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洽
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あまね
ふりがな文庫
“
洽
(
あまね
)” の例文
聊斎志異
(
れうさいしい
)
が
剪燈新話
(
せんとうしんわ
)
と共に、支那小説中、
鬼狐
(
きこ
)
を説いて、寒燈為に青からんとする妙を極めたるは、
洽
(
あまね
)
く人の知る所なるべし。
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
親
(
しん
)
を
洽
(
あまね
)
くし衆を和するも、
恒
(
つね
)
に
斯
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
てし、
禍
(
わざわい
)
を造り
敗
(
はい
)
をおこすも、
恒
(
つね
)
に
斯
(
ここ
)
に於てす、其
悪
(
あく
)
に懲り、以て善に
趨
(
はし
)
り、其儀を
慎
(
つつし
)
むを
尚
(
たっと
)
ぶ、といえり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
虱
(
しらみ
)
を
捫
(
ひね
)
る事一万疋に及びし時
酒屋
(
さかや
)
の
厮童
(
こぞう
)
が「キンライ」
節
(
ふし
)
を聞いて
豁然
(
くわつぜん
)
大悟
(
たいご
)
し、茲に
椽大
(
えんだい
)
の
椎実筆
(
しひのみふで
)
を
揮
(
ふるつ
)
て
洽
(
あまね
)
く
衆生
(
しゆじやう
)
の
為
(
ため
)
に
為
(
ゐ
)
文学者
(
ぶんがくしや
)
経
(
きやう
)
を
説解
(
せつかい
)
せんとす。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
これなん
當時
(
たうじ
)
の
國色
(
こくしよく
)
、
大將軍梁冀
(
たいしやうぐんりやうき
)
が
妻
(
つま
)
、
孫壽夫人
(
そんじゆふじん
)
一流
(
いちりう
)
の
媚態
(
びたい
)
より
出
(
い
)
でて、
天下
(
てんか
)
に
洽
(
あまね
)
く、
狹土
(
けふど
)
邊鄙
(
へんぴ
)
に
及
(
およ
)
びたる
也
(
なり
)
。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
仮名手本
(
かなでほん
)
忠臣蔵』の作者
竹田出雲
(
たけだいずも
)
に
斧九太夫
(
おのくだゆう
)
という名を与えられて以来、殆ど
人非人
(
にんぴにん
)
のモデルであるように
洽
(
あまね
)
く世間に伝えられている大野九郎兵衛という一個の元禄武士は
磯部の若葉
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
覚めて後冷汗背に
洽
(
あまね
)
く、茫然自失する事あるものなり、夢ならばと一笑に附し去るものは、一を知つて二を知らぬものなり、夢は必ずしも夜中臥床の上にのみ見舞に来るものにあらず
人生
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
我黨は
廼
(
すなは
)
ち五大洲を
睥睨
(
へいげい
)
して彼の千魂萬魂といはれたりし怪物、わが日の本の鴎外將軍が審美の利劍に
劈
(
つんざ
)
かれて、つひにこそそが正體をあらはしつれと、
洽
(
あまね
)
くとつ國びとにのらまくす。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
両情一致、恩愛の
洽
(
あまね
)
きこと
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、近松の作の人物が
洽
(
あまね
)
く知られているは舞台に
上
(
のぼ
)
せられて知られたので、その作が洽く読まれているからではない。
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
何故と云へば、悪魔は、牛商人の肉体と霊魂とを、自分のものにする事は出来なかつたが、その
代
(
かはり
)
に、煙草は、
洽
(
あまね
)
く日本全国に、普及させる事が出来た。
煙草と悪魔
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
国の大事ぞ、
等閑
(
なおざり
)
になせそ、もし何者にもあれ天神の難問を
能
(
よ
)
く解き開き得ば厚く賞与をすべきなりと、一国内に
洽
(
あまね
)
く知らしめて
答弁
(
こたえ
)
を募るに応ずるものも更になし。
印度の古話
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
靉靆
(
たなび
)
き渡る霞の中に慈光
洽
(
あまね
)
き
御
(
おん
)
姿を拝み候。
一景話題
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
梧桐
(
あをぎり
)
、
芭蕉
(
ばせう
)
、柳など詩や句に
揺落
(
えうらく
)
を歌はるるものは、みな思ひの
外
(
ほか
)
散る事遅し。
一体
(
いつたい
)
百日紅と云ふ木、春も新緑の色
洽
(
あまね
)
き頃にならば、容易に赤い芽を吹かず。
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
沙翁
(
シェイクスピア
)
は文人として英国のみならず世界の最大の名で、その作は上下を通じて
洽
(
あまね
)
く読まれ、ハムレットやマクベスの名は沙翁の伝記の一行をだも読まないものにも
諳
(
そら
)
んぜられている。
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
謹
(
つゝし
)
んで
慮
(
おもんぱ
)
かるに
神
(
かみ
)
の
御恵
(
みめぐみ
)
洽
(
あまね
)
かりし
太古
(
たいこ
)
創造
(
さう/″\
)
の
時代
(
じだい
)
には
人間
(
にんげん
)
無為
(
むゐ
)
にして
家業
(
かげふ
)
といふ七むづかしきものもなければ
稼
(
かせ
)
ぐといふ
世話
(
せわ
)
もなく
面白
(
おもしろ
)
おかしく
喰
(
くつ
)
て
寝
(
ね
)
て
日向
(
ひなた
)
ぼこりしてゐられたものゝ如し。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
「きりしとほろ
上人伝
(
しやうにんでん
)
」は古来
洽
(
あまね
)
く欧洲天主教国に
流布
(
るふ
)
した聖人行状記の一種であるから、予の「れげんだ・おうれあ」の紹介も、
彼是
(
ひし
)
相俟
(
あひま
)
つて始めて
全豹
(
ぜんぺう
)
を
彷彿
(
はうふつ
)
する事が出来るかも知れない。
きりしとほろ上人伝
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
洽
(
あまね
)
く世間に知られたのは『国民之友』のS・S・Sからである。
鴎外博士の追憶
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
洽
漢検1級
部首:⽔
9画
“洽”を含む語句
洽博
乾地普洽
博洽
和洽
接洽
洽識
溥洽
澆洽
率土充洽
鄭洽