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かいぼう
ふりがな文庫
“
解剖
(
かいぼう
)” の例文
この矛盾を根柢まで深く
解剖
(
かいぼう
)
し、
検覈
(
けんかく
)
することを、そうしてそれが彼らの
確執
(
かくしつ
)
を最も早く解決するものなることを忘れていたのである。
時代閉塞の現状:(強権、純粋自然主義の最後および明日の考察)
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
例へば自叙伝の執筆の如きわが身の上をも他人のやうに眺め取扱ふ余裕なくんばいかでか
精緻
(
せいち
)
深刻なる心理の
解剖
(
かいぼう
)
を試み得んや。
小説作法
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
例えば彼
等
(
ら
)
の女性観を聞くと自分自身が女性でありながら
一
(
い
)
ち一ち
傾聴
(
けいちょう
)
せずには居られない
位
(
くらい
)
に深刻に女性を
解剖
(
かいぼう
)
しています。
新時代女性問答
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「このすずめ、
僕
(
ぼく
)
たちにおくれよ。
先生
(
せんせい
)
にあげるのだから、
僕
(
ぼく
)
たち、
理科
(
りか
)
の
時間
(
じかん
)
に、
解剖
(
かいぼう
)
をしてもらうんだよ。」と、
小西
(
こにし
)
が、
答
(
こた
)
えました。
眼鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
もっとも複雑な分子の寄って出来上った善悪とか
邪正
(
じゃせい
)
とかいう問題になると、少々込み入った
解剖
(
かいぼう
)
の力を借りなければ何とも申されませんが
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
また今は医師が
解剖
(
かいぼう
)
と生理など講じて居ります。昨年はバクテリヤについて講義もきゝました。また校長が自ら看護法など学術的に教えて居ります。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
いな
解剖
(
かいぼう
)
上よりいえば、婦人が婦人としての身体を有せぬが恥ずべきことである。ゆえに各人が秘密を有すればとて決して怪しむに足らぬ当然なことである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
しかし体を売ったと云っても、何も昔風に
一生奉公
(
いっしょうぼうこう
)
の約束をした
訣
(
わけ
)
ではありません。ただ何年かたって死んだ
後
(
のち
)
、死体の
解剖
(
かいぼう
)
を許す代りに五百円の金を
貰
(
もら
)
ったのです。
温泉だより
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
無気味な
解剖
(
かいぼう
)
学者として、諸戸が甚だ風変りな人物であることは知っていたけれど、その彼に、かくの如き優れた探偵能力があろうとは誠に想像だもしなかった所である。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
いや、もっともっと深刻に信長の心理を
剔抉
(
てっけつ
)
し、皮肉な
解剖
(
かいぼう
)
を加えていうかもしれない。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
つまり、彼の死は単なる自動車の衝突による過失のための死ではなくて、明白な他殺であることが、死体を検案した警察医並びに
解剖
(
かいぼう
)
に立ちあった医師連全体の一致の見解であった。
鉄の規律
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
今だからこそ、私ははっきりと自分の心持ちを
解剖
(
かいぼう
)
することができるが、私はその時多分にこの青年の目的とするものを感づいていた。が、思いきってそれをはねとばすことができなかった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
けれどわたしは自分の心を自分自身にすら細かく
解剖
(
かいぼう
)
することができなかった。わたしたちはもういちいち立ち止まって人に聞く
必要
(
ひつよう
)
はなかった。白鳥号がわたしたちの先に立って進んで行く。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
其
(
その
)
惡事
(
あくじ
)
例
(
たと
)
へば
殺人罪
(
さつじんざい
)
の
如
(
ごと
)
き
惡事
(
あくじ
)
は
意味
(
いみ
)
もなく、
原因
(
げんいん
)
も
無
(
な
)
きものと
云
(
い
)
ふを
得
(
う
)
べきや、
之
(
これ
)
を
心理的
(
しんりてき
)
に
解剖
(
かいぼう
)
して
仔細
(
しさい
)
に
其
(
その
)
罪惡
(
ざいあく
)
の
成立
(
なりたち
)
に
至
(
いたる
)
までの
道程
(
みちのり
)
を
描
(
ゑが
)
きたる
一書
(
いつしよ
)
を
淺薄
(
せんはく
)
なりとして
斥
(
しりぞ
)
くる
事
(
こと
)
を
得
(
う
)
べきや。
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
七月目の
腹籠
(
はらごもり
)
、蝮が据置かれた
硝子
(
がらす
)
戸棚は、
蒼筋
(
あおすじ
)
の勝ったのと、赤い線の多いのと、二枚
解剖
(
かいぼう
)
の図を提げて、隙間一面、
晃々
(
きらきら
)
と医療器械の入れてあるのがちょうど
掻巻
(
かいまき
)
の
裾
(
すそ
)
の所、二間の壁に
押着
(
おッつ
)
けて
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それから、五六日過ぎて矢野は、自分のほうの講義がすんでから、二三の同級生がさそうままに、
解剖室
(
かいぼうしつ
)
を見に行った。矢野は
医学生
(
いがくせい
)
ながら
解剖
(
かいぼう
)
というものを始めて見るので、なんとなく気味が悪い。
廃める
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「
僕
(
ぼく
)
たち
屋根
(
やね
)
からおっこちたすずめを
助
(
たす
)
けてやろうと
思
(
おも
)
っているのに
殺
(
ころ
)
すなんて、そんなことできません。
解剖
(
かいぼう
)
したかったら、
自分
(
じぶん
)
で
取
(
と
)
ってくればいいのです。」
眼鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
または直覚の活作用とも
見傚
(
みな
)
される彼女の
機略
(
きりゃく
)
であるか、あるいはそれ以外の或物であるか、たしかな
解剖
(
かいぼう
)
は彼にもまだできていなかったが、何しろ事実は事実に違いなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
わたしの宿の主人の話によれば、半之丞がこう言う死にかたをしたのは
苟
(
いやし
)
くも「た」の字病院へ売り渡した以上、
解剖
(
かいぼう
)
用の体に傷をつけてはすまないと思ったからに違いないそうです。
温泉だより
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
二つに割ってみれば、ちょうど人間の脳を
解剖
(
かいぼう
)
してみたと同じに、大脳や小脳や
血漿
(
けっしょう
)
や細胞や、微妙な物体の機構がくるんであるのだった。誰がこれを生き物でないといえるだろうか。
銀河まつり
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ことに
容貌
(
ようぼう
)
は
解剖
(
かいぼう
)
的のものでなく、心の作用によりては、少なくともその表情を変えることが出来る。そして人の顔色を読むには、
骨格
(
こっかく
)
肉付きの
如何
(
いかん
)
よりも、むしろその表情によることが多い。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「
解剖
(
かいぼう
)
するなら、
君
(
きみ
)
たち、かってにすずめを
捕
(
と
)
ったらいいだろう。」と、
青木
(
あおき
)
もいいました。
眼鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「君のような理想家が、昔は人体
解剖
(
かいぼう
)
を人道に
悖
(
もと
)
ると云って攻撃したんだ。」
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“解剖”の意味
《名詞》
解 剖(かいぼう)
死んだ生物の体を切り開き、病原・死因・構造を調べること。
物事を細かく分析して調べること。
(出典:Wiktionary)
解
常用漢字
小5
部首:⾓
13画
剖
常用漢字
中学
部首:⼑
10画
“解剖”で始まる語句
解剖刀
解剖室
解剖学
解剖図
解剖台
解剖的
解剖の図