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舶来
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はくらい
ふりがな文庫
“
舶来
(
はくらい
)” の例文
旧字:
舶來
『女だってそのくらいな楽しみがなけりゃ仕様がない』そう云って、
舶来
(
はくらい
)
のいい
香
(
にお
)
いのする煙草を買って来ては彼女に吸わせました。
途上
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「さあ、
愈々
(
いよ/\
)
出世の
手蔓
(
てづる
)
が出来かかつたぞ。
明日
(
あす
)
は一つあの殿様のお顔を、
舶来
(
はくらい
)
石鹸
(
しやぼん
)
のやうにつるつるに剃り上げて呉れるんだな。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
どこから手に入れたか、この日は
舶来
(
はくらい
)
の
解剖図
(
かいぼうず
)
を拡げて、それと一緒に一
挺
(
ちょう
)
のナイフを
弄
(
いじ
)
りながら
独言
(
ひとりごと
)
を言っています。
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
正木大尉は
舶来
(
はくらい
)
の
刻煙草
(
きざみたばこ
)
を巻きに来ることもあるが、以前のようにはあまり話し込まない。幹事室の方に籠って、暇さえあれば独りで手習をした。
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
私は洋服であつたが、種田君は其頃紳士仲間に
流行
(
はや
)
つた黒の
繻子目
(
しゆすめ
)
のマントを着て、
舶来
(
はくらい
)
の
鼠
(
ねず
)
の
中折帽
(
なかをればう
)
を
被
(
かぶ
)
つて居た。
二黒の巳
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
▼ もっと見る
その
盤面
(
ダイアル
)
は青じろくて、ツルツル光って、いかにも
舶来
(
はくらい
)
の
上等
(
じょうとう
)
らしく、どこでも見たことのないようなものでした。
耕耘部の時計
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
幸い持合せの
些
(
ちと
)
泥臭
(
どろくさ
)
いが見かけは立派な
円筒形
(
えんとうけい
)
の大きな
舶来
(
はくらい
)
唐墨
(
とうぼく
)
があったので、
快
(
こころよ
)
く用立てた。今夜見れば
墨痕
(
ぼくこん
)
美わしく「
彰忠
(
しょうちゅう
)
」の二字に
化
(
な
)
って居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
夫
(
それ
)
では
聴
(
きこ
)
えないから
解
(
わか
)
らない
筈
(
はづ
)
です、
夫
(
それ
)
から
又
(
また
)
蓄音器
(
ちくおんき
)
といふものが始めて
舶来
(
はくらい
)
になりました時は、
吾人共
(
われひととも
)
に
西洋人
(
せいやうじん
)
の
機械学
(
きかいがく
)
の
長
(
た
)
けたる事には
驚
(
おどろ
)
きました。
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
山の手の
某所
(
ぼうしょ
)
に住んでるある
華族
(
かぞく
)
の老婦人が、非常に
極端
(
きょくたん
)
な西洋嫌いで、何でも
舶来
(
はくらい
)
のものやハイカラなものは、一切『西洋
臭
(
くさ
)
い』と言って使用しない。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
手術と決ってはいたが、手術するまえに体に
力
(
りき
)
をつけておかねばならず、
舶来
(
はくらい
)
の薬を毎日二本ずつ入れた。一本五円もしたので、
怖
(
こわ
)
いほど病院代は嵩んだのだ。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
ところが
舶来
(
はくらい
)
の芝居は情け
容赦
(
ようしゃ
)
がないもので、日本の
勧善懲悪
(
かんぜんちょうあく
)
みたいにピエロも末はめでたしなどということは間違っても有り得ず、ヤッツケ放題にヤッツケられ
土の中からの話
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
と同時に悪魔もまた宗徒の
精進
(
しょうじん
)
を
妨
(
さまた
)
げるため、あるいは見慣れぬ
黒人
(
こくじん
)
となり、あるいは
舶来
(
はくらい
)
の
草花
(
くさばな
)
となり、あるいは
網代
(
あじろ
)
の乗物となり、しばしば同じ村々に出没した。
おぎん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
電車
(
でんしゃ
)
にのってからおじさんに、たばこを
買
(
か
)
った
店
(
みせ
)
で、
舶来
(
はくらい
)
の
人形
(
にんぎょう
)
を
見
(
み
)
たことを
話
(
はな
)
すと
花かごとたいこ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
剪燈新話は
明
(
みん
)
の
瞿佑
(
くゆう
)
と云う学者の手になったもので、それぞれ特色のある二十一篇の怪奇談を集めてあるが、この説話集は文明年間に日本に
舶来
(
はくらい
)
して、日本近古の怪談小説に影響し
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
と照彦様はイライラしながら
舶来
(
はくらい
)
のおトンカチを本箱のひきだしから取りだした。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「
粉白
(
おしろい
)
粉だとて、わざわざ
舶来
(
はくらい
)
品を買ひなさらんと……」
少年
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
春日
(
かすが
)
の
太占
(
ふとまに
)
を調べるかたわらには
阿蘭陀
(
オランダ
)
の本を読み、いま
易筮
(
えきぜい
)
を終って次に
舶来
(
はくらい
)
の拳銃を取り出すという人であります。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
舶来
(
はくらい
)
の
燐寸
(
マッチ
)
で壁を
擦
(
こす
)
ったのさ。暗闇なら何を擦っても火が出るんだよ。栄ちゃんの着物を擦って見ようか」
少年
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「ふんふん。よし、よし。さあ、みんな
舶来
(
はくらい
)
ウィスキーを
一杯
(
いっぱい
)
ずつ飲んでやすむんだよ。」
カイロ団長
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
その
外
(
ほか
)
柔道、水泳
等
(
とう
)
も西川と共に
稽古
(
けいこ
)
したり。震災の少し前に西洋より帰り、
舶来
(
はくらい
)
の書を
悉
(
ことごとく
)
焼きたりと言ふ。リアリストと言ふよりもおのづからセンテイメンタリズムを脱せるならん。
学校友だち
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「いや、僕達商館にいるものは
舶来
(
はくらい
)
のを無税で取寄せる」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「
舶来
(
はくらい
)
ウェスキイ 一
杯
(
ぱい
)
、二
厘
(
りん
)
半。」と書いてありました。
カイロ団長
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「
舶来
(
はくらい
)
のを持っていらっしゃいます」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
“舶来”の意味
《名詞》
舶来(はくらい)
海外(外国)から船舶によってもたらされたもの。
(出典:Wiktionary)
“舶来(舶来品)”の解説
舶来品(はくらいひん、foreign goods)とは、日本に於いては、かつて船便にて日本国外より運ばれてきた物品(輸入品)を指す。やや古い表現ではあるが死語(廃語)とは云いがたく、現在でも文学上の言い回しとして見受けられるなど、少々「気取った表現」の一種である。
(出典:Wikipedia)
舶
常用漢字
中学
部首:⾈
11画
来
常用漢字
小2
部首:⽊
7画
“舶来”で始まる語句
舶来藍本
舶来蝋燭