トップ
>
生籬
>
いけがき
ふりがな文庫
“
生籬
(
いけがき
)” の例文
考えた結果ガヴローシュはまず、
生籬
(
いけがき
)
を乗り越すことをやめて、その下にもぐり込んだ。茂みの下の方に少し枝のすいてる所があった。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
あの大雷雨の爲めにそこいらの
埃
(
ほこり
)
はいゝ工合に落着き、兩側の低い
生籬
(
いけがき
)
や大きな立木などは、雨に元氣を囘復して、緑色に輝いてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
人家の
珊瑚木
(
さんごのき
)
の
生籬
(
いけがき
)
を廻って太田君の
後姿
(
うしろすがた
)
は消えた。残る一人は淋しい心になって、西北の空を横眼に見上げつゝ
渡
(
わたし
)
の方へ歩いて行った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
それから、草原のなか、それから
生籬
(
いけがき
)
に添って追い立てる。ついでなお、林の出っ張りから追い立てる。それからあそこ、それからここ……。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
水松
(
いちい
)
の
生籬
(
いけがき
)
のあるところ、——そこには苔むした石でたたまれ、両側には紋章のついた柱の立っている正門があった。
自転車嬢の危難
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
▼ もっと見る
晴れた日曜の午後の青山墓地は、
其処
(
そこ
)
の墓石の辺にも、
彼処
(
かしこ
)
の
生籬
(
いけがき
)
の
裡
(
うち
)
にも、お墓
詣
(
まい
)
りの人影が、チラホラ見えた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
垣内は文字通り、垣で囲った土地の区劃ということだったにしても、それが今日の
生籬
(
いけがき
)
や
建仁寺垣
(
けんにんじがき
)
のごとき、労費のかかったものであった気づかいはない。
垣内の話
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
二、三間先の庭の
生籬
(
いけがき
)
が、だしぬけにざわざわと音を立てて
揺
(
ゆ
)
れだした。誰か外の方から揺すぶったらしい。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
ずらずらと
生籬
(
いけがき
)
のたぐいが続いていて、光はどこにも見えない。そう狭い道ではないが、近くに請負師の家があって、道の入口に古材がたくさん積み重ねてある。
記憶
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
こちら側には低い
生籬
(
いけがき
)
がめぐらされているだけだったので、自分より身丈の高い芒の中を
掻
(
か
)
き分けて、その溝の縁まで行くと、立木の多い、
芝生
(
しばふ
)
や池などのある
幼年時代
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
生籬
(
いけがき
)
には清い
野薔薇
(
のばら
)
が花を開いていた。青銅色の葉をつけてる
樫
(
かし
)
の木立の陰に、小さなテーブルが設けられていた。三人の自転車乗りがその一つに陣取っていた。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
このムクゲは落葉灌木で元来日本の固有産ではないが、今はあまねく人家に花木として栽えられ、また
生籬
(
いけがき
)
に利用せられ挿木が容易であるからまことに調法である。
植物一日一題
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
生籬
(
いけがき
)
などに籠めらるれど恨む顔もせず、日の光りも疎きあたりに心静けく咲きたる、物のあはれ知る人には、身を潜め世に隠れたるもなか/\にあはれ深しと見らるべし。
花のいろ/\
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
生籬
(
いけがき
)
の間より衣の影ちらちら見えて、やがて
出
(
い
)
で来し二十七八の婦人、目を赤うして、水兵服の
七歳
(
ななつ
)
ばかりの
男児
(
おのこ
)
の手を引きたるが、海軍士官と行きすりて、五六歩過ぎし時
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
怠けものの
配偶
(
つれあひ
)
の肥つた婆さんは、これは朝から晩まで
鞣革
(
なめしがは
)
をコツ/\と小槌で叩いて琴の爪袋を内職に
拵
(
こしら
)
へてゐる北隣の口達者な婆さんの家の縁先へ
扇骨木
(
かなめ
)
の
生籬
(
いけがき
)
をくゞつて來て
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
垣は
生籬
(
いけがき
)
か四ツ目垣に限つた。建仁寺は竹の価が高くなつたので、今は贅沢物の一つのやうになつたが、この垣は余りに城壁的で好くない。自他の融合が十分に行かない。そこに行くと生籬は好い。
中秋の頃
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
うちつづく
生籬
(
いけがき
)
夕暮の別荘地に歩み入る兵士たち
(新字新仮名)
/
百田宗治
(著)
樹々は暗くなる程繁り、
生籬
(
いけがき
)
や森は、葉が繁り、色が濃くなつて、間にある刈り取つたあとの牧場の
太陽
(
ひ
)
に
映
(
は
)
えた色と、いゝ對照をしてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「こいつは、そのへんの百姓家へ預けるか、さもなけりゃ、
生籬
(
いけがき
)
の中へでも
匿
(
かく
)
しといて、夕方持って帰るとしようや」
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
溝
(
みぞ
)
をまたぎ、
生籬
(
いけがき
)
を越え、
垣根
(
かきね
)
を分け、荒れはてた菜園にはいり、大胆に数歩進んだ。すると突然、その荒地の奥の高く茂った
茨
(
いばら
)
の向こうに一つの住家が見えた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
私の家の
生籬
(
いけがき
)
の前に、そこいらの路地の中ではまあ少しばかり広い空地があったので、夕方など、よく女の子たちが
其処
(
そこ
)
へ連れ立ってきて、輪をつくっては遊んでいた。
幼年時代
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
自分の家の墓地から、三十間ばかり来たときに、美奈子はふと、美しく刈り込まれた
生籬
(
いけがき
)
に囲まれた墓地の中に、若い二人の
兄妹
(
きやうだい
)
らしい男女が、お詣りしてゐるのに気が付いた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
遊ぼうと言うので、宿屋を出て、駅の裏手にあるという
妓楼
(
ぎろう
)
に出掛けて行った。宿の
婢
(
おんな
)
に教えられた家は、暗い路の、
生籬
(
いけがき
)
に囲まれた、妓楼らしくもないうらぶれた一軒屋である。
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
そして各地面は、壁や
生籬
(
いけがき
)
やあらゆる種類の仕切りで、たがいに分かたれていた。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
今一般に
生籬
(
いけがき
)
に作られているカナメだとか、カナメモチだとかいっている者は実はカナメでも無ければまたカナメモチでも無く、これは
宜
(
よろ
)
しくアカメあるいはアカメモチと為すべき者である。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
通りかゝりの
百姓衆
(
ひゃくしょうしゅう
)
に、
棕櫚縄
(
しゅろなわ
)
を
蠅頭
(
はえがしら
)
に結ぶ事を教わって、畑中に
透籬
(
すいがき
)
を結い、風よけの
生籬
(
いけがき
)
にす可く之に
傍
(
そ
)
うて杉苗を植えた。無論必要もあったが、一は面白味から彼はあらゆる
雑役
(
ぞうえき
)
をした。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
とう/\陽の
昇
(
のぼ
)
る迄私は耕地や、
生籬
(
いけがき
)
や
小徑
(
こみち
)
の縁を進んで行つた。爽やかな夏の朝だつたと思ふ。家を出るときに
穿
(
は
)
いた靴は直ぐに露に濡れた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
鵲
(
かささぎ
)
は、それでも、
弾機
(
ばね
)
仕掛けのような飛び方をして逃げて行く。七面鳥は
生籬
(
いけがき
)
の中に隠れている。そして、弱々しい
仔馬
(
こうま
)
が、柏の木蔭に身を寄せている。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
数本の松の木にちょっと一もと
芒
(
すすき
)
をあしらっただけの、
生籬
(
いけがき
)
もなんにもない、
瀟洒
(
しょうしゃ
)
な庭を少し恨めしそうに見やりながら、いつまでも
秦皮
(
とねりこ
)
のステッキで砂を掘じっていた。
朴の咲く頃
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
ただ
生籬
(
いけがき
)
で囲まれたばかりの庭もあって、通りがいかにもさわやかであった。その庭や生籬のうちに、彼の目にとまった小さな一軒の二階家があって、窓には
燈火
(
あかり
)
がさしていた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
が、
生籬
(
いけがき
)
越に見た丈では、それが何うしても、確められなかった。それかと云って、女中を連れている手前、それを確かめるために、墓地の廻りを歩いたりすることも出来なかった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
あらゆる
生籬
(
いけがき
)
や
柵
(
さく
)
や塀や壁や通行止や罰金制札や各種の
禁示
(
フェルボート
)
など——すべて彼の自由を制限せんとし、彼の自由に対抗して神聖なる所有権を保証せんとするもの、そういう何物にたいしても
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
畑の中を、
畦
(
うね
)
から畦へ、土くれから土くれへと、踏みつけ踏みつけ、
耙
(
まぐわ
)
のように、
固
(
かた
)
め、
平
(
な
)
らして行く。鉄砲で、
生籬
(
いけがき
)
や
灌木
(
かんぼく
)
の茂みや、
薊
(
あざみ
)
の
叢
(
くさむら
)
をひっぱたく。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
十六番目の銃眼の前には、イギリスの二つの
花崗岩
(
かこうがん
)
の墓が据わっている。銃眼は南の壁にしかない。攻撃の主力はそちらからきたのである。その壁は外部は大きな
生籬
(
いけがき
)
で隠されている。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
その灌木の中から拔け出した瞬間、人々はいきなり目に入れるのだつた、先づ一めんに眞白な野茨の花の咲いてゐる
生籬
(
いけがき
)
を、それからそれに半ば埋まつてゐる一つの小さなコッテエヂを。
巣立ち
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
墓地を
劃
(
しき
)
つてゐる
生籬
(
いけがき
)
の若葉が、スイ/\と勢ひよく延びてゐた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
雀の
群
(
む
)
れは
生籬
(
いけがき
)
から生籬に飛びうつる。二人の猟師は、雀が眠ってでもいるかのように、背中を丸くして、そうっと近づいて行く。雀の群れはじっとしていない。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
入り口には四輪の荷車があり、
葎
(
ホップ
)
の茎の大きな束や、
鋤
(
すき
)
や、
生籬
(
いけがき
)
のそばに積んである乾草など、そして四角な穴には石灰がけむっており、
藁戸
(
わらど
)
の古い納屋のそばにははしごが置いてあった。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
墓地を
劃
(
しき
)
っている
生籬
(
いけがき
)
の若葉が、スイ/\と勢いよく延びていた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
生籬
(
いけがき
)
に添って行く。そして、何度となく、木蔭にすわって、わたしの追いつくのを待っている。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
高地の周囲には、イギリス軍はここかしこに
生籬
(
いけがき
)
を切り倒し、
山楂
(
さんざし
)
の間に砲眼をこしらえ、木の枝の間に砲口を差し入れ、
荊棘
(
いばら
)
のうちに銃眼をあけていた。その砲兵は茂みの下に潜められていた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
ただ
生籬
(
いけがき
)
一重でへだてられてるばかりだった。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
籬
漢検1級
部首:⽵
25画
“生”で始まる語句
生
生命
生憎
生活
生涯
生々
生垣
生物
生温
生死