溪河たにがは)” の例文
新字:渓河
二人分ににんぶん二枚にまいを、一齊いつしよにスツとひらくと、岩膚いははだあめ玉清水たましみづしたゝごとく、溪河たにがはひゞきにけむりあらつて、さけかをりぷんつた。づからこれをおくられた小山内夫人をさないふじんそでふ。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おなとし十一月じふいちぐわつのはじめ、鹽原しほばらつて、畑下戸はたおり溪流瀧けいりうたきしたふちかけて、ながれひろ溪河たにがはを、るがごとくがごとく、もみぢの、きず、えず、ながるゝのをときと、——しほ
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やすくて深切しんせつなタクシイをばして、硝子窓がらすまどふきつける雨模樣あまもやうも、おもしろく、うまつたり駕籠かごつたり、松並木まつなみきつたり、やまつたり、うそのないところ、溪河たにがはながれたりで
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
の、いま、鎭守ちんじゆみやから——みちよこぎる、いはみづのせかるゝ、……おと溪河たにがはわかれおもはせる、ながれうへ小橋こばしわたると、次第しだい兩側りやうがはいへつゞく。——小屋こや藁屋わらや藁屋わらや茅屋かやや板廂いたびさし
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ると、渡過わたりすぐる一方いつぱうきしは、したふか溪河たにがは——すなは摺上川すりかみがは——のがけのぞんで、づらりとならんだ温泉宿やど幾軒々々いくけん/\こと/″\みなうらばかりが……三階さんがいどころでない、五階ごかい七階しちかいに、座敷ざしきかさ
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)