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かっかく
ふりがな文庫
“
赫々
(
かっかく
)” の例文
画に於ける仙崖、東圃、学に於ける南冥、益軒、業に於ける加藤司書、平野次郎、野村望東尼は尚
赫々
(
かっかく
)
たる光輝を今日に残している。
梅津只円翁伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
範宴の肉体に
赫々
(
かっかく
)
と燃えている火のような希望も頼もしく思いながらも、目前の当惑には、つい弱いが嘆息が出てしまうのであった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
勿論、
赫々
(
かっかく
)
たる太陽のもとに見たようなものもあるが、おもには夕日である。そしてこれはいわば物を光線の中で陰影とともに見るのである。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
何分にも
赫々
(
かっかく
)
たるドイツ軍の戦績とダンケルクの敗戦を
想起
(
そうき
)
し、一人の
応募者
(
おうぼしゃ
)
もありませんので、遂に金博士は腹を立て
独本土上陸作戦:――金博士シリーズ・3――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
光一は
赫々
(
かっかく
)
と燃え立つ怒りにかられながら血眼になって千三を探しまわった、かれは
大抵
(
たいてい
)
千三が散歩する道を知っていたので
調神社
(
つきのみやじんじゃ
)
の方へ走った。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
▼ もっと見る
赫々
(
かっかく
)
と照っていた日の光りが少し蔭ると、天地が
仄
(
ほんの
)
りと暗くなって、
何処
(
いずく
)
ともなく冷たい、
香
(
かん
)
ばしい風が吹いて来る。
稚子ヶ淵
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
かくて元親は、天正十一年五月、
赫々
(
かっかく
)
たる武勲に勇む将士をしたがえ、堂々と土佐の浦戸城へと
凱旋
(
がいせん
)
したのであった。
だんまり伝九
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
この老人は祖国の前においては偉大なるものである。彼は長き生と
赫々
(
かっかく
)
たる死とを得たのである。今やわれわれはその
死屍
(
しかばね
)
を保護しようではないか。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
相手は殿様を除いては土地随一の威権
赫々
(
かっかく
)
たる御家老では力のない僧侶の身には手も足も出るものではありません。
棚田裁判長の怪死
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
しかも盛夏の
赫々
(
かっかく
)
たる烈日のもとに、他の草花の
凋
(
しお
)
れ返っているのをよそに見て、悠然とその大きい花輪をひろげているのを眺めると、暑い暑いなどと弱ってはいられないような気がする。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
法王の威権
赫々
(
かっかく
)
たると同時にその兄の威光もまた大いに民間に顕われて居る。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
いずれも
赫々
(
かっかく
)
たる戦果をあげたことによって著名であるが、私はこの二将軍の勇壮なるアルプス越えに、ヘンリー四世の悲惨なるアルプス越えを加えて天下三大アルプス越えとしたいと考えている。
ローマ法王と外交
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
喬木
(
きょうぼく
)
風にあたる。何しろ、御勲功の
赫々
(
かっかく
)
たるほど、人の
嫉
(
や
)
っかみもしかたがあるまい。わけて特に、
君寵
(
くんちょう
)
義貞に厚しともあれば……」
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
滴
(
したた
)
るばかりの緑の野に金光
赫々
(
かっかく
)
として輝くファラオの武威は、各王の死後の住家である三角塔と、その功績を地表高く捧ぐる方光塔と、迷い入ったら最後
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「いや私は、録音器持参の放送局員です。博士から一言うかがえばよろしい。あの
赫々
(
かっかく
)
たる日本海軍のハワイ海戦と、それからあのマレイ沖海戦のことなんです」
不沈軍艦の見本:――金博士シリーズ・10――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
鳥の羽を飾った五彩
赫々
(
かっかく
)
たる宝石の
鏤
(
ちりば
)
められた王家の紋章が輝き、太子の服の
襟
(
えり
)
から
釦
(
ボタン
)
ことごとく、ただ
瓔珞
(
ようらく
)
のごとき宝玉で、
燦々
(
さんさん
)
として
帳
(
カーテン
)
を引いた部屋の中に
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
赫々
(
かっかく
)
たる
簒奪者
(
さんだつしゃ
)
の上に恐るべき歴史家を解き放すことを
躊躇
(
ちゅうちょ
)
し、シーザーをしてタキツスを免れしめ、天才に酌量すべき情状を与える、そこに天の審判の微妙な思いやりが存するのである。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
富岳の頂きに
赫々
(
かっかく
)
と朝日が燃えている。
おもかげ抄
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そのあいだには、羽柴軍や丹羽軍の
赫々
(
かっかく
)
たる戦功が両方面から聞えてくるのである。——光秀は、
膠着
(
こうちゃく
)
したままの自軍をながめて
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
うれしい
皇軍
(
こうぐん
)
の
赫々
(
かっかく
)
たる大戦果により、なんだかちかごろこの地球というものが急に狭くなって、鼻が
悶
(
つか
)
えるようでいけない。これは作者だけの感じではあるまい。
宇宙尖兵
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
したがって、父のアウレル帝時代に海外に輝した
赫々
(
かっかく
)
たる武勲を敬仰して、諸国よりの黄金の勝利品に心酔し切っていた元老院と、折り合いのうまく付こうはずはありませぬ。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「かいなきことを仰せられますな、それがし如き
菲才
(
ひさい
)
を捨てて、より良き賢士をお招きあれば、ご武運はさらに
赫々
(
かっかく
)
たるものです」
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おお、徐晃なるか。ご辺も近来
赫々
(
かっかく
)
と英名を成す。ひそかに関羽も慶賀しておる。さはいえ何故、わが子関平に、苛烈なるか。昔日の親密を
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とまで、諸人の
怨嗟
(
えんさ
)
は露骨であったが、
赫々
(
かっかく
)
たる時運に乗った寵臣の耳には、聞えもせず、聞えても、おそらく何の反省もなかったであろう。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
六波羅殿の息のかかった者は、みな
赫々
(
かっかく
)
と、栄進したりすばらしい変化を見せている時流の中で、ぽつねんと、妻と貧乏とを正直に持っていた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今、二つの
赫々
(
かっかく
)
たる希望に向って、金吾の汗は流れています。肩は熱風を裂いて、程なく伊兵衛と馬春堂の襟がみへその手が届かんとしています。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
またあなた様におかれても当年の大志は明らかに百世万民のために
赫々
(
かっかく
)
と燃えるような意気を確かにお持ちでした。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「大儀であった。
退
(
さが
)
って休息いたすがいい。——が、信州甲州にあるお味方は、みな
赫々
(
かっかく
)
と戦果をあげておるか」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
希望は
生命
(
いのち
)
の火のようなものだ。希望のうすれる時には人は老い、希望の
赫々
(
かっかく
)
とする時には人は若やいでくる。
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その裏には、彼の凄まじい精進が、
赫々
(
かっかく
)
と溶鉄の
炉
(
ろ
)
に燃え、骨を削り血を吐くような苦心と研究が潜んでいた。
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかも、秀次の
継
(
つ
)
いだ三好家は、室町以来の名門であり、父母の家は、月と共に栄え、叔父の秀吉は、日と共に、天下に
赫々
(
かっかく
)
たる
覇力
(
はりょく
)
と名声を揚げてゆく。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
時勢は、源
頼朝
(
よりとも
)
の
赫々
(
かっかく
)
たる偉業を迎えながら、一方には、その成功者以上の敗亡者を社会から追いだしていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
凌統はことしまだ二十一の若年ながら、父に従って江夏へおもむいた初陣以来、その勇名は
赫々
(
かっかく
)
たるものがある。その
為人
(
ひととなり
)
を、孫権も
愛
(
め
)
で惜しむのであった。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また、数正の軍功といったら、この三河
生
(
は
)
えぬきの勇猛はずいぶんあるが、かれに
比肩
(
ひけん
)
し得る者はない。その点でも、
赫々
(
かっかく
)
たる武勲第一の
棟梁
(
とうりょう
)
といってよい。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
呉に年々の
貢
(
みつ
)
ぎ物をちかわせて来たことは、遠征魏軍にとって、何はともあれ、
赫々
(
かっかく
)
たる大戦果といえる。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たとい一敗を外にうけても、敗れを忘れて、より強く結束した蜀国家には、なお
赫々
(
かっかく
)
たる生命があった。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今こそこの
赫々
(
かっかく
)
とした
焔
(
ほのお
)
の下に、死に
瀕
(
ひん
)
した法月弦之丞の姿を見るのだ——といううなずき合いの眼、
拈華微笑
(
ねんげみしょう
)
だ。三位卿もただちょっと
顎
(
あご
)
を下へ動かしたばかり
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大きな時代の
変革
(
へんかく
)
は、いまや西に秀吉、東に家康と、この両巨人をもって、時の
氏神
(
うじがみ
)
とあがめ、信長以前の老練家は、いくら、家格、
閲歴
(
えつれき
)
の
赫々
(
かっかく
)
たる実績があっても
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(わしほど幸福なものはない。父にめぐまれ、母にいつくしまれ、さらにこの国のうえに、
赫々
(
かっかく
)
の
天
(
あま
)
つ
日
(
ひ
)
つぎの
御子
(
みこ
)
をいただいておる。しかも土には四季の花を見て——)
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日の出のほうへ向って
黙然
(
もくねん
)
と突っ立っているのだ。海のような朝霧の上に、栗原山はまだ黒かった。そのうしろから
赫々
(
かっかく
)
と日輪の昇ろうとする彩雲がうごいているのである。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「先生にも、その後は、
赫々
(
かっかく
)
と洛陽にご武名の聞え高く、蔭ながらよろこんでおりました」
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なにか、
赫々
(
かっかく
)
とした目的でもあるような足だ。むしろ尋有のほうが遅れがちなのである。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その顔に、その眸に、
赫々
(
かっかく
)
と赤い篝火が燃える。彼女の心をそこで
焚
(
た
)
いているように。
篝火の女
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
はるかに新興織田勢力の
赫々
(
かっかく
)
たるものを眺め、中国の毛利にも飽き足らないものを覚えていたところへ、昨年、黒田官兵衛の
説破
(
せっぱ
)
に会って、断然、織田へ
款
(
かん
)
を通じたものであった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おまけに、
赫々
(
かっかく
)
と燃え上がっている焔の色が、彼の、死にもの狂いな
形相
(
ぎょうそう
)
にすごみを加えていますから、その姿だけでも二十や三十の捕手を
畏怖
(
いふ
)
して寄せつけないには充分でした。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
武将いでたちとなると、秀吉の
威風
(
いふう
)
、あたりをはらって、
日輪
(
にちりん
)
のごとき
赫々
(
かっかく
)
さがある。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たとえば足利将軍の
義昭
(
よしあき
)
が、好餌をもって誘っても、信長がしきりと招いても、豊臣氏が
赫々
(
かっかく
)
と覇威を四海にあまねくしても、その大坂、京都のつい鼻の先にいながら、この人物は
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すでに、兄の
瑾
(
きん
)
は呉に仕え、その呉主
孫権
(
そんけん
)
の勢いは、南方に
赫々
(
かっかく
)
たるものがある。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
甲州方面の迅速な戦果と、
赫々
(
かっかく
)
たる大勝の報は、もう一卒まで聞いている。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ここ祁山での序戦には、蜀軍の上に、
赫々
(
かっかく
)
たる祝福があったものの、さきに多大の兵力を西部方面へ割き、いままた、その大敗を聞いて、孔明の眉には、ただならぬ不安と焦躁の陰がうごいた。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
赫
漢検準1級
部首:⾚
14画
々
3画
“赫々”で始まる語句
赫々邦家新