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まっさかさま
ふりがな文庫
“
真逆様
(
まっさかさま
)” の例文
旧字:
眞逆樣
いっそ、どうだい、そう云う、ももんがあを十
把一
(
ぱひ
)
とからげにして、阿蘇の噴火口から
真逆様
(
まっさかさま
)
に地獄の下へ落しちまったら
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
最後に乗せられたお杉の亡骸は、既に頂上まで
達
(
とど
)
いたと思う頃、
何
(
ど
)
うした
機会
(
はずみ
)
か
其
(
その
)
畚は斜めに傾いて、亡骸は再び遠い底へ
真逆様
(
まっさかさま
)
に転げ落ちた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
と又野は前へのめったが、振返る間もなく中野学士を掴んだままギリギリと一廻転して、
真逆様
(
まっさかさま
)
に落ちて行った。
オンチ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その水煙に透かし彫られている天人がまた言語に絶して美しい。
真逆様
(
まっさかさま
)
に身を
翻
(
ひるがえ
)
した半裸の女体の、微妙なふくよかな肉づけ、美しい柔らかなうねり方。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
という悲鳴が思わず
迸
(
ほとば
)
しった。と同時に、彼は廻転中の木馬から、
真逆様
(
まっさかさま
)
に転落して、地面に叩きつけられた。
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
彼は
恟
(
びっく
)
り驚いて「オオ」と云い、其の顔を上げる拍子に、身体の中心を失って、階子段を踏み外し、
真逆様
(
まっさかさま
)
に下へ落ちはせぬけれど殆ど落ちん有様で有った
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
三日目の夜になると、彼はもうとても駄目だと思って、悲しそうに立ち上がって、ふらふらと池の縁までやって行き、思い切って
真逆様
(
まっさかさま
)
に池の中へ飛び込みました。
魔法探し
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
永代
(
えいたい
)
の橋の上で巡査に
咎
(
とが
)
められた結果、
散々
(
さんざん
)
に
悪口
(
あっこう
)
をついて
捕
(
つかま
)
えられるなら捕えて見ろといいながら四、五人一度に橋の欄干から
真逆様
(
まっさかさま
)
になって水中へ飛込み、暫くして四
夏の町
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そこで内証で涙を払うのかと偲うと、肩に
一揺
(
ひとゆす
)
り、ゆすぶりをくれるや否や、
切立
(
きったて
)
の崖の下は、
剣
(
つるぎ
)
を植えた
巌
(
いわ
)
の底へ、
真逆様
(
まっさかさま
)
。霧の海へ、薄ぐろく、影が残って消えません。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一見
清楚
(
せいそ
)
な娘であったが、壊れそうな危なさがあり
真逆様
(
まっさかさま
)
に地獄へ
堕
(
お
)
ちる不安を感じさせるところがあって、その一生を正視するに堪えないような気がしていたからであった。
堕落論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
その時、今まで職工頭をのせていた梁は支えきれなくなって、がらがらとあっちにぶつかりこっちにぶつかり、
真逆様
(
まっさかさま
)
に墜落して行った。見ている人たちの髪の毛はさか立った。
秋空晴れて
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
又他の一枚には、雪の庭の大きな池にかかった橋の上に、数人の者が入り乱れて闘っていた、そしてそのうちの若い義士の一人は、刀を握ったまま池の中に
真逆様
(
まっさかさま
)
に落ちつつあった。
幼年時代
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
(急いで下りるつもりで砂をふみ
外
(
はず
)
して
真逆様
(
まっさかさま
)
に落ちたと思うと夢が覚めた。)
初夢
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
その間に、荒井千代之助は堕落の淵へ
真逆様
(
まっさかさま
)
に陥ち込んでしまったのでした。
百唇の譜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
交野の叔父は私の手を引いてそこを渡ろうとした。すると私は独りで渡るといい張った。叔父も若かったから、それならといって離した。私はヨチヨチ渡りかけたと思うと
真逆様
(
まっさかさま
)
に溝へ落ちた。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
真逆様
(
まっさかさま
)
に海中へ飛び込んだ救うべくもない不幸な娘と、それから、もう一人……
蛸
(
たこ
)
のようにツルツルでグニャグニャの、赤い、柔らかな……そうだ、精神的なショックや、過労の
刺戟
(
しげき
)
のために
灯台鬼
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
勘太郎は四つ目垣を半分
崩
(
くず
)
して、自分の領分へ
真逆様
(
まっさかさま
)
に落ちて、ぐうと云った。勘太郎が落ちるときに、おれの袷の片袖がもげて、急に手が自由になった。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
寝台の上から
真逆様
(
まっさかさま
)
に
辷
(
すべ
)
り落ちている光景は、マリイ夫人の死状にも増して凄惨な、恐怖的なものであった。
S岬西洋婦人絞殺事件
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
アッと思う間に、
真逆様
(
まっさかさま
)
につり下げられた一寸法師の頭が、ザブッと酒樽の中に
漬
(
つか
)
った。緑さんの短い両手が、
空
(
くう
)
に
藻
(
も
)
がいた。パチャパチャと酒のしぶきが飛び散った。
踊る一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
アノ窓から
真逆様
(
まっさかさま
)
に転げ
墜
(
お
)
ちて、
頸
(
くび
)
の骨を
挫
(
くじ
)
いて死んだ事があるさうです
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
私は必ず、今に何かにひどい目にヤッツケられて、
叩
(
たた
)
きのめされて、甘ったるいウヌボレのグウの音も出なくなるまで、そしてほんとに足すべらして
真逆様
(
まっさかさま
)
に落されてしまう時があると考えていた。
私は海をだきしめていたい
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
巌角
(
いわかど
)
を鋭どく廻って、
按摩
(
あんま
)
なら
真逆様
(
まっさかさま
)
に落つるところを、
際
(
きわ
)
どく右へ切れて、横に
見下
(
みおろ
)
すと、
菜
(
な
)
の花が一面に見える。雲雀はあすこへ落ちるのかと思った。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
豚吉は困りましたが、放っておけば女の児が死にそうですから、すぐに上衣を脱いで、ズボンを脱いで、シャツ一枚になって井戸の中へ
真逆様
(
まっさかさま
)
に飛び込みました。
豚吉とヒョロ子
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
三鳥山人
(著)
案の定、頂上の丸孔から、
真逆様
(
まっさかさま
)
に、怪物の上半身が、ニューッと覗いた。右手が徐々に下へ伸びた。その手先には、ピストルだ。遠くて、見えぬけれど、腕の格好で、それと分る。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そうして銀次と
絡
(
から
)
み合ったまま玄関の石段を
真逆様
(
まっさかさま
)
に転がり落ちると、小女は独りでムックリと起き上って、頭から引っ
冠
(
かむ
)
せられた銀次の着物と帯をはね
除
(
の
)
けた。
骸骨の黒穂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
真逆様
(
まっさかさま
)
に四番目の男の
傍
(
そば
)
を
遥
(
はる
)
かの下に落ちて行った話などが、
幾何
(
いくつ
)
となく載せてあった間に、煉瓦の壁程急な山腹に
蝙蝠
(
こうもり
)
の様に吸い付いた人間を二三カ所
点綴
(
てんてつ
)
した
挿画
(
さしえ
)
があった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その姿をチラリと見ますと、化物は今度は自分の姿に驚いて、キャッと云うとそのまま眼をまわして、又もや湧き立つ大浪小浪の間に
真逆様
(
まっさかさま
)
に落ち込んでしまいました。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
庄太郎はほっと
一
(
ひ
)
と
息接
(
いきつ
)
いでいるとまた一匹の豚が大きな鼻を庄太郎に
擦
(
す
)
りつけに来た。庄太郎はやむをえずまた洋杖を振り上げた。豚はぐうと鳴いてまた
真逆様
(
まっさかさま
)
に穴の底へ
転
(
ころ
)
げ込んだ。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
都度
(
つど
)
に家族の者が驚かされて「どうしたのか」と落ち付かせて聞いてみますと「何だか高い屋根か、雲の上みたような処から、
真逆様
(
まっさかさま
)
に落ちて行くような気がした」
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
私の身体はそのまま一直線に地平線の端から、辷り出して無限の空間に
真逆様
(
まっさかさま
)
に落込んだ。
怪夢
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
オシャベリ姫はもう夢中になって泣きながら逃げまわっていましたが、やがて草の中にあった深い井戸の中へ
真逆様
(
まっさかさま
)
に落ち込んで、そのままズンズンどこまでも落ちて行きました。
オシャベリ姫
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
かぐつちみどり
(著)
真逆様
(
まっさかさま
)
に突き落された訳で……しかもそれは私のような馬鹿を探し出すために、心にも無い放埒振りを見せていた龍代の大芝居に、マンマと首尾よく引掛けられた物……という事が結婚後
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
真
常用漢字
小3
部首:⽬
10画
逆
常用漢字
小5
部首:⾡
9画
様
常用漢字
小3
部首:⽊
14画
“真逆”で始まる語句
真逆
真逆落