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野幇間
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のだいこ
ふりがな文庫
“
野幇間
(
のだいこ
)” の例文
「ありや何だい、質屋の亭主だつていふが、
野幇間
(
のだいこ
)
だか、
俳諧師
(
はいかいし
)
だか解つたものぢやない。あんな
物識顏
(
ものしりがほ
)
をする野郎は俺は嫌ひさ」
銭形平次捕物控:024 平次女難
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これが、
丸持
(
まるもち
)
の
祕藏子
(
ひぞつこ
)
だと、
匙庵老
(
さじあんらう
)
が
脈
(
みやく
)
を
取
(
と
)
つて、
氣鬱
(
きうつ
)
の
症
(
しやう
)
でごわす、
些
(
ち
)
とお
氣晴
(
きばらし
)
を、と
來
(
き
)
て、
直
(
す
)
ぐに
野幇間
(
のだいこ
)
と
變化
(
ばけ
)
る
奴
(
やつ
)
。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そいつは
蹴毬
(
けまり
)
の達人で、名も
高毬
(
こうきゅう
)
といわれていた
野幇間
(
のだいこ
)
の遊び人。……どうでしょう母上、それが今日の禁林八十万軍の新大将
高俅
(
こうきゅう
)
だったのです
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
仲間のうちには、すべき「礼儀」をも「
野幇間
(
のだいこ
)
」と間違えてせず、そのため「無礼者」扱いにされて憎まれ、不遇でいる気の毒な連中が少くない。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
そうかといって、
野幇間
(
のだいこ
)
の仙公には
懲
(
こ
)
りている。
薬籠持
(
やくろうもち
)
の国公は
律義
(
りちぎ
)
なだけで気が
利
(
き
)
かず、子分のデモ倉あたりは、気が早くって腰が弱いからいけない。
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
「こいつは、いい、覚念坊というやつは、よっぽど洒落れた坊主だと見えるの。……とんだ
野幇間
(
のだいこ
)
だ」
顎十郎捕物帳:15 日高川
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
師匠に破門されて
廓
(
くるわ
)
にもいられず、今では
下谷
(
したや
)
で小さい骨董屋のようなことを始め、傍らには昔なじみのお客のところを廻って
野幇間
(
のだいこ
)
の真似もしているという男で
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
武士、町人、鳶ノ者、
折助
(
おりすけ
)
、
婢女
(
げじょ
)
、
田舎者
(
おのぼりさん
)
、職人から医者、
野幇間
(
のだいこ
)
、
芸者
(
はおり
)
、茶屋女、女房子供——あらゆる
社会
(
うきよ
)
の人々が、忙しそうに又
長閑
(
のどか
)
そうに、往くさ来るさしているではないか。
仇討姉妹笠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
其の頃
数寄屋町
(
すきやちょう
)
にいた
清元三八
(
きよもとさんぱち
)
という
幇間
(
たいこもち
)
でございますが、幇間にも
種々
(
いろ/\
)
有りまして、
野幇間
(
のだいこ
)
もあれば吉原の
大幇間
(
おおだいこ
)
もあります、町の
幇間
(
たいこ
)
でも
一寸
(
ちょっと
)
品の
宜
(
よ
)
いのもあれば、がら/\致して
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ありゃ何だい、質屋の亭主だっていうが、
野幇間
(
のだいこ
)
だか、俳諧師だか解ったものじゃない。あんな
物識
(
ものしり
)
顔をする野郎は俺は嫌いさ」
銭形平次捕物控:024 平次女難
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ええ、手前達の手を触る体じゃあないんだい、御亭主が着いてるよ、
野幇間
(
のだいこ
)
め、」と平手で横顔をぴたりと当てる。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
難なく扉があいて身を現わしたのは、例によって
野幇間
(
のだいこ
)
まがいのゾロリとしたおっちょこちょいの金公でゲス。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
では、
陸謙
(
りっけん
)
と一しょのにやけ男は、
富安
(
ふあん
)
という
野幇間
(
のだいこ
)
だろう。やつは、高家の御曹司の
腰巾着
(
こしぎんちゃく
)
といわれている
佞物
(
ねいぶつ
)
。だがその二人が
遥々
(
はるばる
)
、なにしにこの
滄州
(
そうしゅう
)
へやってきたのか
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なに、見張りというわけでもねえ。あんまりからだが
閑
(
ひま
)
だから、
野幇間
(
のだいこ
)
とおなじように、ここらへ出て来て岡釣りよ。そういう俺よりも、お光ちゃんこそ忙がしいからだで、ここらへ何しに出て来たのだ。おめえも色男の岡釣りかえ」
半七捕物帳:47 金の蝋燭
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
平次に注意されて、引返した八五郎は、間もなく泥醉した大坊主——
野幇間
(
のだいこ
)
の善吉を、ずつこけ相に引つ抱へて入つて來ました。
銭形平次捕物控:201 凉み船
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お許しが出たと見て、抜からぬ顔で障子を引開けて、ぬっと突き出した金公を見ると、どこで
工面
(
くめん
)
したか、ゾロリとしたなりをして、本物の
野幇間
(
のだいこ
)
になりきっている。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
万世橋向うの——町の
裏店
(
うらだな
)
に、もと洋服のさい取を
萎
(
なや
)
して、あざとい碁会所をやっていた——金六、ちゃら金という、
野幇間
(
のだいこ
)
のような
兀
(
はげ
)
のちょいちょい顔を出すのが、ご新姐、ご新姐という
木の子説法
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
野幇間
(
のだいこ
)
を稼業のようにしている
巴屋
(
ともえや
)
七平は、血のような赤酒を
注
(
つ
)
がせて、少し
光沢
(
つや
)
のよくなった
額
(
ひたい
)
を、ピタピタと叩くのです。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
国公を呼ぶにも国公様を以てする——門弟の道六に対しても、子分のデモ倉、プロ亀らに対しても、お出入りの馬鹿囃子に対しても、
野幇間
(
のだいこ
)
の仙公に対しても、その通り
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
其處
(
そこ
)
です。」と
野幇間
(
のだいこ
)
の
口拍子
(
くちびやうし
)
。
画の裡
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
野幇間
(
のだいこ
)
を家業のやうにして居る
巴屋
(
ともゑや
)
七平は、血のやうな赤酒を注がせて、少し
光澤
(
つや
)
のよくなつた
額
(
ひたひ
)
を、ピタピタと叩くのです。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
仙公という男は江戸から道庵先生がつれて来た、
野幇間
(
のだいこ
)
とまではいかない
代物
(
しろもの
)
であります。
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
野幇間
(
のだいこ
)
の奇月宗匠は、庭の上へ蛙のように叩きのめされた上、手頃の
石灯籠
(
いしどうろう
)
を首筋から背中に背負って、血へどを吐いて死んで居たのです。
銭形平次捕物控:245 春宵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
見ると、加島屋の主人は
下手
(
へた
)
な狂歌なんか作つて見たくなつたんですね、町内の
胡麻摺
(
ごます
)
りや
野幇間
(
のだいこ
)
を集めて急に雪見船を出すことになりました
銭形平次捕物控:161 酒屋忠僕
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
親父の佐七は名題の嘘吐きで、
野幇間
(
のだいこ
)
のような頼りない人間ですが、あの
娘
(
こ
)
は評判ものだから不思議じゃありませんか。
銭形平次捕物控:044 お民の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
小梅の寮へ駆けつけた平次は、何より先ず庭に入って、
野幇間
(
のだいこ
)
の奇月が死んだ場所へ、八五郎に案内させるのでした。
銭形平次捕物控:245 春宵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次はそう言いながらも、念のために町内の
野幇間
(
のだいこ
)
与作のところへ行って、その晩のことを詳しく話させてみました。
銭形平次捕物控:093 百物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それにお長屋の衆が五六人
野幇間
(
のだいこ
)
の善吉に、藝者が二人、船頭が二人、總計十四人といふ多勢で、三味と太鼓の大狂躁曲に、
四方
(
あたり
)
の船を
辟易
(
へきえき
)
させ乍ら
銭形平次捕物控:201 凉み船
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
町内の油虫、
野幇間
(
のだいこ
)
のような事をしている赤頭巾の
与作
(
よさく
)
が、こんな調子に煽動したのは、六月の末でした。
銭形平次捕物控:093 百物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
野幇間
(
のだいこ
)
を稼業のようにしているくせに近頃は大変な景気だ。ことに清五郎なんか、地所を買ったり、家を建てたり、おりんの身請けをするという話もありますよ」
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
野幇間
(
のだいこ
)
を家業のやうにして居るくせに近頃は大變な景氣だ。ことに清五郎なんか、地所を買つたり、家を建てたり、おりんの身請けをするといふ話もありますよ」
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
野幇間
(
のだいこ
)
のノラクラ
俳諧師
(
はいかいし
)
と、金だけはフンダンに持つて居る、日當りの惡い若旦那と、
怖
(
こ
)
は持てゞ女を口説かうと言ふ、量見違ひの浪人者とそんなのが音頭取りで」
銭形平次捕物控:280 華魁崩れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
出雲屋の主人の弟岩三郎の死も、
野幇間
(
のだいこ
)
奇月の死も、明らかに人手にかかったものですが、その下手人となると、ハタと行詰って、全く疑いをかける相手も無かったのです。
銭形平次捕物控:245 春宵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
船頭の三吉は、
稼業
(
しょうばい
)
柄にもなく、水に落ちて死んだというだけのことですが、
野幇間
(
のだいこ
)
の七平の死骸には、背中から
突
(
つ
)
いた傷が一つ、水に
晒
(
さら
)
されて、凄まじい口を開いております。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
船頭の三吉は、稼業柄にもなく、水に落ちて死んだといふだけのことですが、
野幇間
(
のだいこ
)
の七平の死骸には、
背中
(
せなか
)
から突いた傷が一つ、水に
晒
(
さら
)
されて、凄まじい口を開いて居ります。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
野幇間
(
のだいこ
)
のような千三つ屋が、とんだ良い娘を持っていることや、その娘が、同じ町内の千両分限、米屋では神田でも屈指と言われた、出羽屋伝右衛門の
倅
(
せがれ
)
伝次郎に
見初
(
みそ
)
められたとか
銭形平次捕物控:044 お民の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
下手な雑俳を
嗜
(
たしな
)
む
露
(
つゆ
)
の
家
(
や
)
正吉
(
しょうきち
)
という中老人、これは
野幇間
(
のだいこ
)
のような男ですが、筆蹟が良いので瓢々斎に調法がられ、方々の
献句
(
けんく
)
の代筆などをして、毎日のように入り
浸
(
びた
)
っておりました。
銭形平次捕物控:085 瓢箪供養
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
この狂躁曲の演出者は、
野幇間
(
のだいこ
)
の善吉で、藝者の
粂吉
(
くめきち
)
とお吉がその助手。それに女小間物屋のおけさ、その娘のお六、指物職人の勘太、その妹分のお榮など、いづれも申分のない藝達者でした。
銭形平次捕物控:201 凉み船
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それを取卷くのは味噌摺り
俳諧師
(
はいかいし
)
に、
野幇間
(
のだいこ
)
繪描き、貧乏御家人と言つた顏觸れで、そんな手合を呼び集め總勢二十三人、昨夜の
後
(
のち
)
の月、即ち九月十三夜の月見の宴を白鬚の寮に
催
(
もよほ
)
したのでした。
銭形平次捕物控:209 浮世絵の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
木之助といふ
野幇間
(
のだいこ
)
のやうな野郎が、昔の亭主だつたと言ひますが、これも一と身上をつぶした上、上方から追つかけて來て、今では、時々お妙の家を覗いて、お小遣にあり付いて居るやうだから
銭形平次捕物控:315 毒矢
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「死んだ主人の弟で、あの
野幇間
(
のだいこ
)
みたいな野郎ですよ」
銭形平次捕物控:110 十万両の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「死んだ主人の弟で、あの
野幇間
(
のだいこ
)
見たいな野郎ですよ」
銭形平次捕物控:110 十万両の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
野
常用漢字
小2
部首:⾥
11画
幇
漢検1級
部首:⼱
12画
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
“野”で始まる語句
野
野原
野暮
野分
野面
野郎
野良
野路
野菜
野茨