無能むのう)” の例文
貴方あなたがもしわたくしが一ぱん無智むちや、無能むのうや、愚鈍ぐどんほどいとうておるかとってくだすったならば、また如何いかなるよろこびもっ
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
かれ依然いぜんとして無能むのう無力むりよくざされたとびらまへのこされた。かれ平生へいぜい自分じぶん分別ふんべつ便たよりきてた。その分別ふんべついまかれたゝつたのを口惜くちをしおもつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
みづうつつきうばはんとする山猿やまざるよ、無芸むげい無能むのうしよくもたれ総身そうみ智恵ちゑまはりかぬるをとこよ、よつうをもとくさうつへびをどろ狼狽うろたへものよ、白粉おしろいせて成仏じやうぶつせんことねが艶治郎ゑんぢらう
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
奉行ぶぎょう無能むのうというなかれ。目付役人めつけやくにん狼狽ろうばいをののしるも、また無理むりである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
れでもその無能むのうの子を見すてゝ本家に帰ることをなかった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
見兼みかね給ふは御道理ごもつともなれども我等事うまれ付無能むのうゆゑ是非なくかくくらし候まゝ日々まゐらする物も心に任せず右さへ御厭おいとひなくば假令たとへ此上何時迄居らるゝとも決して御氣遣ひに及ばずとて押返おしかへしければ靱負ゆきへかうべ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
町では、警察の無能むのう非難ひなんする声が、日ましにふえて来た。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
無能むのう無爲むゐにあをざめり。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
貴方あなたわたくしが一ぱん無智むちや、無能むのうや、愚鈍ぐどんほどいとふてるかとつてくだすつたならば、また如何いかなるよろこびもつ
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
しかも平生へいぜい自分じぶんよりはるかに無力むりよく無能むのう赤子あかごであると、さら自分じぶんみとめざるをなくなつた。かれつてはあたらしい發見はつけんであつた。同時どうじ自尊心じそんしん根絶こんぜつするほど發見はつけんであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)