、窟へ日參いたせしに、女夫の桂のしるしありて、ゆくへも知れぬ川水も、嬉しき逢瀬にながれ合ひ、今月今宵おん側近う
修禅寺物語
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
おたあちやんは、次の日から、湖の岸の
水神様
(
すゐじんさま
)
のお宮へお
願
(
ぐわん
)
をかけました。
虹の橋
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
明州
(
みんしう
)
の
人
(
ひと
)
、
柳氏
(
りうし
)
、
女
(
ぢよ
)
あり。
優艷
(
いうえん
)
にして
閑麗
(
かんれい
)
なり。
其
(
そ
)
の
女
(
ぢよ
)
、
年
(
とし
)
はじめて十六。フト
病
(
やまひ
)
を
患
(
うれ
)
ひ、
關帝
(
くわんてい
)
の
祠
(
ほこら
)
に
祷
(
いの
)
りて
日
(
ひ
)
あらずして
癒
(
い
)
ゆることを
得
(
え
)
たり。よつて
錦繍
(
きんしう
)
の
幡
(
はた
)
を
造
(
つく
)
り、
更
(
さら
)
に
詣
(
まう
)
でて
願
(
ぐわん
)
ほどきをなす。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
また
古
(
いにしへ
)
の
六部等
(
ろくぶら
)
が
後世
(
ごせ
)
安樂
(
あんらく
)
の
願
(
ぐわん
)
かけて
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
今日初めて夏目さんにお目に懸りました。どんなお方か、一度お会ひ申したいと思つてゐた
願
(
ぐわん
)
が届いて、お給仕までする事が出来ました。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
或年
(
あるとし
)
の住僧此塔の出たる時天を拝していのる、我
法華
(
ほつけ
)
千部
読経
(
どくきやう
)
の
願
(
ぐわん
)
あり、今一年にして
満
(
みて
)
り、何とぞ命を今一年
延
(
のば
)
し玉へと念じて、かの塔を川中の
淵
(
ふち
)
に
投
(
なげ
)
こみたり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
お住はもう一度去年よりは一層
願
(
ぐわん
)
にかけたやうに壻をとる話を勧め出した。それは一つには親戚には叱られ、世間にはかげ口をきかれるのを苦に病んでゐたせゐもあるのだつた。
一塊の土
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
店が忙しいために、その願ひも
遂
(
と
)
げられずに幾日か経つたが、其間にも片時もそれを忘れることは出来なかつた。上さんは
願
(
ぐわん
)
をかけて仏にお礼参りを怠つてゐるやうなすまなさを感じた。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
わが「
願
(
ぐわん
)
」の
通夜
(
つや
)
を思へば。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
美人を生ませて下さいと、
願
(
ぐわん
)
を籠めたところで、神様は滅多に承引しては下さらないが、
醜女
(
すべた
)
を
孕
(
はら
)
ませて下さいと頼むと、大抵はお
引請
(
ひきうけ
)
になる。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
願
(
ぐわん
)
の泉はとめたるか。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
忠朝は生きてゐる
間
(
うち
)
は、鉄の棒を
揮
(
ふ
)
りまはす
外
(
ほか
)
には何の能も無かつた男に相違ないが、死んでからは面白い内職にありついてゐる。内職といふのは、禁酒の
願
(
ぐわん
)
を聞くといふ事なのだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
この
日
(
ひ
)
につなぐ
願
(
ぐわん
)
ならし。
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
この日につなぐ
願
(
ぐわん
)
ならし。
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
願
常用漢字
小4
部首:⾴
19画
“願”を含む語句
御願
願望
願掛
祈願
願書
願人
心願
立願
誓願
大願成就
大願
哀願
発願
嘆願
願人坊主
請願
念願
追願
願度
懇願
...