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潮来
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いたこ
ふりがな文庫
“
潮来
(
いたこ
)” の例文
旧字:
潮來
この湖の
周囲
(
しゅうい
)
には、
土浦
(
つちうら
)
、
石岡
(
いしおか
)
、
潮来
(
いたこ
)
、
江戸崎
(
えどざき
)
などという町々のほかに、たくさんの
百姓村
(
ひゃくしょうむら
)
が、一里おき二里おきにならんでいます。
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
帰路は海に沿うて南し、常陸の
潮来
(
いたこ
)
に遊んだ。服部南郭の昔俗謡を
翻
(
ほん
)
した所で、当時猶狭斜の盛を見ることが出来たであらう。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「
先
(
せん
)
の旦那様が亡くなった時、支配人の孫六さんが
潮来
(
いたこ
)
からお呼寄せになって、御親類方にもちゃんと御挨拶をして家督に直りました。ヘエ」
銭形平次捕物控:128 月の隈
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
潮来
(
いたこ
)
町(昔は
潮来
(
いたこ
)
を
板子
(
いたこ
)
と書いた)は常陸
行方
(
なめかた
)
郡の水郷で、霞ヶ浦からの水の通路北利根川にのぞみ、南は
浪逆
(
なさか
)
浦を
咫尺
(
しせき
)
の間に見る地である。
植物一日一題
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
船は、どこまでも流れにまかせて進むから、これは鳥居前から、十五島を横断し、十二橋をくぐって
潮来
(
いたこ
)
へ出ようという目的ではないらしい。
大菩薩峠:28 Oceanの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
すな真菰、真菰が中に菖蒲さく
潮来
(
いたこ
)
の入江、はるばると我が
求
(
と
)
め来れば、そのかみの潮来の出嶋荒れ果てて今は冬なる。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
……もっと忘れ難いのは、
潮来
(
いたこ
)
の
真菰
(
まこも
)
の中に船を
繋
(
つな
)
いで暮したあの時の四日ばかりのこと、お松ちゃんは、わしの
袴
(
はかま
)
の血を洗って、
綻
(
ほころ
)
びを縫ってくれた
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「酒に
恨
(
うらみ
)
が数々ござるつてね、私なんぞも旦那の前だが、茶屋酒のちいつとまはり過ぎたのが、飛んだ身の
仇
(
あだ
)
になりやした。あ、あだな
潮来
(
いたこ
)
で迷はせるつ。」
鼠小僧次郎吉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
三月九日、枕山は星巌夫妻の
潮来
(
いたこ
)
に遊ばんとするのを
行徳
(
ぎょうとく
)
まで送って行った。
佐久間象山
(
さくましょうざん
)
もこの日行を送る人の中に交っていた。象山は時に年三十一である。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
天井抜けうが根太抜けうが抜けたら此方の御手のものと、飛ぶやら舞ふやら唸るやら、
潮来
(
いたこ
)
出島
(
でじま
)
もしほらしからず、甚句に
鬨
(
とき
)
の声を湧かし、かつぽれに滑つて
転倒
(
ころ
)
び
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
紺色になった
馬掛
(
まかけ
)
の
𡽶
(
はな
)
から水鳥が二羽三羽すうと
金色
(
こんじき
)
の空を筑波の方へ飛んで、高浜麻生
潮来
(
いたこ
)
の方角が一帯に薄紫になって、
十六島
(
じゅうろくしま
)
の空に
片破
(
かたわ
)
れ月がしょんぼりと出て
漁師の娘
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
などは『
常陸国風土記
(
ひたちのくにふどき
)
』には
板来
(
いたく
)
、つまり今の
潮来
(
いたこ
)
の歌として少し句をかえて伝えられていて、諸国へちらばっていた歌謡だったことが分るが、大体はつくられた歌である。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
その晩すぐ近所の
山女衒
(
やまぜげん
)
を呼んで来て、
潮来
(
いたこ
)
へ年一杯四十両ということに話がきまりました。
半七捕物帳:02 石灯籠
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
船で
潮来
(
いたこ
)
から香取に着き、雨中、佐原まで来る途中、早くも掛茶屋の店頭に、まくわ瓜の並べてあるのをみて、これを、なつかしく思い、立寄って、たべたことがありました。
果物の幻想
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
テレビを見た。水郷の
潮来
(
いたこ
)
が映った。帰るとき、「マッチをどうぞ。」と娘は言った。小さいマッチである。コーヒー、「ハト」。マッチの箱の表紙に、ハトが描いてあった。
老人と鳩
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
汝
(
てまえ
)
なぞを剥いでも仕様がないが、汝は馬を引いてるんだから、
偶
(
たま
)
には随分多分の金を持ってるよい
旅人
(
りょじん
)
が、
佐原
(
さはら
)
や
潮来
(
いたこ
)
辺
(
あたり
)
から出て来るから、汝其の金のありそうな客を見たら
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
とめさんが例の
潮来
(
いたこ
)
から来た女に
籠絡
(
ろうらく
)
されて世帯を持った。未だ例の金になる筈の原稿の通知が来ない。多分だめだろう。どうにでもなるが宜い。何方したって己は負けやしないから。
青べか日記:――吾が生活 し・さ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
天蓋山の
鉱山
(
かなやま
)
からも、また船津の城下からも、ひとしく二里の
道程
(
みちのり
)
を距てた、飛騨きっての歓楽境、例えば
室
(
むろ
)
の津、
潮来
(
いたこ
)
のような、遊君または
狡童
(
こうどう
)
などの売色の徒、館を並べ、
箏
(
こと
)
、笛、鼓
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
潮来
(
いたこ
)
の宿で、気に食はぬ事があつて、部下三名を並べて首を斬つたり、鹿島神宮へ参詣して、拝殿の太鼓が大き過ぎて目障りだと云つて、これを鉄扇で叩き破つたと云ふ程の乱暴者であつた。
大衆維新史読本:07 池田屋襲撃
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
ほんに
潮来
(
いたこ
)
へ
別後
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
すな真菰、真菰が中に菖蒲さく
潮来
(
いたこ
)
の入江、はるばると我が
求
(
と
)
め来れば、そのかみの潮来の出嶋荒れ果てて今は冬なる。
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
潮来
(
いたこ
)
の出島に近い入江の深くに風を避け、
真菰
(
まこも
)
の中に
繋綱
(
もや
)
っていた醤油船はもう四日もここに泊っていた。
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ところでお嬢さん、若旦那が
潮来
(
いたこ
)
から帰らなきゃ、岡崎屋の血続きの者というとお前さんたった一人だ。——この家に住んで淋しいようなことはありませんか」
銭形平次捕物控:132 雛の別れ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ははあ、よく描いてありますなあ、
潮来
(
いたこ
)
ですな、ここは、十二の橋——舟、よく描いてありますな」
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
たしか
潮来
(
いたこ
)
あたりの
遊廓
(
ゆうかく
)
の
妓
(
おんな
)
たちの代名詞でしてね、
鹿島香取
(
かしまかとり
)
なんかへ
参詣
(
さんけい
)
するときに、ゆきにしべえか帰りにしべえかっていうので、合わせて八兵衛ということになったんだそうですよ
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ほんに
潮来
(
いたこ
)
へ
枯草
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
やはり
潮来
(
いたこ
)
から帰れないことになり、岡崎屋の家督は娘のお琴に婿を取って継がせることにし、半九郎はそのまま支配人として留まることに決定しかけた時でした。
銭形平次捕物控:132 雛の別れ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
相変らず、嵐一座の
掛
(
かけ
)
小屋は、ごらんのとおりぎっしりな見物人で、舞台はただいま百
目
(
め
)
蝋燭
(
ろうそく
)
の数を増して、競いざき
潮来
(
いたこ
)
の夜景色——そんな
口上
(
こうじょう
)
で初まった娘手踊り。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三十にして身代をつぶした功の者でげして、その
間
(
かん
)
、声色、物まね、
潮来
(
いたこ
)
、新内、何でもござれ、
悪食
(
あくじき
)
にかけちゃあ相当なんでげすが、まだ、みそひともじは食べつけねえんでげすが
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
たしか
潮来
(
いたこ
)
あたりの
遊廓
(
ゆうかく
)
の
妓
(
おんな
)
たちの代名詞でしてね、
鹿島香取
(
かしまかとり
)
なんかへ
参詣
(
さんけい
)
するときに、ゆきにしべえか帰りにしべえかっていうので、合わせて八兵衛ということになったんだそうですよ
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
靄しげき山の田見れば小舟ゆく
潮来
(
いたこ
)
の沼の沖田おもほゆ
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
潮来
(
いたこ
)
出島の
別後
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
さてあの翌る日は、俺が川を捜すと触れて廻ったので、前の晩元吉に舟を出させて、目印の場所から五百両の小判を取出したのだよ。
潮来
(
いたこ
)
で育ったお銀は、
海女
(
あま
)
のように川を潜る
銭形平次捕物控:321 橋場の人魚
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
船頭の娘なので、
河
(
か
)
っ
童
(
ぱ
)
のように髪の毛は赤いし、色は黒いが、眼元がぱっちりしていて、
研
(
みが
)
けば今に、
潮来
(
いたこ
)
でお
職
(
しょく
)
が張れるなどとよく
揶揄
(
からか
)
われたりするほど、どことなくそんな素質の小娘だった。
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
潮来
(
いたこ
)
出島の
別後
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
「跡取りは勘当されて
潮来
(
いたこ
)
にいる
倅
(
せがれ
)
の安之助でなきゃ、娘のお琴だろう」
銭形平次捕物控:132 雛の別れ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
潮来
(
いたこ
)
出島の
雨情民謡百篇
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
「あれは
潮来
(
いたこ
)
生れで、人魚のお銀と言われた大変な女ですよ」
銭形平次捕物控:321 橋場の人魚
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
潮来
(
いたこ
)
出島の
雨情民謡百篇
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
掻き集めてみよう。若主人の半次郎は先代の主人が達者でいる頃は、道楽が強くて
潮来
(
いたこ
)
へ追いやられていたはずだ。近頃はさすがに一家の主人だから、馬鹿なこともしないだろうが、それでも一応は当ってみるがいい
銭形平次捕物控:128 月の隈
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“潮来(潮来市)”の解説
潮来市(いたこし)は、茨城県南東部の鹿行地域に位置する市である。
(出典:Wikipedia)
潮
常用漢字
小6
部首:⽔
15画
来
常用漢字
小2
部首:⽊
7画
“潮来”で始まる語句
潮来出島
潮来節
潮来舟