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れいげん
ふりがな文庫
“
霊験
(
れいげん
)” の例文
「えっ、お米様、じゃ万吉は、あの、無事でおりましたか……」お吉は、
観世音
(
かんぜおん
)
の
霊験
(
れいげん
)
にでも会ったように胸をおどらせて問いつめた。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
康頼 神を
疑
(
うたが
)
ってはいけません。
熊野権現
(
くまのごんげん
)
は
霊験
(
れいげん
)
あらたかな神でございます。これまでかけた
願
(
がん
)
の一つとして
成就
(
じょうじゅ
)
しなかったのはありません。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
当時の仏教は
霊験
(
れいげん
)
仏法や儀礼仏法が盛んであったが、然し心の底から生死の問題に就て
解脱
(
げだつ
)
を求める人も
尠
(
すくな
)
くなかった。
紫式部の美的情緒と浄土教
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
その午後、堀尾君は
容
(
かたち
)
を改めて、日本橋の○○紡績株式会社へ出頭した。専務取締への添書には
霊験
(
れいげん
)
灼
(
あらた
)
かなものがあって、直ぐに応接室へ通された。
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
元よりかような
霊験
(
れいげん
)
は不思議もない。そもそも天上皇帝とは、この
天地
(
あめつち
)
を造らせ給うた、
唯一不二
(
ゆいいつふじ
)
の
大御神
(
おおみかみ
)
じゃ。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
あるいは宮や寺の
宝物
(
ほうもつ
)
になっている古い
仮面
(
めん
)
をかり、
釣鐘
(
つりがね
)
をおろし、また路傍の
石地蔵
(
いしじぞう
)
のもっとも
霊験
(
れいげん
)
のあるというのを、
繩
(
なわ
)
でぐるぐる巻きにしたりして
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
魚沼郡の内
宇賀地
(
うがち
)
の
郷
(
きやう
)
堀
(
ほり
)
の内の
鎮守
(
ちんじゆ
)
宇賀地の
神社
(
じんじや
)
は本社八幡宮也、上古より立せ給ふとぞ。
縁起文
(
えんぎぶん
)
多
(
おほ
)
ければこゝに
省
(
はぶ
)
く。
霊験
(
れいげん
)
あらたなる事は
普
(
あまね
)
く世にしる処なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
とある。即ち皇后御病気
平癒
(
へいゆ
)
を願って
建立
(
こんりゅう
)
された寺であるが、
忽
(
たちま
)
ち
霊験
(
れいげん
)
あって皇后は御
恢復
(
かいふく
)
になった。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
狐の人を
化
(
ばか
)
す事、
伝通院
(
でんつういん
)
裏の
沢蔵稲荷
(
たくぞういなり
)
の
霊験
(
れいげん
)
なぞ、こまごまと話して聞かせるので、私は其頃よく人の云うこっくり様の占いなぞ思合せて、
半
(
なか
)
ばは田崎の
勇
(
ゆう
)
に
組
(
くみ
)
して
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
霊験
(
れいげん
)
いやちこであったと見え、たま、五郎、白、ゆき、なぞの年月や、失走時や、猫姿を白紙に書いて張りつけてあった。その近くに鼠小僧の隠れ家があったわけになる。
旧聞日本橋:08 木魚の顔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
村の
取附
(
とりつき
)
にある観音堂で、
霊験
(
れいげん
)
顕著
(
あらたか
)
というので信心を致しまする者があって
種々
(
いろ/\
)
の物を納めまするが、
堂守
(
どうもり
)
を置くと種々の悪い事をしていなくなり、村方のものも困って居る処で
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
峰の薬師は祈願を籠めると、
霊験
(
れいげん
)
のあらたかなので聞えた仏様で、大願成就の暁には、その祈願者の身につけた物のうちで、一番
大切
(
だいじ
)
な物を奉納しなければならぬと言伝へになつてゐる。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
近きベンチへ腰をかけて観音様を祈り奉る
俄信心
(
にわかしんじん
)
を起すも
霊験
(
れいげん
)
のある筈なしと顔をしかめながら
雷門
(
かみなりもん
)
を
出
(
い
)
づれば仁王の顔いつもよりは
苦
(
にが
)
し。
仲見世
(
なかみせ
)
の
雑鬧
(
ざっとう
)
は云わずもあるべし。
東橋
(
あずまばし
)
に
出
(
い
)
づ。
半日ある記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
文吉は宇平を尋ねて歩いた
序
(
ついで
)
に、ふと
玉造豊空稲荷
(
たまつくりほうくういなり
)
の
霊験
(
れいげん
)
の話を聞いた。どこの
誰
(
たれ
)
の親の病気が直ったとか、どこの誰は迷子の居所を知らせて貰ったとか、若い者共が評判し合っていたのである。
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「かしこの廟には一つの鐘があって、その
霊験
(
れいげん
)
あらたかである」
中国怪奇小説集:11 異聞総録・其他(宋)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
さながら
神薬
(
しんやく
)
と言っていい
霊験
(
れいげん
)
を
有
(
も
)
っているのだ。
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「はてな。おう、夢にして夢にあらずだ。これこそ、
霊験
(
れいげん
)
とか、また、よくいう夢想のお告げとかにちがいない。——すると自分の宿命は?」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
神が祈願の人に
霊験
(
れいげん
)
を示す為に、そうせられるのだといっております。(伝説
叢書
(
そうしょ
)
。長野県
小県
(
ちいさがた
)
郡殿城村)
日本の伝説
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
じゃによって一つは三宝の
霊験
(
れいげん
)
を示さんため、一つはその方の魔縁に
惹
(
ひ
)
かれて、
無間地獄
(
むげんじごく
)
に堕ちようず
衆生
(
しゅじょう
)
を救うてとらさんため、
老衲
(
ろうのう
)
自らその方と
法験
(
ほうげん
)
を較べに
罷
(
まか
)
り
出
(
いで
)
た。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
この日も
硝子罎
(
ガラスびん
)
の甘酒四、五十本ほども並べられしを見たり。
霊験
(
れいげん
)
のほど思ひ知るべし。
礫川徜徉記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
康頼 迎えの船の来たのは
熊野権現
(
くまのごんげん
)
の
霊験
(
れいげん
)
と思われる。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
毎年村々を舞いてあるく故、これを見知らぬ者なし。ゴンゲサマの
霊験
(
れいげん
)
はことに
火伏
(
ひぶせ
)
にあり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
養生の法とても、わが身かへつて医師にまさりて
明
(
あきらか
)
ならん。医のととのへ勧むる薬は元より
怠
(
おこた
)
り給ふな。さりながら古老の昔よりいひ伝ふるものには何事に限らず
霊験
(
れいげん
)
ある事あり。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
これだけは、雨乞い祭りの
霊験
(
れいげん
)
だった。ちょうど虫干し武具の修理に、住吉から来ていた柳斎という者が、先夜、
水分
(
みくまり
)
の社の下から救うて来たのだ。すんでのこと、六波羅者の手に捕まるところを
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
霊験
(
れいげん
)
あらたかな
熊野権現
(
くまのごんげん
)
の
利益
(
りやく
)
によって——
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
子安
(
こやす
)
は近世は主として
地蔵
(
じぞう
)
や
観世音
(
かんぜおん
)
の
霊験
(
れいげん
)
と結合しているが、そういう中でもなお古い頃の民族信仰の名残が見つけ出されるということは、四十年も前に一度書いてみたことがあり
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「なぜですか、
霊験
(
れいげん
)
をお示しあればいいでしょう」
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
霊
常用漢字
中学
部首:⾬
15画
験
常用漢字
小4
部首:⾺
18画
“霊験”で始まる語句
霊験記
霊験蹇仇討