燈台とうだい)” の例文
新字:灯台
汽船きせんがいくとみえて水平線すいへいせんに、一まつけむりのぼり、おき小島こじまには、よるになると煌々こうこうとしてひかりはな燈台とうだいが、しろとうのようにかすんでいます。
薬売りの少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ボートのかじを返して燈台とうだいの方へいだが、霧はいよいよ深くなり、海はますます暗くなり、ともすれば暗礁に乗り上げそうであった。
おさなき灯台守 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
かもめとびかう燈台とうだいのあたりをけて、船が岸壁がんぺきに向おうとすると、すでに、満艦飾まんかんしょくをほどこした歓迎船かんげいせんが、数隻すうせき出迎えに来てくれていました。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
ニールスは、海岸かいがんにそって南のほうへ走っていきました。そして、いちばん南のはしの燈台とうだいや霧を散らすために打つ大砲たいほうのところまでいってみました。
それが燈台とうだいであった。ふとボブは馬を止めて、馬車からとび下りながら、わたしたちに待っていろと言った。
さっきから見えていた白い燈台とうだいはすぐそこだ。ぼくは船がよこを通る間にだまってすっかり見てやろう。絵が上手じょうずだといいんだけれどもぼくは絵はけないからおぼえて行ってみんな話すのだ。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そのわたしは燈台とうだいの光に、御主人の御飯を頂きました。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「人形町の森田屋といえば、江戸でも一流の国産問屋だが、それがお前の隠れ家だとは、今が今まで知らなかった。……世に燈台とうだいもとくらしというが、これは少々暗すぎたな。いや、どうも俺も駄目になった」またも平八は憮然ぶぜんとして嘆息せざるを
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
三日みっかめのあさのことでありました。太陽たいようは、うつくしくなみあいだからのぼりました。そして、しろ燈台とうだい建物たてものよろこばしそうにかがやきました。
小さな金色の翼 (新字新仮名) / 小川未明(著)
姉は流石さすがに女の気もやさしく、父の身の上、弟のことを気づかいながら、村の方へ走って行った。この燈台とうだいから村へは、一里に余る山路である。
おさなき灯台守 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
この世の中にてられ、わすれられて、運命のもてあそぶままに西に東にただよって、広い大海のまん中に、目標もくひょうになる燈台とうだいもなく、避難ひなんの港もなかったみなし子が
一昨日おととい第二限だいにげんころなんか、なぜ燈台とうだいを、規則以外きそくいがいに間(一時空白)させるかって、あっちからもこっちからも、電話で故障こしょうが来ましたが、なあに、こっちがやるんじゃなくて、わたどりどもが
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「もう、これからをつけなければならない。」と、とりたちは口々くちぐちにいって、燈台とうだいのあったしま花園はなぞのからかえってきたとりかっていってきかせました。
小さな金色の翼 (新字新仮名) / 小川未明(著)
燈台とうだいは、くらうみらしていました。くずれかかる波頭はとうめていました。
小さな金色の翼 (新字新仮名) / 小川未明(著)
うつくしいむすめたちも、しんせつなしまひとたちも、木立こだちも、あのあか燈台とうだいも……。
南方物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
にんは、じっと、それをながめました。きゅうに、元気げんきがわいて、かじをって、そのほうへいっしょうけんめいにふねすすめるのでした。は、だんだんちかくなりました。ちいさな燈台とうだいのようでした。
南方物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そうだよ、あの燈台とうだいかりは、先生せんせいのおうち座敷ざしきはいるのだよ。」
薬売りの少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あれは、燈台とうだいですか?」
薬売りの少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)