老爺ぢい)” の例文
其処そこけては我等わしらふなぢや。案山子かゝしみのさばいてらうとするなら、ぴち/\ねる、見事みごとおよぐぞ。老爺ぢい広言くわうげんくではねえ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「おい! 万作さん!」と大きな声で呼んだものがあるので万作は吃驚びつくりしてを開けてみると、そこに白いひげを長くのばした老爺ぢいさんが真白まつしろい着物を着て立つてゐました。
蚊帳の釣手 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
れほどの地邸ぢやしき公債こうさいなにほどかはもちたまふならんが、それぢやうさまがじんまくだけ漸々やう/\なるべしと、ツてやうはなしなり、老爺ぢいなんとしてそのやうにくわしくるぞとへば
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
聽衆てうしゆうあいちやんが毛蟲けむしに、『うら老爺ぢいさん』を復誦ふくせうしてかすだんになるまでは、まつたしづかにしてゐましたが、全然まるで間違まちがつたことばかりふので、海龜うみがめあきかへつて、『可笑をかしなこと』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
実際、もういい加減に身の程を知つてもいい頃ぢや。実を言へば、そろそろ村でも、わしのことを哂笑わらひだしをつたのぢや。その言ひ草が、⦅ほいほい、老爺ぢいさんもすつかりけてしまつたよ。
ひかけて、みづにはのぞまず、かへつてそらゆびさした老爺ぢいゆびは、ひとつみね相対あひむかつて、かすみたかい、天守てんしゆむねならんでえた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
老爺ぢいさんは小い袋を万作まんさくに渡して、こんな事を言ひました。
蚊帳の釣手 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
「『うら老爺ぢいさん」を復誦ふくせうして御覽ごらん』と芋蟲いもむしひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
美女たをやめにもうれしげに……たのまれてひとすくふ、善根ぜんこん功徳くどく仕遂しとげたごと微笑ほゝゑみながら、左右さいうに、雪枝ゆきえ老爺ぢいとを艶麗あでやかて、すゞしいひとみ目配めくばせした。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うら老爺ぢいさんのふことにや
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)