商売に抜け目のない彼は、お熊の縁をつないで置いて、その兄から高価の尾羽を仕入れようと目論んでいたのであった。
半七捕物帳:61 吉良の脇指 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
茶話:02 大正五(一九一六)年 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
ですから彼奴を相手に目論んだこともあったのですが、そういう次第で実行にうつさないでしまいました
奇賊は支払う:烏啼天駆シリーズ・1 (新字新仮名) / 海野十三(著)
何か目論んでいたことは疑いもありませんが、それから先のことは、熊五郎も全く知らなかったのです。
銭形平次捕物控:134 仏師の娘 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
目論んでおりましてな、この宿の冬籠りの皆さんを中心に、白骨の内外を取りまぜて、一巻の絵巻物にしつらえようと、実はひそかに下絵に取りかかっておりました
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊 (新字新仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア (旧字旧仮名) / シャーロット・ブロンテ(著)
ぼそぼそとしたひとりごとのような声だったけれども、それは明らかに彼の注意を引くように目論まれているのだと彼は知った。それらの言葉は父に向けてはうっかり言えない言葉に違いない。
罪の深いこの流言が正直な人達をまどわして、かれらが目論んだ通りおこよの縁談は無残に破れてしまった。
半七捕物帳:24 小女郎狐 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
兎も角何か目論んで、その費用を要求するといふ事は、子供の次第に一人前の人間になつて行く事を裏書する様なもので、一方には言はう様のない頼もしさがあつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
太平の夢を貪る江戸の町人達にも、一と泡吹かせようという大変なことを目論んだのでした。
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その一行の中から、何か目論むところがあって、英国の興行中に、急に便船によって日本へ帰って来たものがある。それが、御家人崩れの福村あたりから、この社会へ何か渡りをつけたようです。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
思ひ切つた解決を目論んでゐやしないかとも考へられるんだ。
昨今横浜異聞(一幕) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
で、この仕掛で、頭上の大鐘に何を目論んだと思います?
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
茶話:04 大正七(一九一八)年 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
「何故そんな目に遭わされるのだろう?」——「お説教をした罰だとよ。——あの尼さんは自分から好んでこのお城へ来たんだそうだ。仏陀の力でここの人達を罪から救おうと目論んでな」
半七捕物帳:26 女行者 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
国家興亡の際に、芸娼院の設立を目論んで、有頂天になっている。
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それにしてもあいつら二人、何を目論んで俺の所へ、贋使者となってやって来たものか? 落ち着き払った態度と云い、眼の配り方体の固め、寸分隙のないところ、名ある奴らに相違ない。
半七捕物帳:69 白蝶怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
茶話:02 大正五(一九一六)年 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
魔術師とまで呼ばれた怪賊、どの様な恐ろしい再挙を目論まぬとも限らぬ。それを明智は、どうして平気でいるのだろう。賊を追駈けようともせず、あとからノソノソ歩いて行く。